烏は主を選ばない 八咫烏シリーズ 2

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163822808

作品紹介・あらすじ

ぼんくら少年、陰謀渦巻く華麗な朝廷へ。気鋭の清張賞受賞作家第二作八咫烏の世界を描くファンタジー絵巻第二弾。兄宮派と若宮派に分裂する朝廷、権力争いに放り込まれた少年が見出した意外な真相とは?

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ2作目、同じシーンが違う視点から描かれていて、今回も楽しめました。続きが楽しみです!

  • 八咫烏シリーズ2作目。
    1作目で描かれていた后選びの裏側で、兄宮VS若宮の世継ぎ争いが繰り広げられていた。
    前作と同じシーンもたくさんあり、違った目線で描かれると、こんな見え方になるのか!と面白かった。
    こういう形でシリーズが続いていくなら、それまでの内容をしっかり記憶に残しておいた方が楽しめそう。すぐに忘れてしまうから、続けて読んでいかないと!

  • 4人の妃候補選びの背後で、血生臭い勢力争いが繰り広げられている中で、主人公雪哉と若宮のやり取りが軽妙で楽しく、次第にハラハラした展開となり、最後は…切なく哀しい想いも湧きました。やっぱり一気に読了。続きが楽しみです。

  • 978-4-16-382280-8
    c0093¥1400E

    烏は主を選ばない
    八咫烏シリーズ 2

    著者:阿部智里(あべ ちさと)

    発行所:株式会社文藝春秋
    2013/07/10. 初版
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    カバー袖より
    八咫烏が支配する世界 山内では
    次の統治者 金烏となる 日嗣の御子の座をめぐり、
    東西南北の四家の大貴族と后候補の姫たちをも巻き込んだ 権力争いが繰り広げられていた。
    賢い兄宮を差し置いて世継ぎの座に就いた うつけの若宮に、強引に調停に引っ張り込まれた ぼんくら少年 雪哉は陰謀、暗殺者のうごめく朝廷を果たして生き延びられるのか…?
    --------------

    手にした理由 
    八咫烏シリーズの①「烏に単は似合わない」が面白かったので、こちらも期待を持って楽しみたいです。
    カバー袖の振りによると、今回は若宮と少年の立ち回りになるのかな?
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    宗家・四家・家系図

    1 ぼんくら次男
    2 うつけの若宮
    3 谷間
    4 桜花宮
    5 七夕
    6 回答
    ------------------
    ある皇子が言った。

    金烏が生まれると、日照りが起こる
    金烏が生まれると、大水が起こる
    金烏が生まれると、大きな乱があって、たくさんの八咫烏が死ぬ。
    皇子が嘆いて言った。
    何故、金うなんてものが生まれるのか。

    それを聞いた金烏が、答えていった。

    ある時には、日照りが起こる。
    ある時には、大水が起こる。
    ある時には、大きな乱があって、たくさんの八咫烏が死ぬ。

    だから、金烏が生まれるのだ。

    『青烏坊夜話』より  (せいうぼうやわ)
    第1夜「金烏のはなし」
    -------------------------------
    ①の時の家系図に加え、それぞれの家に広がりがあります。関係者が増えます。
    つまり、その人が必要になって登場してきたことになりますから、新しい名前は注視して読むことにします。

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    八咫烏は夜には鳥形に転身できない。

    雪馬 ゆきま 垂水郷の長男
    雪哉 ゆきや 垂水郷の次男 (長男、三男とは母が違う)
    雪雉 ゆきじ 垂水郷の三男

    雪正 ゆきまさ 垂水郷の郷長 (北領、北家当主から娘を嫁にした)
    梓  あずさ 雪正の妻(2番目)
    垂水郷は北領に属し、武人が多い、雪正の叔父や弟も勁草院に関係する。

    長束 なつか 宗家の長男 母は大紫の御前 南家出身
    若宮 わかみや 宗家の次男 母は故人(十六夜)西家の出身
    和磨 かずまろ 北家の官烏の息子
    喜栄 きえい 北家当主の直孫 いずれ北家の党首になる
    澄尾 すみお 招陽宮に勤める八咫烏 官烏ではない、小柄
    路近 ろこん 南橘のミチチカ 現在ろこんと名乗る 長束の護衛
    敦房 あつふさ 南家出身者 叔母が南家当主に嫁ぐ 長束の側近
    松韻 しょういん 落女のトップ、現在の金烏の側近 藤宮連に居た。南家出身者
    西家当主 赤茶色の口髭
    今上陛下 こんじょうへいか 現在真の金烏が居ないための金烏の代理 長束、若宮の父親、政治嫌いで引っ込み思案、芸事好き。へなちょこw
    大紫の御前 今上陛下の妻 南家出身者
    くれ葉 くれは 谷間の店の売れっ子 
    和満 かずみち 北四条家当主 和磨の父親
    一巳 かずみ 青年、勁草院の下働き (元は北家本堤に仕えていた下男)
    白珠 しらたま 北家から登壇した后候補 色白小柄で華奢
    融 とおる 南家当主 大紫の御前の弟


    招陽宮 しょうようぐう 若宮殿下の宮(住まい、居室、テリトリー)
    紫宸殿 ししんでん 金烏陛下の御所の正殿 御所と朝廷が接する唯一の場
    哨月楼 しょうげつろう 若宮行きつけの店 (谷間に通じる通路有り)
    谷間 たにあい 山中の抜け道、その先には賭場など非合法地帯
    勁草院 けいそういん 宗家を守るために組織される。宗家を守る山内衆という武人集団の訓練所


    山内衆 宗家の護衛をする武人集団
    藤宮連 ふじみやれん 金烏の妻、娘などの住まいである藤花宮と、金烏の妻になる候補の姫たちが住まう桜花宮の警護をする女性武人集団

    落女 らくじょ 生まれの戸籍を捨て、男として朝廷で働く女 陛下の側近
            (男女平等の扱いを受けることができるが女には戻れない)
    白烏 はくう 神事を司る長 宗室典範の審判者
    伽乱 かろん 南領の特産物 香として、薬として、毒として使える
           若宮の生母は伽乱で死亡 大紫の御前の部屋の香

    蔭位の制 おんいのせい 祖父父により孫子が官位を受けること

    膂力 りょりょく 腕の力
    快哉を叫ぶ かいさいをさけぶ 心が晴れやかになって思わず声がでる

    ●側仕えと近習の違い
    近習は特別な位置にいて、側仕えが増えても近習の下の位
    側仕え 仕事としてつかえる
    近習 きんじゅう 主君と個人的な付き合いも含んだ、最も近しい者、未来の側近

    ●即位と践祚のちがい
    皇嗣が天皇の地位を受け継ぐこと、その儀式のことを 践祚(せんそ)
    受け継いだことを宣言して祝意を受ける儀式の 即位 (そくい)


    若宮の母(十六夜)と父は登殿で親しくなったわけではない。
    母は病を得て宿下がりをした。今上陛下との接触は1度の挨拶のみ。
    母が桜花宮に戻る前に南家の姫が入内。
    皇后の強い希望で、桜花宮のほかの姫たちは強制的に宿下がり(実家に戻された)。

    北家の姫は早々に北家の分家の宮鳥へ嫁ぐ。
    西家の姫(十六夜)と東家の姫(浮雲)は嫁がなかった。
    十六夜はその後、陛下の側室となり、若宮と藤波(娘)を生む。
    浮雲はその後、自身は黒髪であるが、薄い色の髪を持つ娘(あせび)を生み、東家の当主の側室となる。

    ++++++++++++++++++

    私が読む本は、児童書が多いせいもあるのか、物語がひと段落して、良かったね、となって、次への扉が開かれるところで終わることが多い。
    このシリーズは、読者が、作中の中のキャラクターに「多分こういう立ち回りの役のキャラだな」と思わせておいて、終盤 ガラガラとひっくり返り、それでもちゃんとつじつまが合う布石が打たれていて、それに気が付かずに読み進み、種明かしがあって、「やられたー、そうきたかー」となる。

    「烏に単はにあわない」の時も感じたけど、書き手と読者の心理戦というか、「と、思わせといて」ってのが上手。
    物語の最初から、ぐっとつかまれてしまうし、続きが楽しみなシリーズです。
    リアル書架を整理して並べないとです。

    悪役に立ち回るキャラにも、そうなってしまった事情があるのが救いです。

    ※このシリーズは紙ノートあり

  • 八咫烏シリーズ第2作。
    前作の「烏に単は似合わない」はコミカライズで見ていたので世界観に惹かれ読んでみた。
    時系列としては前作の少し前あたりだろうか。
    前作同様、宮中という少し異常な空間の中、正気のまま歪んだ人間(八咫烏)をまざまざと見せつけられるのが良い。
    予想はできていたがボンクラやうつけが本当にそうとは限らないところも少しずつわかっていくのが良い。
    ぼんくらの北家直系の少年と、うつけと呼ばれた若宮の行末が気になるので続編も読みたい。

  • 本を読んでいるはずなのに、映画かアニメでも見ているかのようだった。とても映像が浮かんでくるようだった。

  • キャラが立っているから読みやすい。
    場面転換が多いので、だれずにぐんぐん読める。
    最後のところだけ、ちょっとモヤっとしたかも。
    でも、続編があるみたいなので、その布石かもと思うと楽しみ。

  • 陰謀が渦巻く朝廷で多くの敵に立ち向かう若宮と雪哉の物語。
    「烏に単は似合わない」の姫達のどろどろとしたバトルロワイヤルの裏ではさらに暗く、重い陰謀が隠されていたとは・・・。
    また、小野不由美や上橋菜穂子に劣らない文章力にも感激した。
    次巻にも期待。

  • 日本神話にも登場する三本足の伝説の烏「八咫烏」…人間の姿に変身することもできる彼らが支配する山内を舞台にして描かれる異世界ファンタジー「八咫烏シリーズ」の2作目『烏は主を選ばない』です。

    1作目は日嗣の御子である若宮の妃を桜花宮で選ぶお話でしたが、今作はまさに1作目と同じ時系列で桜花宮の外での若宮側のお話…と言っても語られるのは若宮の側仕えとなる雪哉の視点から。

    いやぁ〜これはおもしろかった!雪哉も若宮もどちらもとても魅力的なキャラクターでしたね。朝廷での権力争いから交錯する思惑、程よいアクション、怒涛の伏線回収…雪哉の選択は本当にそれで良かったの?そしてまだまだ「八咫烏」という設定が本領発揮されてないよね?「本物の金烏」って何?続きを読むのがますます楽しみです〜。

  • 続きが気になって、時間を忘れて読んでしまった。こんな読書体験は久しぶり。
    シリーズ一作目とほぼ同じ時系列で、若宮側のお話。
    一作目と同様に、最後の最後で一気に種明かしされるような構成で、解決するスピード感が楽しめた。

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著者プロフィール

1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞受賞。デビュー作から続く「八咫烏シリーズ」は、松崎夏未氏による漫画化、中台翻訳など進行中。19年『発現』(NHK出版)刊行。

「2023年 『烏は主を選ばない(4)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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