卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901572

作品紹介・あらすじ

デポー大学で心理学部准教授をつとめるハーテンステイン先生は、人が将来を見抜く手がかりを研究する心理学者。彼は人の表情に隠された「手がかり」を確かめるために、卒業アルバムに着目した。20代から80代まで、650人以上の大学の卒業生の卒アル写真を集めて、笑顔の度合いを点数化。そして結婚生活がうまくいっているかどうかを尋ねると、あまり笑っていない人の離婚率は、満面の笑みの人の5倍にも達していた!日本版のタイトルはこの驚くべき実験に由来している。ハーテンステイン先生は、この実験以外にも、人間の将来を見抜く「手がかり」についての学問的研究を集めて、一冊にまとめあげた。それがこの極めてユニークな本書だ。たとえば、著名なゴットマン教授らの研究によれば、結婚が長続きする夫婦の会話では、否定的なことを1つ言ったら、肯定的なことが5つ言われる。しかしその割合が1対1になると、いずれ破局が訪れるという。さらに、カリフォルニア大学の心理学者エクマン教授は人のウソを見抜く方法を確立。1/12秒の瞬間の微表情、顔の筋肉、左右非対称な表情といった顔の情報と、声、話し方などの分析で、90%の精度でウソを見抜けるという。他にも、フォーチュン500企業のCEOの顔写真だけで会社の業績がわかる、ヒップとウエストの比率だけでモテる女性がわかる、子供に選挙候補者の写真を見せればどちらが勝つかわかるなど、にわかに信じがたいような科学的事実が満載。すべて、対照実験に基づいて統計的に得られた研究結果である。思いもよらぬところに隠された「手がかり」に気付かされ、ページをめくるたびに驚きと発見が連続する快作!

感想・レビュー・書評

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  • 0.05秒見ただけでどんな人物であるか判断する能力を人は持ち合わせているらしい。性格や気質がその人の顔や姿に反映されるのか?性格に共通する顔の作りや姿勢はあるのか?逆説的に、周りの人が抱いたイメージ(印象)が期待や対応の違いを生んでその人のキャラや性格を作った可能性は?

    ...

    人が嘘をつく時、ほんの微かに顔が歪む。罪悪感や否定や苦しみや真実に対抗する感情が本当に一瞬だけ現れる。"信頼できる筋肉"という本当の喜びや悲しみを感じた時にだけ動く自分の意思では動かせない筋肉がある。
    真偽を正確に当てることのできるEFT(嘘が見える目)という女性がアメリカにいる。彼女は若い時から人の気持ちや真偽を言い当てる事が得意だった。彼女は一般の人よりも、人が一瞬だけ発する些細な嘘の仕草や表情を敏感に察知し意識レベルに上げる事ができる稀な存在。

    ★「表現が豊であること」の強力さ
    表現豊かで生き生きした人(熱意、熱血感が見える人)は、温かく、社交的で、優秀で、目的意識が高く、個人的な能力も高いと"見なされる"

    ・裁判で、童顔は刑を免れる傾向にある
    童顔は、純真、素直、か弱く、温かく、正直な印象を与える
    童顔の人と、大人びた顔の人では、職業に差を付けられる傾向(童顔は窓口係で大人びた顔は査定役、など)があるのは事実だが、態度や行動に明確な差があるかは不明。

    ・写真を0.05秒見ただけで外向的かどうかがわかる

    ・幅の広い顔は、支配的、攻撃的である傾向

  • 左右対称より女らしい顔立ちに魅力を感じる。小さな顎、ふっくらした唇、大きな目、高い頬、ほっそりした輪郭でエストロゲン豊富

    肯定5、否定1の割合が長続きする

    目元まで満面の笑み

  • [江戸川区図書館]

    図書館でサラリと。単に成長過程(年齢追従顔認識システム?)を予測する、もしくは人相学からその人物の性格を読み解き、歩むだろう人生を予測する、というものかと思ったけれど、どちらかというと表情学に近い内容。海外ドラマ「Lie to me」の実在モデルとなっている、精神行動分析学者であるポール・エクマンの研究成果についても簡単にまとめて説明&利用について書かれていたし、なかなかに面白い一冊だった。

  • 外見や身振り手振りなど非言語情報が人に与える影響が大きいということがよく分かる。

    さらに、直感に近い瞬間的な判断で人は見分けられてしまう。

  • 誠の恋をする者は皆一目で恋におちる、シェイクスピア

  • 顔を見て、色々な事を知ろうとしている本。

  • アンケートを取ってみたところ、理由はわからないけど人の顔で、だいたい性格がわかってしまうことがわかった、というような本。結局顔がすべてなのか、というだけで、特にどうしようもないことなので得るものはない。顔の幅の広い男性は、攻撃的で、社長だったらその会社の業績が良いというのは本当なら面白い。ただし、すべてアメリカを対象にしたものであり、日本でも同じかはわからない。

  • ①幅の広い男性の方が攻撃的。同様に嘘をつきやすい。②童顔の人の方が裁判で刑が軽くなる。③女性は左右対称の顔の男性を求める。良質な遺伝子と良好な健康状態である可能性が高いため。シャツについた汗の匂いも好まれる。④男性は生殖能力の高い女性を選ぶ。女性らしい顔、腰のくびれ。⑤男女関係を持続させる会話の黄金比は、肯定発言が5、否定発言が1。⑥満面の笑みで写真におさまる人の寿命は長い。⑦嘘をついてる顔。目の周りの筋肉は意図的に動かせない。顔の片側だけより収縮してる場合は胸のうちを明かしていない。⑧成功する経営者の顔の幅は広い。

  • 進化心理学的に、人がいかに見た目で人を判断しているか、そしてそれが案外正しいという事例が載っている。読んだ内容を人に話したくなる。

  • 結局 世の中カオか! と叫びながら、ニヤニヤ笑いで本棚に仕舞いたくなる一冊。どちらかというと仲間内に「こんな本あるんだぜ~こんなこと書いてたんだぜ~」と言って回りたいような内容。

    ご本人もあとがきでおっしゃられるとおり、学術的な記述を省略しすぎてチョッピリわかりづらいところもあるのですが、おおむね悲壮感漂う内容となっています。特に選挙のニクソン大統領のくだりなんか読んでいると、本人の有能さをそれほど示しているわけでもない(かもしれない)顔からくる印象が選挙結果を左右するとか、恐ろしいにもほどがある。賢そうに見えるからと言って賢いわけでもないし、バカっぽく見えるからと言って本物のバカでもないというのは、世に溢れるあらゆる文化人や学者さんを見ているとなんとなくわかるわけですが、もうあれかな、我々は初対面の相手と接するときには目を閉じるしかないのかな……

    敏腕CEOのあたりもちょっとぞっとしてしまう。相手の顔を数秒ながめると、相手の実際の力量にかかわらず、左脳の偏桃体が「コイツ有能だぞ!」と反応してしまう。そして「この人は信頼できそうだな……よし、株買っちゃお!」とか「融資しちゃお!」とか「取引成立!」とか決めちゃって、その積み重ねで商売がうまく回っているというなら、そんなのもう整形しないと勝てないじゃないですか。みんな頬骨増し増ししないといけなくなるじゃないですか。どうすりゃいいんですか。

    顔が実際の有能さや健康を示す直接的な手掛かりであるならよいのですが、本文中で紹介されている、「左右対称の顔は健康の証!」説を反証する論文も実際にはあって、それによれば単に左右対称の顔のほうが視覚的に認識しやすいから好まれるのだとか。まだデータが不足しているので余計に結論を出しづらいのですが、実態を表しているわけでもないかもしれない顔によって、人々はお互いを誤解し続け、しかも自分の選択や判断は間違っていないと常に記憶を都合よく書き換え続けるというのは何というか恐ろしい。視覚的な第一印象が大事だから、そこに力を入れて! などと言ったって、そんなのには限度があるのだから、やっぱり本文中で提案されている通り、ブラインド判断するのがいちばん良いような気もするのだけれども、そんな時代でもないですしね。困りましたね。

    などということをツラツラ考えながら読んだわけですが、一般書らしく読みやすいといえば読みやすいご本。ただしまだだ研究が不足しているせいで、結局カオはどこまで実態を表しどういうところで信用できるのか、などの具体的な判断基準を得られる本かと言われれば、そんなことはありませんので、今後どんどん研究成果が詰みあがっていくことを祈りつつ、とりあえず半信半疑でそっと本棚に戻しておくのがよいですかね。

    あと、学校の先生の力量はプレゼン能力で測られてしまう悲しみとか、出世には大人びが顔が良いとか、童顔犯罪者は割と無敵とか、そういう個別的な話は得られますので、関連分野に携わっておられる方は読まれてもよいかも。

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