地球温暖化後の社会 (文春新書 683)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166606832

感想・レビュー・書評

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  • このまま温暖化が進むとどうなるのか、こうなるからだから温暖化をストップさせようという論理につながる本です。途中、最近の野菜は洗わなくても良いなんて書かれていて、ホントかよと思ってしまう部分もあります。そういう部分があるので、他の温暖化についての部分にも勘繰りを入れたくなります。

  • 2009年刊行。

     タイトルは若干それに沿う叙述もあるが、誤導気味である。

    ① いわゆる再生可能エネルギーにおいても、設備投資と準備が温室効果ガスの増加を招き、再生可能エネルギー採用による温室効果ガス削減は、これら総体で考えなければならないこと。
    ② 刊行時では補助電力源としての太陽光発電の意義と蓄電池開発の急務。
    ③ フクシマ前ながら、原子力発電の限界に言及する点。
    ④ 温室効果ガスの削減しか、人為的に温暖化現象を抑止する方法がない点。
    ⑤ 電力使用量の抑制と化石燃料利用の移動器機使用の抑制ほど、温室効果ガス削減に効果的なことは少ない。
    といったあたりが目に付いた。

     ただ、あくまでも本書は取っ掛かりでしかないなぁとは思う。良くも悪くも総花的で、各々の深みには乏しい。

  • IPCCの報告書に基づいて、地球温暖化している原因、現状、問題点などを一人一人の個人の目線に立って書いている本です。地球温暖化に関する疑問点を上げ、それについての意見も書いてくれているので、今わかっていることと、わからないことが読者である私の頭の中ですっきりまとまったって感じがします。

    この本の中で一番重要なことは次の3つ。
    「地球科学に関して完全に理解できていない現段階でも、対策を講じる必要がある事」
    「対策には社会全体の変化が必要だという事」
    「それでも科学技術が世界を救うという事」
    温暖化の原因がCO2だと決まってないけど、その可能性は現段階で非常に高い。また、民政家庭部門のCO2排出量は1990年比で2009年は26.9%増加している。もちろん全体でみると一番多くを占めている産業部門に比べれば、家庭部門は少ない量だけど、そこを減らすことが重要。だから、一人一人のCO2削減に関する考え方を植え付けることって必要だということが書かれています。私自身、今仕事柄CO2の削減に取り組んでいるから、やっぱり人の意識って大事なんだなって再認識させられました。気になった単語としては、カーボンオフセットとカーボンフットプリント。特にカーボンフットプリントは初めて聞きました。
    ちなみに、今の日本では、1人あたり年間2100kgのCO2を排出しているようで、1日だと1人当たり約6kgCO2の排出量らしい。具体的な量って初めて聞いた☆★☆

  • ただ単に,地球温暖化の原因を二酸化炭素と断言せずに,いろいろな可能性について言及しつつ,現実的な対策を提案しているところに好感が持てる本.

  • 地球温暖化についてIPCCの報告書をもとに概要が説明されています。比較的わかりやすい説明がされているのがいいです。

  • 地球温暖化問題(資源問題)について、ある程度全体像をとらえている。
    また、事実と主観を区別して書いてある点、あらゆる可能性を想定した上での論評という点などで評価できる。


    所々、説明が完全ではない点や視点の欠如は見られるものの、本の分量を考えると仕方ないということと、著者の論旨に影響を与えるほどではないのでそれほど問題ではないと考えられる。

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著者プロフィール

◆科学ジャーナリスト。
社会の未来と関係の深いさまざまな科学について、著作活動等を行なう。
2005 年4 月、有人潜水調査船「しんかい6500」に乗船。
◆著作に『深海の科学』(ベレ出版)、『日本の深海』(講談社ブルーバックス)、『地球温暖化後の社会』(文春新書)、『アストロバイオロジーとは何か』(ソフトバンク)、『身近な疑問がスッキリわかる理系の知識』(青春出版社)など。
◆内閣府審議会委員。文部科学省科学技術学術審議会臨時委員。慶應義塾大学大学院非常勤講師。日本科学技術ジャーナリスト会議副会長。

「2019年 『150年前の科学誌『NATURE』には何が書かれていたのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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