躾けと嗜みの教科書 明治人の作法 (文春新書 709)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166607099

感想・レビュー・書評

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  • 今、作法を復活させる必要があると感じました。

    礼三息
    息を吸って膝を触る。
    止まって息を吐く。
    戻って息をすう。

    読み終わった後は、心の中がすっきりとしました。
    作法の落とし穴に陥ることなく、日本人らしい敬語、作法を意識していきたいと思います。

  • やや説教じみている部分もありますが、作法の成り立ち自体は興味深く読みました。鉄道列車に乗る前に履物を脱いだら降りるときに履くものがなくて困ったとか、江戸時代までの作法書には穫った敵の首の提げ方が載ってたとか、びっくりエピソードもいっぱい。明治になってから意識切り替えるの、大変だったんだろうな…。

  • 日本古来の作法と言われているものでも、実は作法の多くは、明治時代に作られたものだという話。

  • 明治時代、世界の中の日本として西洋諸国と肩を並べていこうとする当時の日本の意気込みがよく分かる。特に本書は、世界の日本となるべく明治政府が行った政策のうち、作法に着目して書かれてある。現在では当たり前すぎる所作も、本書を読めば明治の人々にとっては当たり前ではないことが分かる。
    西洋文化的作法を、いかに日本文化の中に摩擦が少なく取り入れるか、庶民生活の中に根付かせるかということが当時の様々な試行錯誤から読み取れる。
    歴史の教科書ではなかなか知りえない細かな文化的変化について知ることができ、また当時の写真や図が多く載っていて目でも楽しむことができ、非常に良書である。

    なお、本書は躾けと嗜みの教科書との副題があるが、作法の指南書ではない。あくまでも、江戸時代から明治時代、文明開化の中でどのように現代の和洋折衷の作法の基礎が出来上がっていったのかということを紹介した、歴史書である。

  • 日本で受け継がれてきた「作法」について理解し直すことができる。自分で自分のことを不作法ではないかと思っていたので、こういった本で確認できてありがたかった。

    日本では以前「作法の教科書」があったという。今の時代でも、そういうものはいるのかもしれない。

    「作法」を通して、昔の日本人の精神性も知ることができる。時代に連れて移りゆくところはあるにせよ、作法に込められた心は大事に守っていきたい。

  • 著者も「はじめに」で「勢い、教育的になっているところも多々」あると言っているように、ちょっと説教くさいところあり。
    普段思っていることがつい噴出しているのでしょうが、唐突な感じがする例示が少々ありました。
    基本的には明治の文部省が定めた作法要項を読み解き、現在の作法を考える、というもの。
    時代時代にあった作法があるべきで、金科玉条のごとく形を守るのではない、という至極まっとうなことが書いてあります。

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    例えばお辞儀、挨拶、姿勢や歩行から進物、食事の作法まで、その起源の多くは明治の躾にあった。洋風の文化と軍隊教育の影響もあり、新しい嗜みと躾にを叩き込まれた明治人たちの奮闘ぶりと変遷を探ります。
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    所在番号:新書||385.9||YOK
    資料番号:20093872
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  • 日本人として、礼法を躾け、嗜む必要性を感じた。詳しく勉強するとともに、子ども達へも伝えて行きたい。

  • 日本が鎖国を解いて外国と本格的につきあうようになった
    明治を境に標準とされる「作法」が日本中で布教(笑)された。

    外国に「 なんだアイツらかっこわる~。」と
    嘲笑われたら日本は負け。
    そう考えて国を守る手段として国民を徹底して
    躾けることを考えた、すごく不思議な防衛手段だと思う。

    今はほぼ使われなくなってしまった言葉
    「御分」=あなた、自分以外の人
    自分の知識を誇張するためではなく
    相手を思いやる気持ちから作法は成り立っているのだと
    心に留めて、人に接したい。

  • [ 内容 ]
    普段、私たちが何気なく行っているお辞儀の角度。
    こうした作法の基本は実は、明治時代に旧文部省によって形作られたものだった。
    古い作法書の研究によって見えてきた日本人の作法の真髄。

    [ 目次 ]
    明治人が作った日本の作法
    居常ノ心得
    姿勢・起座
    敬礼
    歩行
    戸障子ノ開閉
    訪問迎接
    進物(贈物)
    授受進撤
    食事
    作法を考える

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著者プロフィール

日本基礎学習ゲーム研究会会長
株式会社さくら社代表取締役社長
千葉大学教育学部を卒業後、千葉市内の公立学校に勤務(24年間)。第1作『教室騒然!ゲーム&パズル』(明治図書出版)が2万部ほどのヒット作となり「学習ゲームの横山」と呼ばれる。その後、家庭学習用PC ソフト『ケンチャコ大冒険』シリーズ(NEC インターチャネル社)の全シナリオを書き、ミリオンセラーに。教員退職後にデジタル算数教材の研究開発を行い、2009年教育関係書籍・教材を出版するさくら社を設立。さらに視野を世界にも向け、JICA プロジェクトとしてアフリカはルワンダ国の小学校に算数ソフトを導入するべく実証事業を展開(外務省白書2019 年版「匠の技術、世界へ」掲載)。活動の場を広げている。

「2023年 『「夢中で算数」をつくる教材アイディア集3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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