明治日本はアメリカから何を学んだのか 米国留学生と『坂の上の雲』の時代 (文春新書 1334)
- 文藝春秋 (2021年11月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784166613342
感想・レビュー・書評
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本屋でつい立ち読み。明治期の青年が如何に米国留学したかを描く。高橋是清、団琢磨、小村寿太郎、新島襄、吉原重俊等。彼等の留学経験の集大成として日露戦争時の対米工作をあげ、金子堅太郎を中心として人脈をフル活用したことが挙げられている。松岡洋右以降はあまり読めていない。文中に「本はどこでも読めるから、外国に居る間は旅行など経験を沢山しろ」といったような記述があり、非常に感銘を受けた。特に官費留学組は国のために学ぶという使命を帯びていたから貪欲だったのだろう。教材が転がっている現在の有難みを実感 2021/11/24
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大本は、条約改正が、目指した目標なんだろうな。
目標達成するため情報格差を自覚し、その壁を越えるための留学をする旧士族の若者たち。
日米双方の理念と友誼が、その時代状況、日露戦争ぐらいまでは、上手く嵌っていた。
双方共、知らない量が良いバランスだったのだな。
結局は、条約とか条文とかに対する宗教も踏まえた言語体系が、情報処理感覚の根本的な差異と相まって亀裂を生み、国内状況に影響し合って戦争へと向かったのか。
ある意味、天祐のような時代だったんだな。
まぁ、太平洋を隔てての、ご近所になった結果だね。 -
第1章 幕末留学生が目指したアメリカ(新島襄の密航/薩摩藩密航留学生ー吉原重俊/高橋是清の渡米)/第2章 「ロー・スクール」黄金時代(明治初期留学生の「ロー・スクール」熱/吉原重俊とイエール大学/小村寿太郎と金子堅太郎/千数大学創立者たち/薩摩藩のエリートたち)/第3章 科学技術、人文科学、軍事学(団琢磨とMIT/朝河貫一とダートマス大学、イエール大学/秋山真之のアメリカ留学)/第4章 「神の国」を求めて(同志社からイエールへー小崎弘道、横井時雄、原田助/内村鑑三の見たアメリカ/太平洋の架け橋へー新渡戸稲造のアメリカ留学)/第5章 「集大成」としての日露戦争(日露戦争と広報外交/ポーツマス講和会議とイエール提案)/第6章 悪化する日米関係に抗して(ハーバード大学「日本文明講座」設置/イエール大学会の基金設立/団琢磨の民間外交/金子堅太郎の嫌米化/学生の変化、時代の変化/松岡洋右のアメリカ留学と外交ー清沢洌との対比から)
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【知られざる明治の「日米同盟」と日露戦争】戦争を勝利に導いたアメリカ留学経験者たちの活躍。高橋是清、小村寿太郎、團琢磨などの視点から両国の絆とその破綻の過程を描く。