金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908151

作品紹介・あらすじ

◎34歳で世界をかき回す独裁者・金正恩を知るための決定版◎ベストセラー『父・金正日と私 金正男独占告白』の著者が世界で最もナゾに包まれた指導者・金正恩を、素顔(第1章)、ルーツ(第2章)、核とミサイル(第3章)、経済(第4章)、金正恩対トランプ(終章)という5つの視点から解き明かしていく。◎1991年、金正恩は母、兄と一緒に「ジョセフ・パク」という偽名で来日していた。◎父(金正日)はロシア・ハバロフスク生まれ、母(高容姫)は大阪生まれの在日コリアン。◎スイス留学時代は公立校に通う「おとなしい生徒」だった。体育、音楽は「やや得意」だが語学が「苦手」、理科は「不合格」。◎バスケが大好きで、日本のマンガ『スラムダンク』を愛読。◎20代後半で北朝鮮を背負うと「恐怖政治」を開始。5年間で340人もの部下を粛清。◎金正恩時代の北朝鮮経済で「GDPは7%成長」!? 韓国以上のプラス成長を達成している。◎1900万人の1年分の食料に相当する費用をミサイル開発につぎ込む。■終章ではアメリカ・中国がすでに作り上げたという「ポスト正恩シナリオ」にも踏み込む。【目次】■第1章 金正恩の素顔中学時代からスイスに留学した正恩は公立校に通う「大人しい生徒」だった。語学が苦手で理科は不合格。バスケが好きで漫画『スラムダンク』を愛読し、シャイボーイと呼ばれていた。しかし20代後半という若さで北朝鮮を背負うと「恐怖政治」で周囲を振り回し、5年間で340人の部下を粛清したと言われる。■第2章 金正恩のルーツ祖父・金日成はクリスチャンの農家に生まれ「日本軍と10万回戦闘した」伝説を持つ祖国の英雄。ハバロフスクで生まれた父・正日は、叔父や日成の後妻との争いを制し権力を握る。正恩の母・高容姫は大阪生まれの在日コリアン。帰国船で北朝鮮に渡り〝喜び組〟として活動しているとき、正日に見初められる。■第3章 金正恩、最大の武器――核とミサイル開発GDPに占める軍事費比率23%、世界一の「スーパー軍事国家」。核・ミサイル科学者には最新家電付きの5LDKマンションが与えられ、実験に成功した技術者を正恩自らおんぶして感謝するほど手厚くサポートする。国民の大半に当たる1900万人の1年分の食料費がミサイル予算にまわされる開発の最前線。■第4章 金正恩、経済の実力70階建てタワーマンション、1500台のタクシー、日本製品で溢れるスーパー。平壌の変化は目まぐるしい。正恩が私的な流通網である市場を認め、1万ドル以上の資産を持つ新興富裕層「金主」が急増。韓国の経済成長率を上回り、GDP7%成長説も浮上。だが相次ぐ安保理の経済制裁がそこに影を落とす。■終章 金正恩対トランプ――米朝開戦前夜米軍の先制攻撃に備え、米中は「ポスト金正恩シナリオ」を作り上げた。38度線を越えた米軍は必ず撤退すると確約、核施設は中国が管理する。開戦のシグナルは米軍空母3隻の集結、在韓米国人の退避だ。そしてトランプの圧力を受けた中国が〝北朝鮮の生命線〟原油のパイプラインを停止する日は来るのだろうか。

感想・レビュー・書評

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  • 金正恩だけではなく、北朝鮮について述べる。
    2年ほど前の本でちょっと情報が古いし、色んなところに出ている話が殆どだけど。
    恐怖政治、巨大建築物、核保有が金正恩のキーワード。
    一部資本主義を取り入れて、経済は以前よりマシ(?)というのはちょっと驚き。

    果たしてこの先10年、一体どうなるのだろうか。

  • 背景がよく分かった、今後はいかに?

  • 東2法経図・6F開架 KW/2018//K

  • 五味さんの北朝鮮物は全部読ん出るので、いつもの続きで面白く読めた。最新の内容がどこにあるのか?北朝鮮外交官のなりふり構わない蓄財方法、第4章の北朝鮮経済が意外に成長している内容が新しかった。今週の南北首脳会談以後どうなるか。

  • 著者は、前著で金正男氏とのインタビューやメールでのやり取りを記した新聞記者。
    今回のテーマは金正恩。今回は独自の情報や取材を基にした内容は乏しく、やや物足りない点も残るが、対象が彼の国の指導者だけにやむを得ないのだろう。
    傍から見るとハチャメチャな国で、崩壊論に説得力を感じてしまうが、弱者なりの戦略でしたたかに生き延びようとしていることが理解できる。
    本書にはごく最近の出来事まで盛り込まれているものの、それでもその後の急速な展開に改めて驚く。
    その一方、実は何も変わらないのではないか、との思いを強くした。

  • 【止まらない核・ミサイル開発の暴走】大阪生まれの母、スイス留学時代の素顔から年三億ドルをつぎ込む核開発まで。二十年以上の朝鮮半島取材から解き明かす独裁者の素顔。

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著者プロフィール

五味洋治:1958年長野県生まれ。82年早稲田大学第一文学部卒業。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年韓国延世大学校に語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大学に客員研究員として在籍。現在、論説委員。主に朝鮮半島問題を取材。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないのか』(創元社)、『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋)、『父・金正日と私 金正男独占告白』(文春文庫)、『女が動かす北朝鮮 金王朝三代「大奥」秘録』(文春新書)などがある。

「2021年 『金正恩が表舞台から消える日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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