生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント (文春新書 868)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166608683

作品紹介・あらすじ

人気漫画家・西原理恵子さんが、波瀾万丈な人生経験をふまえて、恋愛、家族関係から仕事、おカネの問題まで、あらゆる悩みに答える「人生相談」エッセイです。
表紙カバーに西原さんのイラストが使われるほか、重松清、角田光代、しりあがり寿といった著名人からの相談に漫画で答えるコーナーもあるなど、文章でも絵でも楽しめます。

感想・レビュー・書評

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  • この著者の漫画は読んだことはない、と思う。

    インパクトのあるタイトルに魅かれて読んだ。

    いや~、面白かった!

    悩める人の相談に、ドンピシャの回答。
    時には名回答、迷回答!

    悩みを持つ人は、大体真面目な人が多い。
    なので、吹き出してしまうくらいの楽しい回答だと、
    一気に肩の力が抜けて、はあっと息が付けそう。

    人生経験の厚さが、回答の重みに加わっている。
    関西ことばが、あったかい。

  • 著者、西原理恵子さん、どのような方かというと、
    ウィキペディアには、次のように書かれています。

    西原 理恵子(さいばら りえこ、1964年11月1日 - )は、日本の漫画家。一般財団法人高須克弥記念財団理事長。

    高知県高知市出身。1988年『ちくろ幼稚園』でデビュー。前夫はカメラマンの鴨志田穣、パートナーは高須クリニック創業者で東京院院長の高須克弥(事実婚)。代表作は『ぼくんち』、『毎日かあさん』など多数。

    1996年に企画された旅行体験ルポ漫画『鳥頭紀行』のアマゾン取材旅行で、カメラマンとして同行して知り合ったフォトジャーナリスト鴨志田穣と結婚。やがて一男一女をもうけるも、鴨志田のアルコール依存症やDV、西原の多忙によるすれ違いなどが原因で2003年に離婚。

    鴨志田譲さんと結婚されていたのですね。
    戦場カメラマンとしての鴨志田穣さん(1964年7月2日 - 2007年3月20日)は、私は高評価しています。
    しかし、アルコール依存症やDVがあり、妻としては辛いものがあったでしょうね。

    で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)

    人気漫画家・西原理恵子さんが、波瀾万丈な人生経験をふまえて、恋愛、家族関係から仕事、おカネの問題まで、あらゆる悩みに答える「人生相談」エッセイです。
    表紙カバーに西原さんのイラストが使われるほか、重松清、角田光代、しりあがり寿といった著名人からの相談に漫画で答えるコーナーもあるなど、文章でも絵でも楽しめます。

  • 意外とまともだなあ~と思ったのは
    わたしがサイバラ寄りな考え方だからだろうか?
    けっこう正しいこと言ってると思ったんだけど(^_^;)
    もっとぶっ飛んでもいいくらいだわ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「サイバラ寄りな考え方」
      そう仰言る方が多いように思うのですが、世の中良くなりませんね。きっと似非サイバラなんでしょうね(私は俄かファンなの...
      「サイバラ寄りな考え方」
      そう仰言る方が多いように思うのですが、世の中良くなりませんね。きっと似非サイバラなんでしょうね(私は俄かファンなので、似非どころか偽者紛い者です)
      2013/05/07
  • こういう人生相談的なものは、回答者の話芸を楽しむものだと思うが、サイバラはまさに適任。相談者のこだわりを別の角度から割り切るようすすめる。そのまま使えるヒントも使えないヒントもあるが、悩んだ時の思考の転換法を学ぶ本として、けっこう役立つかもしれない。

  • 【生き方】【Entertainment】生きる悪知恵 正しくないけど役に立つ60のヒント /西原 理恵子/20140223(16/191)
    ◆きっかけ
    ・日経新聞広告

    ◆感想
    ・課題解決というのは「問題を設定し直す」こと。「悩んでいる人」というのは、「悩み方」からしてそもそも間違っていることが多い。
    ・悪知恵というより、Surviveするためのヒント。

    ◆引用
    Q.就職できない。→A.横入りしろ。
    Q.向いてない部署に異動になった。→A.仕事のインナーマッスルを鍛えろ。
    Q.妻の飯がマズい。→A.焼いてポン酢をかければ何でもうまし。
    Q.義母から「早く子供を」という圧力が。→A.そのうち死ぬから放っておけ。
    Q.妻子ある人との関係をやめるべきか。→A.バックアップの用意を。
    Q.元彼と結婚した友達を祝福できない。→A.敵は己の中にあり。
    Q.空気が読めない。→A.空気読めなくても許される人間になれ。
    Q.隣に騒音おばさんが。→A.外に働きに出れば一石二鳥。
    Q.カネを貸さなかった友人が死んだ。→A.「10分の1の金額をあげる」作戦。

    どれも本質を突いている。

  • 激しい・・ここのところ、体調とか仕事とかいろいろ考えて悶々としていたけど、その悶々が吹き飛ばされた。
    亡くなったオバアチャンに叱咤されているようだわ。
    ところどころギョっとするところもあるけど、納得なご意見が多い。
    伊集院静ってろくでなしなのか・・。

    「ネジだと思えば腹も立たない」

    「ダイエットには時間とお金が必要なんです。」「とにかく貧乏は太るんです。」

    「大人のいない家に上がりこむのは泥棒のすること」

    「みんなに空気が読めないと言われるってことは、そこが一番目立ってるってこと。」

    「◯◯さんと××さんが嫌いになり始めたら、自分は疲れている」というふうにバロメーターにしている。

    途中、うっかり吹き出してしまう。
    家でよかった。
    なんか元気でた。

  • なかなか面白かったです。
    悩みに対して叱り飛ばしたり、励ましたり、言ってる事も的を得ています。

    痛い目見てる人は、肝がすわってますね。

    13.01.14

  • おもしろくて一気読み。サイバラの凄味満載だ。ここまでブレのない人も珍しかろう。

    サイバラが答えている人生相談を読んでいると、凡人はみんな中途半端なんだなあということがよくわかる。いい人にもなりきれず、でも悪い人にもなれない、ああどうしようと日々悩む。なかなかねえ、サイバラが言うようにはできないと思うが、「最後はケツをまくったらいいや!」と思えたら、中途半端なりに耐えていけるかも。そういう意味で、バシッ!と背中を押してくれる。

  •  サイバラ流「人生相談エッセイ」。
     すでにベストセラーになっているが、それもうなずけるバツグンの面白さ。インタビューの形で読者からの相談に答えたもののようだが、回答の多くが破天荒なユーモアに満ちていて、大いに笑える本なのだ。

     たとえば、「夫の前妻の子との距離感がつかめません」という相談に対しては、次のように答える。

    《こんなこと考えつくのはヒマだからじゃないの? 子供産みたい気持ちがあるなら、どんどん産んじゃいましょう。3人も4人も産んじゃったら、もう距離もクソもなくなるから。》

     また、「使えない部下にイライラします」という相談に対しては、次のように一刀両断する。

    《それは「ネジ」だと思ってください。人として扱うから腹が立つんです。
     あなたの前にいるのは人じゃなくてネジなんだから、「このネジは何に使えるのかな」ということを考えましょう。》

     「忘れ物や人との約束を忘れたりが多すぎる」という相談には、次のようにアドバイスする。

    《「これを忘れたらえらいことになる」状態にしておくといいかもしれない。携帯とかに、自分の恥ずかしい写真、ものすごいまぐわってるようなやつを入れといたら、死んでも忘れませんよ。「これを見られたら、もう終わりだ」みたいな。》

     いや、痛快痛快!
     このような快刀乱麻の回答が、60本ギッシリ詰まっている。笑いにくるまれた回答ではあるが、サイバラの波瀾万丈の半生で磨きぬかれた世間知は、端倪すべからざる鋭さを具えている。

     推察するに、本書の企画者は、サイバラのベストセラー『この世でいちばん大事な「カネ」の話』を読んで、「彼女が人生相談に答える本を作りたい」と考えたのではないか。あの本のテイストが、カネの問題のみならず人生万般に広がったような、そんな印象の本なのだ。

     タイトルの印象から「偽悪的で突飛な回答が多いのでは」と思う向きもあろうが、そうではない。言っていることはまっとうな正論がほとんどだ。ただ、その正論の提示・展開の仕方にただならぬ「芸」があって、読んでいて楽しめるのである。

     思わず膝を打つ名言も多い。たとえば――。

    《女の人ってポイントカード制だから、ずーっと何も言わなくてもポイントは貯まってて、最後の何気ない一言でカードがいっぱいになって、激怒して別れたり刺したりするんだから。》

    《女の人って一途になりがちだけど、それって相手の悪いところが見えなくなる病気だから。でも、二股、三股かけておくと、それぞれのいいところと悪いところがよくわかる。》

     なお、「震災や原発のことを考えると無力感で落ち込みます」という相談に対する回答が、ほぼ唯一笑い抜きのシリアスなものなのだが、それがすごく胸を打つ。たとえば、次のような一節――。

    《震災後、よく「被災者の方を励ますひとことを」ってインタビューが来たんだけど、そんなの何も言えませんよ。家も仕事も子供も全部持ってる私が、全部なくした人に何を言えるのか。ふざけるな、と思って。それでテレビの人に言ったんですけど、世界には戦争や災害ですべてをなくした経験のある人が大勢いる。そこからどうやって立ち上がってきたのかという話を取材してきてもらえませんか、と。今、聞きたいのはそういう話だと思うんです。同じような体験をした人が、どうやって立ち上がって歩いてきたのか。この言葉はきっと宝石のようにきれいで太陽のように温かくて力強いと思う。そういう言葉が被災者の方たちにとっても一番の救いになるんじゃないでしょうか。》

     橋本治の『青空人生相談所』などと並んで、今後「人生相談の名著」に数えられてしかるべき本。

  • これは☆5
    新聞の人生相談が好きな人はぜひ!

    私このシリーズで別のものを手にしたことがあるのだけど、パラパラとめくって、「うーん…。」
    というわけであまりいい印象を持っていなかったけど、
    TSKで見かけてなんとなく予備として借りておいた…という感じ。

    それで案の定読む物がなくなり、予備軍からこの本を出し、読んでみたら。
    いやー素晴らしいです。本当に素晴らしい。サイバラさんの回答がお見事。

    バッサリ斬って、ズバズバ言って。
     きれいごと言っても仕方ないじゃん。
     生きていこうよ。
    ご飯食べれるように頑張ろうよ。
    心配なら動け。
    …とかね。

    根底に愛みたいなもんが見えちゃうというか、感じちゃうから。
    本気で考えてくれてる気がするから。
    ……響いちゃう。

    ……って気持ちになる。恐るべしサイバラ(^_^;)

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著者プロフィール

高知生まれ。漫画家。’88年『ちくろ幼稚園』で本格デビュー。’97年『ぼくんち』で文藝春秋漫画賞を受賞。’05年『上京ものがたり』『毎日かあさん』で手塚治虫文化賞短編賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

「2021年 『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言 コロナ後の幸福論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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