- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163903682
作品紹介・あらすじ
ソニーから東芝まで事件な企業の決算書を、会計士が読み込む!数字の羅列から、記者会見からは決して見えてこない企業の「裏の顔」が明らかに。粉飾、内紛、リストラ、資金繰りの悪化――。会計士には、隠し事はできない。・ソニー:赤字決算にもかかわらず、なぜ多額の法人税を納めているのか?・大塚家具:トップの座を巡る父と娘の対立は、実は日本型経営と米国型経営の対立だった・日産:コストダウンでは絶対に削ってはいけない数字がある・キーエンス:企業内平均年収1600万円超。「工場がない製造業」はなぜ儲かるのか?・スカイマーク:倒産する企業はまず決算書のここに赤信号がともる・東芝:監査が見逃した「ソフトウェア開発の数字」に、異常事態がはっきりと現れていた【目次】■はじめに■第一章 ソニー不振が続くソニーは、2014年度も1259億円の赤字に終わった。しかし、内訳を見てみると、その業績からは考えられないほど多額の法人税を納めていることがわかる。ソニーは本当に儲かっていないのか?■第二章 大塚家具父と娘の争いが「親子喧嘩」とも報じられた大塚家具。その背景にあったのは、経営の合理化に対して真っ向から対立する二人の姿だった。在庫数・平均年間給与・従業員数の推移にこそ、騒動の本質はあった。■第三章 コジマ、日産正社員のリストラを行い、沈んだコジマ。いっぽう、同じく大量のリストラ後に史上最高益を記録した日産。その違いはどこにあったのか。企業のコストダウンにおいては、絶対に削ってはいけない数字がある。■第四章 キーエンス平均年収が1600万円を超える、知られざる超優良企業キーエンス。その決算書には、異常とも言える高利益率が示されている。製造業でありながら工場を持たない同社は、一体何を作り、何を売っているのか?■第五章 スカイマーク、江守グループホールディングス2015年上半期に倒産した、二つの上場企業。なぜ、好業績を保っていた会社が、ある日突然倒産してしまうのか。増収増益でありながら、実は経営が苦しくなっていたその謎を、「第三の決算書」から解いていく。■第六章 東芝「不適切会計」が発覚し、歴代三社長が辞任した東芝。その手口は、「会計監査の穴」を狙った、実に巧妙なものだった。しかし、その過去の決算書にははっきりと、歴代の粉飾企業と同じパターンが残っていた。■おわりに
感想・レビュー・書評
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1時間で読了。
企業審査の基礎。実例で示してあるので非常に分かりやすい。銀行の融資・審査担当に加え、個人の投資家にもプラス。
あとがきにて、日本郵政のトール買収もどうなるか、という記載があったが、実際先日多額の減損を行っており、まさに慧眼。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
決算書を読むことが、これほどさまざまなことを教えてくれるのかと感心した。大塚家具のお家騒動とか、それは単純な親子喧嘩ではなく、生き残りをかけた経営の主導権争いだった、とか。大塚家具の創業社長さんって、家具が好きで好きで、そして社員をすごく大切にして、でも時代の流れには大きく翻弄されたとか、そんなドラマが見えてくる。
ソニーとかキーエンスとか、その業績から今、生き残るためのかじ取りについても考えさせられる。会計って、面白いね。 -
一般企業でファイナンス部門のペーペー社員をやっていることもあり会計士の視点が知れて面白かったので2も買いました。
株式投資をする時にも役立ちそうな情報がぎゅっとなってます。
ただ本自体は古いので東芝粉飾とか日産をカルロスゴーンが再建したとかがホットニュースの時代。 -
2015年に書かれた本のため、事例は古いものの、決算書から読み取るべき項目の説明は2022年現在でも変わらず有益。
一方で、勉強するための本として読むと簡単すぎる内容。
金融機関に勤め始めた新人が決算書関係の体系的な本を何冊か読んだ後、コーヒーブレイク的な位置付けで読むと適当かと感じた。 -
大企業の決算書を同業他社と比較し、経営方針の違いや粉飾への気づきのポイントについて解説された本。東芝の件、改めて容易には気付けないだろうなと思った…。
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決算書という1次データから、どこまで分かるのかということを具体例で示してくれている。
古い本にはなるが、今日のソニーの躍進など今でも使える観点は多い。 -
読みやすい本でした。
決算書を見る時のポイントがわかり実践で役に立つ内容でした。 -
会計の知識がなくても、内容をイメージしやすい。読みやすく、三時間程度で読めた。
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企業分析ができるようになるために、決算書を読む勉強を始めており、何冊か関連書籍を読む中でこの本に手に取った。
本書は、話題の企業(2015年当時)の内情を決算書から分析していくというのが主な内容。
我々が持っている対象企業に対するイメージとは異なる本来の企業形態や、ニュースなどで日々流れる情報からは得られない企業の戦略や失敗を決算書を通して解説されている。
本書を通して、これまでイメージできていなかった、決算書を読んでいく中で注目すべきポイントを押さえることができたと同時に、改めて企業状況を分析していく上で決算書を読み込むことの重要性を理解できたと思う。
内容はそこまで難しくないが財務三表がどういうものか何となくイメージできていれば、理解は進むと思う。
決算書を読む際にどこに注目すべきかなどをイメージできていない人におすすめ。