FOXY

著者 :
  • 文藝春秋
3.38
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本棚登録 : 25
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (292ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163237206

作品紹介・あらすじ

天才ホステス・繭子が導く男騙しのテクニック。夜の銀座を泳ぐ19の千華が行き着く先は…。

感想・レビュー・書評

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  • 女優志望の田舎の少女が銀座のホステスになり、ナンバーワンの繭子から男性をおとすやり方を教わって、成り上がっていく。
    よくある話だと思ったのだけど、変にリアルで、ひきつけられる。
    と思ったら、この作者、銀座の経験があったんだな。ほかの話とは少し毛色が違う感じ。なんとなく、男作者のヤクザやハードボイルド小説を思い出した。あの手の小説では、銀座の女なんて賑やかしにしか使わないけど、彼女たちだって影じゃ「男ってバカ」って笑ってるんだよ。そう思うと小気味いい。

  • 著者のことも内容もわからず、
    装丁を見て惹かれて読んでみました。

    FOXYという表題が本当にぴったりの内容でした。

    本当にこのようなことがあるのかな?
    と思いながら興味深く読めました。

    面白かったです。

  • 書評を読んで図書館にて予約。

    ・・・・うーん・・・・

  • これは、銀座のナイトクラブを舞台にした大河ドラマだ。そのくらい迫力のある、非常に濃い小説だった。

    モデルクラブの入所試験に合格した19歳の小沢千華は、北海道から上京し、レッスン料12万を支払って入所契約を結び、さらに部屋を斡旋してくれるというので手付金150万を支払った。ところが次の日に行ってみると、モデルクラブは閉鎖されていた。だまされたのだ。

    銀行にはもう10万しかなく、困った千華は求人誌を見て、バニークラブで働こうと銀座で店を探していた。そこへ「club セビリア」というナイトクラブの社長、氏家に声をかけられ、そこでホステスとして働くことになる。

    セビリアのナンバーワン、川村繭子に付き、面倒を見てもらうことになった千華。田舎から出てきたばかりで面食らうばかりだったが、繭子に教えられたとおりに行動すると、本当に繭子の言ったとおりになる。自ら望んでホステスになったわけではない千華には苦痛なこともたくさんあるが、繭子について行くうちに、次第に自分の足で立つことのできる力をつけていく。

    主人公は千華だが、読んでいる間じゅう繭子のパワーに圧倒されていた。ホステスという職業は繭子の人生そのものである。高いプロ意識と誇りを持った根っからのホステスで、たぶん繭子にはホステス以外の仕事はできないだろう。生まれながらにしてホステスと言っても過言ではない。繭子に男が夢中になるのもわかる気がする。決して自分からは服を買ってくれとかお金が欲しいなどとは言わず、男が自主的に金を出すように仕向けるその手順が鮮やかでお見事。かっこいい。

    千華の上には常に繭子がいて、決して追い越せない。そもそも千華にはそういう意識もないのだろう。繭子を信じ、繭子に教わったやり方で男をだまし、成功していく千華だが、一方で自分とは相容れない部分を繭子に発見すると恐れすら感じ、離れようとさえ考える。でも繭子がいなければ今の千華はいない。千華はもう、一生繭子から離れられないのだ。

    この小説は、読み応えのある迫力満点の、銀座で大輪の花を咲かせた女の一代記である。

    繭子の、きわめて繭子らしい最高の一言で締めくくろう。

    「男もお金も、頭を使えば思いのままになるわ。体なんか売らずにね。女優になるのよ、演じきれば金はつかめる」

    読了日:2007年7月3日(火)

  • 天才ホステス・繭子が男を手玉に取り、のし上って行く様がおもしろいけど、現実にはありえない感あり

  •  19歳の女の子がお金のためにホステスになり、いろんなテクで男たちからお金を巻き上げていく話です。
     自分とは最も遠い世界の話ですが世の中の縮図を見せつけられているみたいでなかなかおもしろかったですよ。
     小説だけど、だからこそ楽しめるものですよね。

  • 2006/11/15

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