- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166602858
感想・レビュー・書評
-
吉良上野介贔屓の作家による、彼の弁護・弁明書。歴史家の手によるものではないので、多分に(都合よく)想像力を働かせたものとなっている。「あって当然であり」「鵜呑みになど、できるはずもない」「可能性がつよい」「以外には考えられない」「ちがいない」「たぶん、こういうことなのではないか」「思うに」など、強引な書きぶりが結構気になる。
とは言え、浅野内匠頭が「まつりごとが下手で、部下のあしらいもうまくない」゛暗愚な殿様゛で吝嗇家、おまけに「精神にまで悪影響をおよぼす病い持ち」(「ふいに胸のふさがる発作をもたらす「痞」の病い」持ちでかつキレやすい「性甚だ急なる人」)だったのに対し、吉良上野介が温厚な風貌を持ち領民から名君と呼ばれる゛まともな殿様゛だというのには納得できた。
また、浅野内匠頭が抱いたとされる「遺恨」に関し諸説あるなかで、「乱心」説が最も確からしいことや、二人の間に確執があったとすれば「饗応(接待)にかかる予算面での喰いちがいによるものであった可能性がつよい」こと等にも説得力があった。
吉良上野介にとって赤穂事件は、後々まで祟るえらい災難だったんだなあ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私はもともと忠臣蔵は逆恨みした赤穂浪士が吉良義央邸に討ち入りをかけたひどい話という認識があったので、それが資料に基づいて論証されていたのですんなり読めました。
しかし、くどいうえに偏りすぎでもある。 -
頭のイカれた奴に切りつけられた挙句、暴徒に乱入され闘ったのに関わらず命乞いして殺されたとか汚名を着せられた世紀の大被害者吉良上野介。
前から疑問に思っていたがやはり松の廊下からして怪しさ十分! -
題名通り、忠臣蔵で悪役として扱われている吉良上野介を弁護する、という立場で、当時の立場や様々な史料から上野介の「冤罪」を解いていく。幕府の吉良上野介に対する悪意を柳沢吉保に求めるのは、やや飛躍かな。
-
なにもしてないのに難癖つけられて切りつけられて、挙句に討ち入りされて死んじゃってお家も断絶なんて、吉良さんお気の毒。てか、『忠臣蔵』ってこんな話しなんだあ・・・
-
平成25年1月30日読了
-
010155844 / 210.5/イ
-
フォトリーディング&高速リーディング。岳真也の得意分野。内匠頭の方が加害者で、吉良は被害者らしい。説得力あるし、多分そうだろうけど、やっぱり古典的な忠臣蔵は泣かせる。