矛盾があるからヒットは生まれる

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 95
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163740409

作品紹介・あらすじ

クリエーターとマネージャーの二つの顔を持った「コンセプター」稲船敬二。誰もが、仕事にやる気や情熱を持たなくなっている時代に、なぜ彼は成功し続けることができるのか。その秘密は「コンセプト仕事術」にあった!誰にでもわかりやすく、すぐに実践できる稲船流仕事術のすべてがここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 有名ゲームを作り出してきた著者の仕事術
    タイトル通りの中身ではないが、面白いゲームの作り方ではなく、面白いゲームを作った著者のマインドの話。
    取っ付きやすい内容で、すぐ実行できることも多いので、何か読んでみたいという人には最初の本としてオススメ。

  • ゲーム業界で、クリエイターの方にはお薦めの一冊。

    他業界の方は自分の課題にマッチした専門のビジネス書をお薦めします。
    交渉や上司論、ビジネスの考え方など、全般的に広く浅く触れている感じでした。

  • コンセプトを軸にぶれない意思と行動。
    アウトプットの重要性。
    相手の立場に立つということ。
    ここら辺が重要だと感じました。

  • 日経アソシエで紹介されていたので、読みました。
    著者はバイオハザード、鬼武者などのプロデューサーであり、カプコン出身のトップクリエイターです。
    冒頭はいかにコンセプトが大切かの問題提起から入り、著者が過去の経験から、よくあるビジネスマンの悩みに彼なりのコンセプトを順番に紹介していくという流れになっています。

    評価で1をつけたのは、極めて紹介されるコンセプトがありきたりのものでした。あれだけのゲームを産み出した方だから、ビジネスだけの人生とは違うConceptを学べるかなと期待しただけに少し残念でした。
    ただ、裏を返せば社会で結果をだしていくというのは、当たり前のことを当たり前にしっかりやることなんだな、というのが改めて学べます。大体40分くらいで読めました。誌面はすごく読みやすいデザインです。

  • 『ロックマン』『バイオハザード2』『鬼武者』『デッドライジング2』を生み出した稲船さんが「コンセプト仕事術」について語った本。カプコンにデザイナーとして入社し、数々のゲームを生み出した後、最近のゲーム業界に疑問をもち23年間働いてきた会社を辞め、独立した方です。

    本を読み進めていく中でわかったことは、稲船さんは「ビジネス感覚を持ったクリエーター」である事。本書の中で印象的だったのは、一般のクリエーターは日本の衰退してきているゲーム市場を気にしながらゲーム作りをしていないので海外を意識したゲーム作り等は行っていないらしいが、稲船さんは現状を把握した上で「海外へ!!」と声を大にして言っているという事。実際海外のゲーム市場を意識して製作された『デットライジング2』は全世界で200万本出荷されており稲船さんの凄さを感じた。(シリーズ累計出荷本数は400万本で、龍が如くは廉価版・続編含め全世界累計発売本数400万本と同程度だった。)
    経営者の考え方も技術者としての考え方も持ち合わせている稲船さんのような考え方が出来るようになっていきたいと思った。

    また、具体的に「コンセプト仕事術」について書かれている部分では大事なキーワードがいくつか紹介されていて、その中でも①自分の長所を見つけて伸ばす②プライドはすてる、という2つのキーワードを意識して行動していきたいと思った。

  • まずは自分が欲しいもの、交渉の目的を設定する。この場合はいちごをまるまる一つ食べること。とにかく半分にするというのは、目標の設定としてよくない。それから、最初から欲しいとは言わない。最初に言ってしまうと、相手も欲しくなったり興味を持ってうまくまとまらなくなる可能性が出てくるから。そして、大事なのが交渉の際に、相手に自分が得していると思ってもらうこと。この場合相手は、半分以上のケーキを食べられたので満足している

  • カプコンを退社し、「comcept」社を立ち上げた稲船氏の仕事術が凝縮された一冊。
    読んでいて実に得心がいく。
    稲船さんが真に「新しいものをチームで作る」ことに成功し続けてきた人であり、その理由を構造化してわかりやすく読み手に伝えてくれている。

    いくつか「はっ」と思ったことのメモ

    p.28
    「英語は出来ないし、外国人の考えなんてよくわからない。だからわざわざ海外でも売れるゲームを作ろうなんてことはしないのです。
     ではなぜ国内で回していけばいいという考えが蔓延したのでしょうか。
     それはビジネス側(経営者)とクリエーター側(制作者)の意識の乖離に原因があるとボクは思っています。」

    →これは中島聡と梅田望夫さんの話で扱われていた「スーツとギークの対立」に重なる。ベンチャー企業ではまずもってこれは起こらないだろう。なぜなら、ずば抜けたギークが社長になったりするから(いまだとレベルファイブなんかがそれに当てはまるかも。稲船さんのcomceptもそういう会社なのかな)。

    p.98
    「仕事のコンセプトとして大切にしているのは、常に相手の望む部分を意識することです。相手の望むことをやって、けなされることはありません。だから、常に相手が望んでいることを考え続けるのです。」

    →至言だ。これが徹底できるビジネスパーソンは最強だろう。

    p.112
    「結局、オリジナリティというものは、もともとのオリジナルをいくつか組み合
    わせることで生まれてくるものなのです。(中略)
     ボクが生み出すコンセプトというのは、組み合わせで無限に生まれてくるものですし、混ぜ方の按配は人にはマネができない。だからオリジナリティなのです。」

    →ジェームズ・W・ヤングのアイディアの作り方にピタリ重なる。「混ぜ方の按配」という表現がとてもしっくり来る。料理人をふと想起させる。どんなコンセプトのもとで、素材をどう組み合わせて、どういう料理法を取るか次第で、オリジナリティが発揮される。

    達人というのは、とかく1つの道を突き詰めてきた人と定義されがちだが、それは「1つの見方しか持っていない」ということではない。むしろ、まったく逆である。数々の挑戦を重ねる中で、深さと広さをあわせもった「進化」を遂げてきた人が達人なのだと思う。
    だからこそ、達人たちの言葉には期せずして重なりが生まれてくるのではないか。
    大切にする価値観には共通点がかなりある、ということで。
    本書を読んで、私はそんなことを思った。

  • これは自分にすごく合っている考えが多く、
    実践できそうで読んだ価値がありました

  • 超大物クリエーターの考え方をドストレートに書き綴った一冊。コンセプトに考えるにあたって、特別な事はない。ちょっとした工夫の積み重ねなんだなと改めて思い知らされた。

  • 「人柄」が伝わってくる。

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