- Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166613175
作品紹介・あらすじ
佐藤優氏絶賛!「金与正の謎が初めて解き明かされる」
韓国を「クズ」と罵倒し、連絡事務所を爆破。
「知的で聡明」な妹は金正恩の後継者なのか?
兄妹を支える「赤い貴族」の実態とは?
感想・レビュー・書評
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本の内容が事実なら国家破綻は近い。国民の幸せを考えない国は滅亡する。
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この本は現在の北朝鮮と金与正さんのことが良く分かる本です。北朝鮮のことに興味がある方にはお薦めします。ありがとうございました。
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●2020年6月16日。開城工業団地の南北連絡事務所が爆破された。金正恩の実妹、予正(ヨジョン)は「相応の措置を取らないなら、それが金剛山観光の廃止に続いて開城工業地区の完全撤去になるか、北南共同連絡事務所の閉鎖になるか、北南軍事合意の破棄になるか十分に覚悟すべきだ」と警告した。今までの優しいイメージからは想像もできない乱暴な語り口だった。
●正日総書記の子、正哲、正恩、与正の三兄妹のうち、与正氏が最も聡明で知的であると言う評判だった。
●正日総書記は、与正が男だったら、後をつがせるのにと漏らしていた。
●韓国の歌謡曲を聴いて踊った未成年6人に対する公開裁判。当時16歳から17歳。反国家陰謀罪で労働鍛錬刑1年。北朝鮮が禁じた韓国の歌謡曲50曲を聴いて踊ったほか、USBメモリに複製して他人に渡そうとしたと言う罪。
●愛民政治。一般市民とほとんど接触しなかった金正日総書記の行動を反省材料に、逆に市民と触れ合うことを好んで強いカリスマ性を持っていた祖父金日成主席の行動に学ぼうとする政策。
●被災地にレクサスで乗り入れる正恩氏。
●北朝鮮では、最高指導者とロイヤルファミリー、さらには金日成主席と共に戦った抗日パルチザンが貴族階級であり、まさしく家族のような付き合いをしていた。彼らは特別だった。
●正恩氏が建設した閑古鳥が鳴く建造物。海外からの視察者やツアー利用客が訪れる場合に限り、職場や地区の動員をかけて利用者を募りサクラを演じさせる。なぜか入場料等は自腹。
●抗日パルチザンの子孫「赤い貴族」。どんなに能力が劣っていようが、象徴である金日成一族が必要になる。
●正恩氏、正男氏の母親達は、金日成主席から認められてない。正式な婚姻関係ではない。90年代半ばまでは日本韓国は正男氏こそが後継者だと認識していた。
●正恩氏の母親、高英姫氏は在日朝鮮人だったという出自が最後まで負担となった。 -
流石に独裁も3代となって実績も乏しいとなると、カリスマ性も薄れてくる。白頭山一族と、赤い貴族の相互依存の元で体制が維持されている。
彼の国の事情を勘案すると、この体制を維持していくことはかなり困難と思われる。
それはそれで気が重くなってくる話。その先に何があるのか判らない。 -
金与正のキャラクター、国内体制、金正男暗殺、社会の実態、核・ミサイル、金丸訪朝団など雑多な内容だが読みやすい。金与正は男尊女卑の北朝鮮で「目立ちたがり屋」だが、「愛民政治」などの政策は失敗、降格。降格も金正恩の愛情の表れか。「赤い貴族」の特権。統制の一方で金主やチャンマダン、賄賂の横行、おしゃれや個人主義の芽生え。核問題が最も解決に近づいたのは第2期の2002〜08年で、05.9の共同声明や07.2のロードマップに至っていた。米朝首脳会談に見る、北朝鮮は米国との完全な関係正常化を望んでいないという現実や、金正恩の甘い見通し。
ハノイでの米朝首脳会談時、金正恩に事前交渉の内容が十分に上がっていなかったとみられることにつき、著者は崔善姫や「3階書記室」エリートという既得特権層の意図を指摘。90年代の交渉ではともかく、現在では「独裁国家だから最高指導者を説得すれば全て解決」ではなくなっているという。
また、なぜ「総書記」が最高指導者なのかについて、ソ連共産党に倣ったことと、General Secretaryの訳出という点が解説されていた。 -
【独裁者の兄を妹が支える体制の深奥に迫る!】米朝交渉が頓挫し、経済の苦境を脱せない北朝鮮。権力を握る兄妹の役割や知られざる国家経営の実態を、ディープな取材で解き明かす。