日本史の新常識 (文春新書 1190)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166611904

作品紹介・あらすじ

かつて、鎌倉幕府の成立は「いいくに(1192)つくろう鎌倉幕府」と習いましたが、最近の教科書では「いいはこ(1185)つくろう鎌倉幕府」と教えています。ほかにも近年の研究で、従来の日本史の常識が次々と覆されています。古代、奈良、平安、鎌倉、室町、戦国、江戸、幕末、明治……。日本史の転換点となった出来事や時代をつくった人物について、出口治明、本郷和人、伊東潤、鹿島茂、倉本一宏ら28人の執筆陣が最新の研究成果をもとに新たな論点を提示する一冊です。

感想・レビュー・書評

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  •  時代ごとの専門家の短編集で、目から鱗の新常識や歴史の真実を深く追求するものはなかった。古代から近現代まで順を追って歴史を読み解いており、元寇の真実等面白い短編がいくつかあったが、歴史を大きな流れで俯瞰するというよりは、各時代ごとの雑学集というような内容であった。

  • トピックスがたくさん。けっこう楽しかった。もっと話を聞きたい、というテーマもあるんだけど、それはそちら方面の本をあたってくれ、ということだろう。幅広く知るという意味ではよかったんじゃないかな。冒頭の出口氏の通史も、古代の日本や中国の生産力という経済的指標での比較が面白かった。あぁ、そういう比較ができるんだねぇ、と。その出口氏が否定的な江戸期に高い評価を与える人の文章も面白かった。江戸期は人口は増えなかったというけど、むしろそれによって環境を守り、明治以降の近代化の下地になったのだ、と。どちらが正しいという話ではなく、いろんな見方ができてこそ、見識というのは養われるものだと思う。

  • かつて教科書で習ったり、入試勉強で必死に覚えた年号なども、歴史の新しい研究で、意味をなさなくなっているようだ。
    鎌倉幕府や、徳川幕府の成立年代しかり。
    さらに、秀頼はやっぱり秀吉の子ではなかったことの、実証とか。
    坂本竜馬は殺人の指名手配犯だった(寺田屋脱出時の行動)とか。
    西郷隆盛はストレスで悩んでいた、など。
    歴史に興味があるものにとって、見逃せない話題を、歴史学者や作家が綴っている。

  • 興味ある項目だけを読めるので非常に効率が良い本である。
    特に面白かったのは秀吉の子が実の子ではないとの事や、西郷隆盛に関する記述である。また古くは古代の中国に対する憧れ、北条政子の障害、応仁の乱の本質、関ヶ原の合戦の本質、

  • 2019.3.25 Yahooショッピング注文

  • なぜ鎌倉幕府の成立を1192年で覚えさされたのか、理解しました。
    過去は変わるはずがないのに、こうやって研究が進むにつれて変わっていく。
    それが面白いですね。

  • 日本史のトピックスを色んな人が語っているのが面白い。

  • ふむ

  • ・32の項目で、通史、古代、奈良平安、鎌倉室町、戦国江戸、幕末明治の区切りで記述。雑誌掲載がもとなので文は短い。

    通史(出口治明)
    ・歴史をみるポイントは「交易」にある。自分の生態系にないものをもってくることによって、自分がいる環境を快適に暮らせるように変えるのが人間で、そこが動物との違い。そしてそのようにして築かれ、洗練されていったのが「文明」だ。交易を理解するには「決済」を理解する。物々交換で何と何を引きかえたのか。古代では「人」、傭兵。古代の日本は朝鮮半島に軍事介入をして傭兵を送り込んで、見返りに鉄や先進文化を得ていた。
     中世になると「貨幣」が海の向こうからやってきた。世界の人々が欲しがる「世界商品」があると、未開の国では先進国の争奪戦に巻きこまれる。日本では中世に「硫黄」が世界商品となったほかは、世界商品は無かった。日本が侵略されなかったのは、島国だからというより、目立った世界商品が無かったから。
     幕末、ペリーが日本に来たのは、クジラ漁の基地を求めてではなく、中国市場を獲得する拠点が日本に欲しかった。
     太平洋戦争に突き進んだのは、1933年国際連盟脱退と1936年のロンドン軍縮条約からの脱退で、世界情勢が見えなくなったから。明治初期の岩倉使節団の頃の方が世界情勢を分かっていた。

    ・西郷隆盛は「ストレス病」で苦しんだ。島津久光にたいするもの。(家近良樹)

    月刊「文芸春秋」徳州「歴史の常識を疑え」2013.10月号、「日本史の常識が変わった」2018.6月号 を加筆修正再編集したもの

    2018.11.20第1刷 2018.12.10第2刷 図書館

  • 日本史において、さまざまな研究が進み、我々が昔習ったことをかなり更新する必要があるようだ。また、これらの新説からは、日本での出来事は世界の情勢から決して独立して起こっている訳でないことを痛切に感じることができた。

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