育てにくい子は、挑発して伸ばす

著者 :
  • 文藝春秋
3.41
  • (2)
  • (5)
  • (8)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 76
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907017

作品紹介・あらすじ

集団生活にフィットしない、友達が少ない、言うことを聞かない、こだわりが強すぎる……、そんなユニークで“育てにくい子”こそ、日本を変える人材かも!子どもの短所に思える部分にばかり目を向けるのではなく、ほかの子と違うからこその面白さ、強さを活かすことで、子どもの可能性は大きく広がります。東大先端研が2014年から取り組む異才発掘プロジェクトROCKET。既存の学校には馴染めない個性豊かな子どもたちを受け容れ、その個性を潰さず伸ばそうと始まったプロジェクトには毎年、多くの親子が参加を希望するなど注目を集めています。ROCKETのディレクターを務める中邑賢龍教授が、“育てにくい子”を育てる親、そして教育関係者に向けて発信する子育て論は、これまでの常識に捉われた大人たちに新たな視点を与えてくれます。受験競争で勝者になることが、幸福な未来につながると確信できた時代は終わりました。進化したAIが台頭する時代を生きる子どもたちに、大人は何を伝え、サポートしてやることができるのか。子どもに関わるすべての人に読んでほしい一冊です。【目次】第Ⅰ章親も子も楽になるために、今すぐできること第Ⅱ章身近なテクノロジーで解決できること第Ⅲ章道を拓く大人に育てるために

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者中邑賢龍氏が東大の異才発掘プロジェクトROCKETをやっている渦中の本
    ギフテッド、2Eの伸ばし方についての本かと思いきや、世にあふれる非定形発達者への対応について思考を刺激された。
    昨今の発達障害の「増加」はつまるところ子供を安全に育む環境が整い、管理が行き届いてきたために、逸脱が目立つようになったということなのか。
    犯罪総数が減ったがために凶悪事件が際立つようになったように。
    そして、そこから個別の対応をどう導くか
    世界を変えるのはまず自分の前から。
    図書館

  • ずいぶん前に新聞で著者の取り組みを読んで、もっと知りたいと思った。しかし残念ながら著書が見つからなかった。本が出たら読もう、そう思っていたのに見逃していた。そして、新刊が出るのを機に4年前に出ている本書も見つけて読んでみた。期待通りとはいかなくて、本当は本書の第Ⅱ章をもっとふくらませたものが読みたかった。「裸知能と矯正知能」一般にこんなことばはないのかもしれない。しかし、矯正視力ならある(一発で変換できる)。眼鏡をかけている子に向かって、「ずるい」なんていう子はいない。読み書きが苦手な子にICTを使って教育実践を行う。ノートがとれない子はタブレットかスマホで写真を撮らせる。いいではないか。あー、でも、ワーキングメモリーを鍛えるには板書を写すのも大事か。個別の状況に応じて対応するしかない。でも、文字を大きくすれば読めるならそうすればよいし、音読してあげれば理解できるならそうすればよい。授業中でも、テストでも、入試でも。使えるものは使ったらいい。一人一人違っていい。実際、ノートをとるのが速い子もいれば遅い子もいる。速ければよいというわけではないが、遅い子が間に合わなくて写真にとっても「ずるい」なんていう必要はない。立方体の見取り図など上手に書けない子がいる。まあ、これはいっぱいいる。本人も読めないようなひどい字を書く子がいる。こちらはそれほど多くない。どう対処すべきか。悩む。そんなときの対処法が知りたい。発達障害というほどではないが、その子の発達の特性に合わせた指導ができるといいと思っている。「子どもたちを見捨てない」自分もそうありたいと思う。子どもたちが疲れたときにふらっと滞在して元気を取り戻す「アカデミック・リゾート」すばらしい!そういうものを自分もつくりたい。

  • ウチの子にどう対処したら良いか、とても参考になりました。

  • 過激なタイトルからうける印象とは違い、ユニークな子どもの自立を促そうとするオーソドックスな内容。誰でもこのプロジェクトに参加できるわけではないのがひっかかるのと、悩みに対する改善案よりも心構えの方に多くを割いているので知りたかったこととは違うなという印象。

  • 現代の情勢を踏まえ、ユニークな子供たち、不登校の子供たちだからこそ挑戦できる、様々な取り組みを紹介している。
    子供の教育を一面的に考えないために、重要な提案であると思う。ROCKETのような取り組みが日本全国でできるようになれば、多様な子供たちを生かす社会になると思う。

    ・子供を追い詰めない。
    ・教科書なしで勉強する。
    ・怒らずに、さらっと流す。

  • 東大先端研異才発掘プロジェクト、通称ROCKETの取り組みをTVで観て興味があったので読んでみた。
    挑発、という強い言葉を使っていますが、子ども達に向ける目線はとても優しいです。子どもであっても一人の人間として扱う、だから甘えさせないし、成長のために鼻っ柱を折る事もする、ROCKETの教育方針、内容が記されていました。

  • 想像していた内容とは違ったけど、ROCKETの活動と考え方がわかったのがよかった。
    「明るく仲良く元気よく」が性格的に合わない子もいる。
    子どものユニークさ、育てにくさで苦しまないで、むしろ楽しんで。
    救われる言葉がいっぱいあった。

  • 【東大先端研異才発掘プロジェクトの教育メソッド】学校に馴染めない、友達がいない、こだわりが強い。そんなユニークな子こそ、AI時代に活躍できる。悩むよりも個性を活かそう!

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

中邑賢龍

山口県生まれ。東京大学先端科学技術研究センター人間支援工学分野教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期単位修得退学後、香川大学教育学部助教授、カンザス大学・ウィスコンシン大学客員研究員、ダンディ大学客員研究員などを経て現職。異才発掘プロジェクトROCKETなどICTを活用した社会問題解決型実践研究を推進。著書に『バリアフリー・コンフリクト』(東京大学出版会)、『タブレットPC・スマホ時代の子どもの教育』(明治図書)、『育てにくい子は、挑発して伸ばす』(文藝春秋社)など。

「2021年 『どの子も違う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中邑賢龍の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×