オタクのたのしい創作論

  • 文藝春秋 (2023年6月23日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163917160

作品紹介・あらすじ

「笑って創作したい」オタクのための必読書!――『私のジャンルに「神」がいます』真田つづる氏、推薦!!

絵描き字書き問わず、創作において悩めるオタクの魂の叫びを、超・オタク作家カレー沢薫がゆるっと解決!

「原作無視の二次創作が気になる」「過疎ジャンルで感想がもらえない」「40代で同人イベントはやめるべき?」「推しを死なせてしまう矛盾と苦悩」「神創作者の方程式とは?」といったお悩みから、書きおろし相談「十数年の推しカプとは別のカプにハマってしまったら」「お金を得ることと創作意欲のバランスをとるには」まで、創作に迷うすべての人に捧げる抱腹絶倒のエッセイ‼︎

みんなの感想まとめ

創作における悩みや疑問をユーモアたっぷりに解決するエッセイは、オタクの心に寄り添います。著者は、二次創作での人間関係や創作活動の楽しさ、さらには交流の難しさについて、実体験を交えながら語ります。読者は...

感想・レビュー・書評

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  • 自分はそこそこオタクだと思っていたのですが、本書を読んで「まだまだひよっこだな」と痛感しました。

    というのも、オタク用語が……全然わからない。

    「推しカプって何?」
    読み進めながら「カプ…? カプセル?」とガチャガチャ系を想像しつつ、頭にハテナが浮かびまくり。調べてみたら、カプは「カップリング」の略で、「推しカプ」は「推しているカップル(の組み合わせ)」とのこと。なるほど納得です。でも、最初に説明がなければずっとカプセルだと思っていたかもしれません(笑)。

    こういった用語が理解できてこそ面白さが深まる本なので、オタク知識が少ない私は、全体の面白さを30%くらいしか味わえていなかったかも…とちょっぴり悔しくなりました。

    比喩表現や例えも、少年漫画やソシャゲーにある程度通じていないと、「あ〜、あれね!」という共感ができない。まだまだオタク道を極めきれていないことを痛感し、反省いたしました。

    とはいえ、そんな私でもそこそこ楽しめましたし、何よりオタクの世界を垣間見ることができたのは非常に勉強になりました。

    Pixiv(ピクシブ)という言葉は聞いたことがありましたが、サイトを覗いたことはなく、「あそこが二次創作の聖地のような場所なんだな」と初めて知りました。

    現金100円よりも、ブックマーク4桁の方が価値がある世界。
    創作活動を楽しんでいるように見える彼らも、実はさまざまな葛藤や悩みを抱えているようです。

    たとえば――
    ・絵をもっとうまく描きたい
    ・自分より下手に見える絵師が評価されていてモヤる
    ・自分しか描いていないジャンルなので評価されづらい
    ・自分のファンが他の作家に流れていった…

    などなど。

    でも、これってオタク特有の悩みじゃないな、と思いました。

    「絵をうまく描きたい」は、ビジネスパーソンに置き換えると「仕事のパフォーマンスを上げたい」。
    「自分より下手な絵師が評価されているのが気に入らない」は、「あの人より私の方が成果出してるのに、なんであの人ばかり評価されるの?!」という職場あるある。
    「自分しか描いてないジャンル」=「人がいないレッドオーシャンに参入してしまい、戦略が立てられず困惑中」。
    「ファンが他に取られた」は、「常連客が他の店に行っちゃった」に変換できます。

    そう考えると、結局はみんな「承認欲求」に悩んでいるんですよね。

    オタク=特殊な存在、と思っていましたが、悩みの根っこは私たちと同じ。
    「認められたい」「誰かに見てほしい」「わかってほしい」。
    その気持ちはきっと、どこにいても誰にでもあるものです。

    私自身、40年以上人間として生きてきて、ようやく最近気づきました。
    今までこじらせていた感情の正体は、たぶん「満たされない承認欲求」。
    ……おせーよ!と自分にツッコミを入れずにはいられません(笑)。

    そういえば最近、イベント帰りらしき人が「萌えの紙袋」を持って駅を歩いているのを見かけたのですが、あの袋って“商品を買ったら入れてくれるもの”だと思っていたんですよね。
    どうやら、あの紙袋自体が「グッズ」として販売されているらしいと知って、カルチャーショックを受けました。

    いやもう、本当にオタクの世界は知らないことだらけ。
    このジャンル、研究しがいがあります。

  • まあまあ楽しく読んでしまった
    けど創作論っていうかお悩み相談の半分くらいは二次創作世界での人間関係のゴタゴタとかで、のどかで平和な二次創作しかやってこなかった身もしてはエッそんなことあるんだ…?!ていうかそんなことで悩むの…?!という話の連続で途中からほぼフィクションの世界だった

    解釈違いとか、逆CPに苦しむというのがほぼない平和な(というかこだわりが生まれるほど二次創作に入れ込まない)シッパーなので、解釈違いや逆CPに村でも燃やされたんかっていうくらい怒ってる人とか見ると(見ないけど)やっぱりフィクション…?て思う

    読む専だけど創作者と交流したいって相談にはなるほどな〜とちょっと思った 確かに二次創作の世界でも交流する人って同じく書(描)いてる人だし、そもそも交流とかあんまりしたくないから読む専でいるのかな?と思ってた でも読む専の人と交流しようと思っても話題の引き出しがないから確かに難しい…

  • たとえが面白くて読んでいて楽しい。なかには意味がよくわからないものも(私には)あるけれどよくこれだけ言い回せたなと感心する。
    創作される方のお悩み相談本ですが、著者の回答がユニークで面白おかしく、しかし的を射ているので感心する。
    ちょっと(?)下ネタもあるので好き嫌いはわかれるかも。

  • 評判が良かったので読んでみたが、すべてが良かった。とりあえずまえがきだけでこれは良い本だ、と確証を持てた。自分が創作しない側であっても楽しく読める。
    とにかく面白い文章が上手い。まじめな回答でもアニメやマンガとかのミームをぶっ込んできてニヤリとするところが多く、良かった文をメモるどころか全部面白かったので逆にどこが面白かったのか具体的に説明できないレベル。

    作者が漫画家なので、そっち方向あるいは小説系の創作をテーマとしたQ&Aになってはいるが、タイトル通り「創作論」、創作に関する魂というか業について語っているため、例えばゲーム開発だったり縫い物だったりプラモだったり、なにかを創り出すことが好きな人、あるいは自分では創り出さない/出せないけどそういう活動自体が好きという人が読んで損はしない本。
    強いて言えば、古代の個人ホームページという時代に比べれば今の圧倒的に便利になったネットは創作の公開がしやすくなった、という話題がそこそこ頻繁に出てくるため、30,40代だとより楽しめる、くらいか。

    悩み9における「独身・40代でBL二次創作をしているのはダメ人間か」が、個人的にだいぶ刺さった。BL二次創作はしていないが、独身・40代で趣味しかしてないというのは同じで、たまに「これでええんか…?」と思うこともあったので。
    それへの回答が『オタク趣味も汚点ではなく「自我崩壊を水際で食い止めてくれる救世主」としてもっと大事にできるのではないでしょうか。』であり、なるほどーってなった。確かにこの趣味がなかったら崩壊してた… のか?よくわからんけど。

    腐女子構文や知識、文脈が結構必要なので、腐女子のつづ井さんとセットで読むと更にわかりやすく、楽しいかもしれない。

  • 著者自身もあとがきで書いているが、「創作論」というよりは「創作にまつわるお悩み相談室」の体が強い。
    それゆえ、創作というタイトルにひかれて手に取った人からしたら、首をひねりたくもなるだろう。さわりだけでも読んでスタンスにふれてほしい。
    で、触れてみて「良し」と思ったなら、意外なまでに感心させられる解答が多く、かなり驚いた。しかも真面目一辺倒かと言うとそんなわけもなく、著者の普段のエッセイ味もちゃんと楽しめる。

  • 久しぶりに本を読みながら笑った!
    名前はよく見かけるけど、何をしている人かは知らず手に取った本だが、たとえが秀逸すぎて、うっかり電車の中で読んでしまい、ニヤニヤした怪しい人になる。

    小学生の頃にどハマりしていたポルノグラフィティの『アゲハ蝶』がオタクの創作CPイメソンだと知り、頭でいっかい歌ってみたら確かにはかどる!

    一次創作メインの字書きの片隅にいるような自分だけど、共感する悩みも多々あったし、共感しなくとも定期的に読み返して著者に笑い飛ばされたい。

  • 創作に関するお悩み相談に面白おかしく回答するという連載を一冊の本にまとめたもの。
    1エピソードを週に1回とかなら楽しく読めるのかもしれませんが、本として複数のエピソードを続けて読むには、私にはちょっとハイカロリーすぎました。
    多分、WEB連載でたまに読むくらいがちょうどいいのだと思います。
    創作においては私もいろいろ悩むことがあるので、同じような悩みに対する回答は参考になる部分もありました。

  • 星5億個つけたい、オタクたちのお悩み相談本です。

    私が真似たいことは、神作を1年に1回更新するより、5時間で描いた作品をこまめに更新…!です。あと、ごちゃごちゃ考えるより手を動かす、絵を描く!

  • カレー沢薫の二次創作関連お悩み相談。

    pixivのアカウントを持っておらず創作にも興味が薄いので、この界隈の話が興味深かった。

    大体の悩みは人間関係に収束するんだなあ。

  • 創作・推し活と、オタク活動をすれば必ずぶち当たるあらゆる悩みにカレー沢先生が優しく時に厳しく答えまくるお悩み相談書。実在の作家や作品もバシバシ引用したりネタにしたりでハラハラしますが、何よりカレー沢先生本人も「他の作家の成功許すまじ」なスタンスなのである意味めちゃくちゃ信用できる。
    オタク用語やネットミームもわんさか飛び交うので、その辺にある程度触れている人でないと分かりづらいかも…

  • カレー沢薫先生の本、全部好きです。どの質問にも面白おかしく答えてくださるし、回答が優しい……。質問のほうは、創作する者ならではの苦しみといった感じで、「分かる……」と思いながら読んでしまった。「創作なんかに手をつけてしまったことが運の尽き」と言いつつ、創作は「人間ができる行為の中で最も魔法に近い」とも言ってくださることに勇気をもらえました。全創作者に読んでほしい。

  • 全くかすったこともない世界でしたが、そんな世界と世界観があるのかと興味津々でスルスル読みました

  • 読者からの質問に対してカレー沢先生がハッキリと回答してくれる。文章自体がおもろいからあっという間に読み終えた。オタクの創作の教科書

  • カレー沢先生もあとがきに書かれているように、創作への悩み相談なんてマニアックなんだろうな、と思いきや、普遍的な人生相談ばかり。
    先生の答えは薬になるが決して毒にならないので穏やかな気持ちでかつ楽しく読むことができていい。
    ワクワク人生相談(https://booklog.jp/item/1/4778317343)も良かった。

    心に残った台詞メモ
    p.63 ただ雨が止むのを待つのではなく「晴れるまで部屋でニンテンドースイッチをやる」
    p.118 (楽しく書くことで自信をつける)そうすることで、露出は「ヌード」という芸術に変わっていく
    p.175 たしかに、「アゲハ蝶」をイメソンにして推しカプ創作をしたことがない昭和のオタクはいない
    p.184 (正しさは数で決まるものではない)99%が「金のうんこ」と解釈するにも関わらず、正解は「炎」
    p.232 むしろこの群雄割拠の高齢化社会で40代程度でBBAとし注目を集めようというのは甘いのでは
    p238 逆に理解している人からすれば「年をとろうが家庭を持とうが活動を続けていいのだ」という励みになる

  • pixivのウェブメディアに連載されたコラムの書籍化である。
    pixivユーザーのさまざまな“オタク創作者”たちから寄せられるさまざまな相談に、カレー沢薫が答えていく人生相談のスタイルを取っている。

    当然、pixivやコミケなどの二次創作にまつわる相談が多い。私はpixivにもコミケにも無縁だが、それでも十分楽しめる。

    カレー沢薫はオタク創作の機微を知り尽くしているし、答えの中ににじみ出る独特の言語感覚は相変わらず冴え渡っており、笑いを誘う。

    笑った独創的表現の例。

    《創作というのは「性癖カードバトル」「照れた奴から死ぬ戦場」「羞恥心早捨て競技自由形」と呼ばれています》
    《隣の芝生は大麻に見える》
    《「劣等感に苦しまずに創作したい」というのは「健康的に覚醒剤をやりたい」と言っているようなものです》

  • どちらかというと読む専で創作はほとんどしないけれどもおもしろかったです。
    申し訳程度の注釈もまたジワる

  • 【悩めるオタクの魂の叫びを、ゆるっと解決!】筋金入りのオタクにして、文字もマンガも描きまくってきた著者。 創作者も鑑賞者も、笑ってためになる、ゆるゆる創作相談エッセイ♪

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著者プロフィール

時は2009年。モーニング(講談社)主催の漫画新人賞「MANGAOPEN」に本名・無題で応募し落選した作品が、カレー沢薫『クレムリン』(ともに本人命名 講談社)に変容を遂げ、月刊モーニング・ツー(講談社)でほぼ即連載となり、漫画家デビューを果たす。ほどなくコラム『負ける技術』(講談社)も連載となり、コラムニストとしてもデビューを果たす。以来、雑誌やウェブに連載超多数、本数未詳の大車輪で体力を使い果たす。最長不倒連載作品は開始以来すでに10年を超えた東京都写真美術館広報誌別冊「ニァイズ」。なお、本作『ひとりでしにたい』はコミックDAYS(講談社)にて、隔週日曜正午の更新時刻に「いいね!」数が爆増しTwitterのタイムラインが歓喜で満ちる好評連載中。第24回(2020年度)文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。なので図書館とか一家に一冊とかそんな感じで置いていいお墨付きもありますよ。安心してお読みください!

「2023年 『ひとりでしにたい(6)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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