科学は大災害を予測できるか

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163722504

作品紹介・あらすじ

ブラジルの蝶のはばたきひとつでテキサスの天気は変わってしまう。だから予測は不可能である。そう数字のカオス理論は証明した。では、大災害の予測は不可能なのか?物理学、気象学、経済学、天文学の最先端は、このカオス理論の断崖を越えようとする。

感想・レビュー・書評

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  • カオス理論。

  • 科学が大災害を予測できるかを論じている。表紙を見る限りカオス理論とかバタフライ・エフェクトとかの話があるのだろう。あんま覚えていない

  • 読みやすい。やっぱり地震予知は無理だな。

  • 自然災害、気候変動、惑星衝突、金融危機、パンデミックといった題材を取り上げ、それぞれについて、歴史、主なモデル、予測とその限界について詳しく記述した1冊。複雑系の予測の限界がある程度見えてしまうのであるが、明確に壁があることがわかる以上、それを乗り越える(またはスルーする)道は必ずあるように思う。サイエンスでない視点が今後重要になるかもしれませんね。

  • 科学で予測できないから大災害は起きるし、予測できても避けられない大災害もある。ただ、どこまでは予測できてどこからは予測できないのかを知っておくことは大切。科学者が何を考えているのかもよくわかった。

  • 大災害の予測は難しいが、「ある程度」対処は可能である。
    現状考えうる5つの大災害について数学と科学はどこまで予測が可能かを検証している。5つの大災害とは、ハリケーンなどの自然災害、気候変動、小惑星の衝突、金融危機、パンデミックである。
    各章の要点としては、以下の通り。
    ・自然災害
    ハリケーン(台風)の予測は、実物の観察からモデル方程式を利用する手法へ洗練を見せた。だが、微細な初期条件の差異が結果に大きく響く事が明らかになる。
    ・気候変動
    二酸化炭素の濃度上昇が大気の温度上昇につながっていることは間違いない。しかし、それはどの程度なのか?将来予測モデルの示すシナリオはいまだにばらばらだ。
    ・小惑星の衝突
    数万年単位で予測可能な天文学だが、いつどの小惑星が地球に衝突するかを予測するのは、以外に難しい。まずその接近する小惑星を把握しなければならないからだ。
    ・金融危機
    膨らんだバブルはいつ破裂するのか?17世紀のチューリップから現代のサブプライム・ショックに至る謎の解明に地球物理学者の複雑系のアプローチが灯を点す。
    ・パンデミック
    鳥インフルエンザは、いつヒトからヒトへと感染するタイプに進化するのか?シミュレーションによって具体的な予測を立てるべく世界中の科学者が奮闘している。
    ・予測はどこまで可能になったのか。
    完全な予測モデルは、今のところ存在しない。だが将来を悲観することはない。すでに被害を抑えることには成功している。なにより科学も数学も日々進歩しているから。

    これらの大災害の中に地震が含まれていないのは、現時点で予測が不可能であると判断されているため。予測は長期に渡るもの。予知は短期的なものであり、地震に求められるのは予知の部分であるため。
    著者は予測技術は進歩すると言うが、それは地域・国家レベルの話であり私達個人のレベルでの予測や対応は不可能と考えたほうが良いかもしれない。常日頃、災害に対する情報収集や心の準備はしておいたほうが良さそうです。「備えあれば、憂いなし。」

  • 世の中は複雑系でいっぱいで、気象や地震を始め、予測出来そうで、実際は正確に予測できないことが沢山ある、という本。自信がある度に週刊誌をにぎわす地震は予言出来ていた!という類の記事はとりあえず信じないようにしましょう。

    学者は学者で、研究費とりたいがために、どうしてもお金がもらえそうな予測を出しがちということも書いてあります。そうなんだろうなぁ。

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