塾の力: 21世紀の子育て (文春新書 80)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166600809

作品紹介・あらすじ

長らく教育界の"鬼っ子"として扱われてきた学習塾も、ようやく文部省に認知されることになった。一方で2002年から、完全週五日制の導入と教科内容の大幅削減を目指した「学校スリム化」時代に突入する。この"教育ビッグバン"を前に、塾では何を学び、どんな塾を選べばいいのか。塾教師歴二十五年の著者による懇切丁寧な解答が、来世紀の子育てに果たす塾の侮りがたいパワーを指し示す。

感想・レビュー・書評

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  • 平成14年刊行。長い塾講師経験から、高校受験・中学受験を、学習という観点から統一的に捉えて、各々の受験のありよう、小学生・中学生の学習の方向性を、学力のレベルに即応させつつ説明したもの。かなり網羅的に書かれているのが長所だが、反面、夫々の内容が薄くなってしまう面もある。が、短時間で全体像を見るには有益。個人的には、高校受験の問題点・課題を知るのに役に立った。また、熱中できる遊び(除くゲーム)を重視する点も共感。

  • 10年ほど前の本で、2002年からのゆとり教育が始まるに向けて教育界がどうなるかを述べた本。
    塾の話がメインかと思いきや、最初のほうは子どもや親の姿勢が子どもの学力とどのような関連がある(傾向)かについてで、おもしろい。

    受験戦争といいながらも以前のほうが厳しく、今は二極分化しているという説には納得。
    中学受験はよっぽど納得した学校に行くべきだという主張にも同意。中学受験することを目的にすると学校選択で危険が伴う。義務じゃないだけに本人の意欲が一番だと思うけど。

    教育の姿勢がわかりやすく書かれているのではと思う。

  • 長年に渡って塾教師を勤めている小宮山博仁が、塾と学校それぞれにおける長所・短所などを分析し、双方が調和し合いながら教育を行っていくことの重要性を述べています。専門用語が少なく非常に読みやすい文体で、特に小・中学生の子どもを持つ親には参考になる部分が多くあると思います。子どもの性格や学習状況に合わせた塾の選び方や、塾の種類などについても説明されており、塾選びの際には役立つと思います。

  • 塾だけに限らず、どんな学習が必要かこれだけ教育に携わっている人間が声を高らかに唱えている。

    私自身勉強嫌いな時があってその時何が足りなかったかを考えると同じところに行き着く。

    それを実践する塾と学校であってほしい。塾にもたくさんあるけど、やっぱり子どもに携わるからにはその子の一生を左右するんだからそれを選ぶ側の人間もある程度の知識を持っていないといけないと思う。

    エッセイのような形式なので的確なポイントを抑えられる一冊。

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著者プロフィール

1949年生まれ。教育評論家。日本教育社会学会会員。放送大学非常勤講師。教育書及び学習参考書を多数執筆。最近は活用型学力やPISAなど学力に関した教員向け、保護者向けの著書、論文を執筆。

[著書・監修書]
『学歴社会と塾』(新評論、1993年)、『現代教育の常識を疑う』(新評論、1994年)、『塾―学校スリム化時代を前に』(岩波書店、2000年)、『面白いほどよくわかる数学』(日本文芸社、2004年)、『子どもの「底力」が育つ塾選び』(平凡社新書、2006年)、『新聞コラム活用術』(ぎょうせい、2009年)、『「活用型学力」を育てる本』(ぎょうせい、2014年)、『はじめてのアクティブラーニング 社会の?〈はてな〉を探検』全3巻(童心社、2016年)、『眠れなくなるほど面白い 図解 数と数式の話』(日本文芸社、2018年)、『眠れなくなるほど面白い 図解 数学の定理』(日本文芸社、2018年)、『眠れなくなるほど面白い 図解 統計学の話』(日本文芸社、2019年)、『大人に役立つ算数』(角川ソフィア文庫、2019年)、『眠れなくなるほど面白い 大人のための算数と数学』(日本文芸社、2020年)、『持続可能な社会を考えるための66冊』(明石書店、2020年)、『危機に対応できる学力』(明石書店、2022年)、『数と数字の本』(三笠書房、2023年)など。

[小論]
「教育改革の論争点:予備校・進学塾の指導方法の採用」(教育開発研究所、2004年)、「ドリル的な学習は算数の学力を育てるか」『児童心理(2009年2月)』(金子書房)、「文章問題・記述式問題が不得意な子どもにどうかかわるか」『児童心理(2009年12月)』(金子書房)、「活用型学力のすべて・活用型学力と向き合う」(ぎょうせい、2009年)、『「10歳の壁」プロジェクト報告書:10歳の壁を超えるには(算数を中心に)』(NHKエデュケーショナル、2010年)、「学校外の子どもの今①~④」『児童心理(2013年9月~12月)』(金子書房)、「第9章 PISAにみる活用型学力とその育み方」『管理職課題解決実践シリーズ2』(ぎょうせい、2015年)、「受験のいまとこれからの学力観」『新教育課程ライブラリvol.5』(ぎょうせい、2017年)、「第7章 生涯学習と地域社会〈民間教育事業〉」『教育社会学事典』(丸善出版、2018年)、『新教育課程ライブラリ(プレミア全6巻)』(ぎょうせい、2020年~2021年)、『教育実践ライブラリvol.5』(ぎょうせい、2023年)など。

「2023年 『文化資本とリベラルアーツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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