料理に究極なし

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163486406

感想・レビュー・書評

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  • 至極まっとうな話である。

    著者はグールメを「食べ物を楽しむ人」と本来の意味に解するが、「食べものの味がわかる人」というグールメ・ブーム(1994年著作)には首を傾げています。
    「極端な言い方をすれば、味の世界に関しては、共通の言語というものがない」とする著者からすれば、「味がわかる」というひとは偽物である。

    また、「味に「究極」などというものは、実はあり得ない」といっています。
    「私自身にしても、新聞記者からこの世界に入って三十年、一流と呼ばれる人々の仕事を世界中を回って見て、誰が作ったらどのような味になるか、時間とお金に糸目をつければどのようなものができるか、自分なりに勉強して、それを仕事に反映させてきたつもりです。しかし、いつも「究極」にはいたりません。「何かもっといいものがあるかもしれない」という怪訝な顔をした、常に訝しく思っているもう一人の自分が、そこにい」るといいます。

    著者の最期のエッセイ集であり、昨今のグールメとは一線を画している。

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著者プロフィール

1933-1993。東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。大阪読売新聞社で社会部記者を務めた後、大阪に辻調理師学校(現・辻調理師専門学校)開校、辻調グループを創設。フランス政府よりフランス最優秀職人章名誉賞受賞、教育功労章シュヴァリエ、農事功労章オフィシエを受章。『フランス料理理論と実際』『フランス料理研究』『JAPANESE COOKING A SIMPLE ART』など著書多数。

「2022年 『ブリヤ=サヴァラン「美味礼讃」を読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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