日本人が知らない集団的自衛権 (文春新書 1005)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166610051

作品紹介・あらすじ

中国は日本の領海でやりたい放題密漁し、虎視眈々と日本の領土を狙っている。 いまこそ日本の防衛力強化が必要なのに、安倍政権の説明を聞いても新聞やテレビをみても、「集団的自衛権」っていったい何なのか、さっぱりわからない。 集団的自衛権は本当に必要なの? 日本は戦争に巻き込まれやすくなってしまうの?……安全保障のエキスパートである小川和久氏が、集団的自衛権の「そもそも論」を平易に解説します。 本書の最大の特徴は、Q&A方式で読者目線の素朴な疑問に答えていること。 たとえば……Q1 なぜいま集団的自衛権が必要なんですか?Q2 自衛隊が勝手に戦争を始めたりしませんか?Q3 日米同盟をやめたら日本はどうなるんですか? ……こうした疑問への平易な回答を読んでいるうちに、誰でも安全保障の知識が身につくようにできています。 まさに本書だけで集団的自衛権も外交・安保も憲法もぜんぶわかる。 学習意欲に燃える高校生からビジネスマン、そして政治家も必携の作品です。

感想・レビュー・書評

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    集団的自衛権

  • 小川氏の意見はわかりやすく、もっともだと受け取れる内容。米国との安保条約がなくなると、自衛隊の予算は今の5倍になるらしい。さらに米軍基地はすべて自衛隊の基地にしないと間に合わないとも。現状の戦力ではとても1国で防ぎ切れるものではなく、米国が守ってくれるという前提ありきのようだ。日本の独立は遠い未来かもしれない。

  • 集団的自衛権と集団的安全保障。似ているようで違うということをこの本で初めて知った。日本の防衛問題について考えるきっかけとなる書。内容は同意できない部分もあるが、そういう本のほうが読みがいがある。

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  • 「集団的自衛権」と「集団安全保障」の違いを説明できますか?僕は出来ませんでした。でも、この一冊を読んで理解できました。すっきり!

  • 平成26年(2014年)12月発行

    平成26年7月1日閣議決定 解釈変更

    集団的自衛権→望まない戦争に巻き込まれる?→戦後、事例なし→戦争が起きないように抑止するための権利

    自衛隊=専守防衛のみで侵略戦争はできるはずがない。対潜水艦、掃海のみ世界トップレベル

    集団的安全保障→国連は安保理事会を中心に加盟するすべての国に適用する安全保障体制をつくろうとする体制のひとつ
    集団的自衛権→共同で防衛する国際法上の権利

    NATOは国連で実現できていないことを地域的な集団で行っている

    安全保障理事会は各国に軍を出させ、国連軍を組織できる。→朝鮮戦争時、ソ連が安保理ボイコット時にできた朝鮮国連軍→未だに横田基地には国連旗(国連軍後方司令部には要員4人が常駐)

    4類型
    ①公海上の米国軍艦が攻撃された場合の防護
    ②アメリカを狙ったミサイルの迎撃
    ③PKOで共同行動している他国部隊が攻撃された時の反撃のための武器使用
    ④PKOに参加している外国部隊の後方支援

    駆け付け警護という軍事用語はない→救援

    アメリカ 非戦闘員退避活動 韓国の米陸軍第2歩兵師団HP 過去の事例紹介・東日本大震災時の事例 バッグにいれる推奨品を紹介

    アフガンでのドイツ軍の死者→国連による集団安全保障活動であったが集団的自衛権と報道

  • 集団的自衛権を賛成の立場で書かれていてQ&A方式で理解し易いように書かれている本。そして賛成反対の前のマスコミの在り方に関して問題提起している本。日本人は問題の内容を把握せず賛成か反対でしか考えられないらしい(原因はマスコミの報道の仕方に問題有り)。自衛隊の現状、もし個別的自衛権だけで日本を守る場合は今の軍事費の5倍は必要など、なぜ集団的自衛権が必要なのかが書かれています。賛成反対を考える前に日本の防衛力をまず知ることが重要であることに気が付ける本でした。最後に集団的自衛権の議論された歴史が記載されているがろくに議論されておらずのらりくらりと今に至ります。今後野党の力で集団的自衛権が廃止になるのかは不明(たぶん今の野党では不可能)だが安倍内閣はこれまでの問題に対してメスを入れ白黒つけたのは評価できると感じました。逃げずに白黒つけることがより良い世の中を作る一歩になるのではないかと思います。あ、ちなみに私は賛成派です。

  • やや難しい

  • 軍事力を手なずける、コントロールすることが、いかに重要か。世界に軍事的脅威が存在する中で、当面、軍事に頼らず、平和を維持することはできないからだ。その半面、軍事を持ちすぎることは、自らが脅威となってしまう危険性ももつ。

    平和、安全保障に関して、情緒、感情を排除してはならないと思うが、平和を維持するための手段を的確に論じるためには、正確な軍事に関する知識が必須である。

    その意味で、小川和久さんの著作はどれも信頼がおける。土井たか子さんが指摘したように氏が論理的だからだ。あらゆるマスコミに手厳しいのも納得。

    ・自主防衛のコストは年に22,23兆円にもなる。
    ・周辺諸国の兵力に比べて、自衛隊は24万人。人員の面からは、自主防衛の場合、国民皆兵を検討する必要も出てくる。
    ・ポジティブ・リストは相手に日本が出来る事をさらけ出し、「どうぞ裏をかいて下さい。」と言外に表明している点で売国的とさえ言える。
    ・軍隊に警察比例の原則を適用したら死者がゴロゴロ
    ・一般的な戦争のような前線が明確でない対反乱戦においては、治安維持と復興支援こそが前方
    ・戦後、西ドイツの例、湾岸戦争時のアメリカの例から、集団的自衛権のほうが個別的自衛意見よりも自衛権が濫用しにくい。

  • 筆者はこれからの世界情勢において、どのように日本の安全を守るかを考えている。そのため、単に集団的自衛権に賛成あるいは反対という論調で展開されていない。
    日本の安全保障のためには、現在の自衛隊の状況を把握することが肝要だ。
    現状の装備では、戦争をすることは不可能である。自衛隊の文字通り、索敵に優れた装備は整っているが攻め込むための兵器や人員は持っていない。
    また、米軍に基地を提供しているため軍事的にアメリカとの協力関係にある。日本の安全を守るためには、資金的な面から今後もアメリカと相互に協力するのがベターだという(日本独自で国防するには軍事費がかさむ)。
    アメリカとの戦争に巻き込まれるのではないか?という声があるが、日米地位協定によって基地使用を東南アジア地域の安全保障に関わる場合の認めるとの規定があることから、日本の介入に線引きはできる。

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著者プロフィール

軍事アナリスト。1945年12月、熊本県生まれ。陸上自衛隊生徒教育隊・航空学校修了。同志社大学神学部中退。地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。外交・安全保障・危機管理(防災、テロ対策、重要インフラ防護など)の分野で政府の政策立案に関わり、国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、日本紛争予防センター理事、総務省消防庁消防審議会委員、内閣官房危機管理研究会主査、隊友会本部理事などを歴任。小渕内閣では情報収集衛星とドクター・ヘリ実現に中心的役割を果たした。2012年4月から、静岡県立大学特任教授として静岡県の危機管理体制の改善に取り組んでいる。著書に『「アマゾンおケイ」の肖像』(集英社インターナショナル)、『フテンマ戦記』(文藝春秋)、『アメリカ式 銃撃テロ対策ハンドブック』(近代消防社)、『日米同盟のリアリズム』(文春新書)、『危機管理の死角 狙われる企業、安全な企業』(東洋経済新報社)、『日本人が知らない集団的自衛権』(文春新書)、『中国の戦争力』(中央公論新社)ほか多数。

「2022年 『メディアが報じない戦争のリアル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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