- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163917078
作品紹介・あらすじ
次々とタイトルを奪取し、将棋界を席巻する天才・藤井聡太。その師匠である著者が、瞬く間に頂点に立った弟子との交流と、将棋界のちょっとユーモラスな出来事を綴ったエッセイ集。
週刊文春連載を単行本化。
藤井聡太とのエピソード満載!
先崎学九段との対談「藤井聡太と羽生善治」も特別収録。
感想・レビュー・書評
-
将棋の棋士・杉本昌隆八段のエッセイ。
「週刊文春」連載の書籍化。
とてもおもしろかった。
タイトルにあるように、読者の期待に応えた「あの弟子」ネタが豊富。
出会いや、プロになる前のエピソード、舞台裏でのやりとりなど、どれも興味深いものばかり。
本書の中だけでも、昇段やタイトル獲得で、どんどんと呼称が変わっていく。
藤井聡太名人(でいいのか?)の、規格外の快進撃ぶりが感じられる。
ご自分では「自虐ネタ」と言うが、茶目っ気があって卑屈さがなく、読んでいて楽しい。
ほかのお弟子さん、先輩後輩棋士や将棋界のこと、ご自分と将棋についてなど、「あの弟子」以外のテーマでも、筆者の人柄が現れていて、おもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
藤井名人の師匠・杉本昌隆八段が『週刊文春』に連載中のエッセイをまとめたもの。全100話と盛りだくさんである。ネタは藤井名人の話が多いが、他にも指導の話、棋士の食事の話、女流棋士の話などバラエティに富んでいる。適度に自虐的な文章が心地よい1冊。
-
藤井聡太八冠の師匠・杉本氏による藤井さんや弟子たちの話、ご本人が尊敬するベテラン棋士の話、将棋の話、女流棋士の話などを、物腰柔らかくあたたかく綴ったエッセイ。
ちょっとしたことだけど、将棋のことはあまり分からない私でも棋士の世界を垣間見ることができて新鮮。藤井さんにお年玉をあげるべきかどうかとか、バレンタインにもらったチョコの話とか、門下生の話とか、ほっこり読めて面白かったです。
杉本さんを師匠に選んだのは藤井さんで、また藤井さんの師匠になりたいと杉本さんの方も思っていて、なるべくして師弟関係になったのだなぁ素敵だなぁと思いました。 -
あのお弟子さんのエピソードはもちろん、他のお弟子さんやご自身のことが楽しく、時々自虐的に書かれている。
私は将棋に関しては全く無知で、駒の読み方すら知らないくらいなので、お弟子さんが強すぎてどんどんタイトルを獲得していく心境は複雑なのではないかと単純な想像をしていたが、杉本師匠の文章から藤井さんの才能は将棋界の大事な大事な宝なのだとわかる。
ちょうど読み終わってスマホを開いたら、藤井さんが豊島九段とペアを組んで羽生九段・渡辺九段と対戦したニュースが出ていた。
藤井棋士と豊島九段の笑顔のかわいさに思わずにんまりしてしまった。
そしてそこでの藤井さんの肩書きにびっくり。
藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖、21)!
な、長い!つ、強い!
そしてまだ21歳とのことで、今後の活躍がとても楽しみ。
将棋のルールを勉強してみようかな。
あっ!師匠の本なのに、やっぱりというか藤井聡太竜王・名人(王位、叡王、王座、棋王、王将、棋聖)への思いになってしまった。
こういうところは、師匠はつらいよ、ですね?! -
ユーモラスな筆致で読みやすい。
-
将棋への愛があふれるエッセイ集。どのエピソードも面白いが、藤井聡太七冠という世界一の弟子を持った大いなる喜びとひとかけらの複雑な思いが吐露されている第15回や第41回などが特に味わい深い。
杉本八段のお人柄が偲ばれる。 -
お弟子さんの超人的な活躍により
すっかり有名人になられた杉本師匠。
TVで拝見し、素敵なお人柄だとは思っていましたが
将棋だけでなくかなりの文才もお持ちの方でした。
何より藤井君の活躍を我が子のように見守る眼差しは、どこまでも温かく
厳しい将棋界だからこそ、藤井八冠の誕生は
この師匠がいたからこそなんだろうなと
ひとり納得するのでした。 -
「藤井君の師匠」と呼ばれる杉本八段が、天才を弟子に持つ師匠の複雑な胸の内をユーモラスに描くエッセイ。
自らも棋士でありながら、本業の方よりも「藤井さんの師匠」として有名になったことをクスリと笑える自虐的なユーモアで包んで描く日常。藤井さんとの師弟関係も見どころ。
「ゆっくり追い越されるのではなくて、気がついたら抜かれている。私がまさにそうなのだが、負かされる悔しさは頼もしさで相殺され、まんざらでもないのだ」という師匠の思い、まさに親心だな〜。
-
【スゴすぎる弟子をもった師匠の思い】将棋界を席巻する天才・藤井聡太。その師匠である著者が、瞬く間に棋界の頂点に立った弟子との交流をユーモラスに明かすエッセイ集。