生涯投資家

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著者 : 村上世彰
  • 文藝春秋 (2017年6月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906652

作品紹介

「お金儲けは悪いことですか?」 2006年6月、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引を行った容疑で逮捕され、のちに執行猶予つき有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。逮捕間際に言ったその言葉が注目された。以後、表舞台から姿を消したが近年株式取引の世界に復帰。その動向が注目されている。 本書は、その村上氏の最初にして最後の著書であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何を試みたのか。ニッポン放送、阪神鉄道、東京スタイルなどへの投資において、いったい何があったのか。その投資哲学、日本企業、日本の経営者たちへの見方はどうなのか。そして今後何をしようとしているのか。 村上ファンドを率いて日本に旋風を巻き起こした著者が、その実像と思いを自ら書き上げた話題作。(目次)はじめに――なぜ私は投資家になったか第1章 何のための上場か上場のメリットとデメリット/官僚として見た上場企業の姿/コーポレート・ガバナンスの研究/ファンドの立ち上げへ――オリックス宮内義彦社長との出会い/日本初の敵対的TOBを仕掛ける/シビアな海外の投資家たち第2章 投資家と経営者とコーポレート・ガバナンス私は経営者に向かなかった/私の投資術――基本は「期待値」、IRR、リスク査定/投資家と経営者との分離/優れた経営者とは/コーポレート・ガバナンス――投資家が経営者を監督する仕組み/累積投票制度を導入せよ――東芝の大きな過ち第3章 東京スタイルでプロキシーファイトに挑む東京スタイルへの投資の始まり/十五分で終わった社長との面談/激怒した伊藤雅俊イトーヨーカドー会長/決戦の株主総会/なぜ株主代表訴訟を起こしたか/長い戦いの終わり第4章 ニッポン放送とフジテレビフジサンケイグループのいびつな構造/ニッポン放送株式についてくる「フジテレビ株式」/グループ各社の幹部たちの思惑/本格的にニッポン放送への投資に乗り出す/生かされなかった私たちの提案/私が見たライブドア対フジテレビ/逮捕第5章 阪神鉄道大再編計画西武鉄道改革の夢――堤義明氏との対話/そして阪神鉄道へ/会社の将来を考えない役員たち/阪神タイガース上場プラン――星野仙一氏発言の衝撃/またしても夢は潰えた第6章 IT企業への投資――ベンチャーの経営者たちITバブルとその崩壊/光通信とクレイフィッシュ/USEN、サイバーエージェント、GMO/楽天――三木谷浩史氏の積極的なM&A/ライブドア――既得権益に猛然と挑んだ堀江貴文氏第7章 日本の問題点――投資家の視点からガバナンスの変遷――官主導から金融機関、そして投資家へ/日本の株式市場が陥った悪循環/投資家と企業がWin‐Winの関係になるには/海外企業の事例――Appleとマイクロソフト第8章 日本への提言株式会社日本/コーポレート・ガバナンスの浸透に向けて/モデルケースとしての日本郵政/もう一つの課題――非営利団体への資金循環/世界一の借金大国からの脱却第9章 失意からの十年NPO/東日本大震災について/日本における不動産投資/介護事業/飲食業/アジアにおける不動産事業/失敗した投資の事例――中国のマイクロファイナンス、ギリシャ国債/フィンテックへの投資おわりに

生涯投資家の感想・レビュー・書評

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  • 今年株式投資を初めたので、投資に勝つ本ばかり読んでました。

    本のタイトルから株式投資のハウツー本ではない気がしましたが、
    あの村上ファンドの村上氏の本なので読むことに。
    内容は、村上氏の人生とコーポレート・ガバナンスの重要性を謳うものでした。

    恥ずかしながら初めてコーポレートガバナンスの言葉と意味を知り、村上氏のイメージも変わりました。

    この本読み終えて投資の考え方が変わり、視野も広がったので、投資初心者から一歩前進した気がします。

  • 図書館で借りた本。村上ファンドで一時期世間を騒がせた村上世彰さんの自伝。投資にまつわる話が中心。本人の信念と情熱、裏付けされたデータ、筋を通す事を信条に投資をやっている。本人も自分は短気なので言葉の行き違いでの誤解や印象が悪くなった部分も否めないと言ってるが、私はマスコミの印象操作も大きなマイナスになったと思う。今ならツイッターやFBや動画や対談で意思表示できる手段が多いのに当時はテレビだけ、インタビューも都合よく編集されただろうし。本の中でこうしたら良いと言ってるのは、企業の内部資金を巡回させるのは日本経済にとって有意義な事。日銀のマイナス金利やアベノミクスで何とか経済回そうとしてるのは分かる。なぜコーポレート・ガバナンスにこだわるのか?は徹底して説明している。後は国の借金問題、高齢化・出生率減、不動産投資、NPOやNGOなどの解決策案。村上さんが投資を通じてやろうとしてたコーポレート・ガバナンスが今頃、15年後に具現化してくるとはなぁ。東日本大震災で炊き出しに来てた村上さん。本の収益も日本の投資の教育・啓蒙活動に使うそうだ。どんどん人材を育てて欲しい。

  • きわめてまっとうな事が書いてある本。読み終わって感じたのは、村上さんって自分の正義(というか価値観)に則って動いている人なんだな、という事。日本の株式市場の考え方は歪んでいるなぁ、というのは改めて感じるし、上場する必要が無い会社はMBOすべきだし、IRRは15%を望むというのも、資金を循環させる事で資本市場を活性化させるという観点からは、なるほどな、と思う。
    村上さんは、慈善活動もやってるし、日本の将来についてもしっかり考えているし、こういう人が逮捕されずにもうちょっと活躍してくれれば、もう少し違った日本が見えていたのかな、と思ったりもした。
    日本の上場企業にコーポレートガバナンスが根付いてくれると、幸せな人が増えて良いな、と個人的にも感じた。まずは、自分が出来ることを着実にやっていきたいな、とそんな事を考えた。この本は本当にオススメ。

  • 1990年代、著者率いる村上ファンドの悪名は有名だった。株式を大量に買い取り、経営陣に難題をふっかけて混乱を巻き起こし、その果実をむしり取っていた。と、誰もがそう思っていた。インサイダーでの逮捕もやっぱりね、という印象。

    が、世界標準の投資や株式、経営視点を知り、本書を読んでみると、当時の著者の行動、発言は投資家として当然だったことに気づく。当時の日本は「投資」をあまりにうさんくさいと、考えすぎていた。

    企業が上場することは誰もがその株式を購入できることであり、経営に誰もが介入できることだ。その覚悟がなければ上場するな、投資家である著者が言いたいことはこれに尽きる。

    そんな覚悟のない経営者が運営する企業は淘汰されてもやむを得ない。そうした企業の代表が本書で登場し、村上ファンドの標的となった、東京スタイル、阪神タイガース、ニッポン放送などなど。彼らは大株主である著者のコーポレート・ガバナンスにもとづいた要求を無視し、対立した。が、こうした企業は生き残り、著者は逮捕された。これが日本投資社会の限界なのだろう。

  • 志高く優秀な人が世の中への表現のされ方次第でこうもつらい目にあわなければならなくなるものなのか。読んでて本当に悲しくなった。

    メディアに本当に嫌気がさす。
    村上さんはとっくにいろいろなことについて諦めてしまってはいるだろうけど、その最高峰の能力・志を少しでも多くの人に伝えて、そういう人材を日本に増やすような活動をしていただきたいと、私は願います。

  • 評判が良かったので購読。当時のあのフレーズで悪役になってしまったが、本書内の氏の言わんとすることには、自分が現在投資しているからなのかストンと納得できた。
    多少の綺麗事はあるにしろ氏の主張に時代が追いついてきたと思うし、逮捕されたのもある意味、時代の生贄的な面があったと感じた。
    ガバナンスを通じての資金流動化により経済を活性化させることは大事だし、同時に個人の金融リテラシーの有無がこの先大きな差として現れることが改めて確信できた。

  • コーポレートガバナンスの徹底を求めることで株式会社の経営のあり方に変革をもたらす。投資と株主還元に努めるようになれば日本経済の活性化に資する。自身の一挙手一投足の根底はこれだという。出版にあたってのメイクアップ(化粧直し)の部分もあるだろう。でも、この人の考え方ややり方、嫌いじゃない。マスコミ対応が下手なことは罪じゃないし、それより自分を貫こうとする方がいい。

  • 村上氏が本当は何を考えて、何がしたかったのかがよくわかります。投資や株に興味がなくても、丁寧に説明してあるので、難解に感じることはありません。

    企業は株主のもの、株主価値を最大化することが正義、とそれだけが全てではない、と今は言えるかもしれません。でも、村上さんが戦っていたころ、一握りの経営者たちが好き勝手に企業を私物化していたことも確かです。
    時代を動かす時、動く側、とめようとする側、それぞれに闘いがおきます。そして、その闘いの代償を誰かが払ったあと、新しい時代が、さも昔から必然だったかのように訪れます。

    上場するのは何のためなのか。
    そして、企業を経営する責任とは、誰に対してあるものなのか。

    堤氏時代の西武グループのトップだった方々の態度と言葉から、「サラリーマンの頂点」とはどこなのか、時代とともに答えが変わっていくことを実感させられました。

  • 本人談なので多少脚色はあるかもしれないが、今となっては至極当たり前のことを主張してきたわけで、それについていけなかった日本の企業やマスコミや国民が未熟だったのかなという印象。

    上場企業はこうあるべき、という考えにあらためてはっとさせられた。

  • 著者の行動の裏にある非常にロジカルな考えがよく理解できた。また、それぞれのエピソードがドラマチックで、短編の小説のような面白さあり。

    また、エピソードのなかでは著者の悩みや弱さも自ら明らかにしており、人間味を感じられる。強くてまっすぐな思いと行動力とが、多くの日本を代表する経営者に応援したいと思わせたのだと思う。

    一方で、コーポレートガバナンスを重視することにここまで身を投じて取り組んできた筆者の原動力とは何か。また、アメリカ式のガバナンスを日本企業にそのまま取り入れることのデメリットはないのか。このあたりを更に勉強したいと思った。

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