家政婦の歴史 (文春新書 1414)

著者 :
  • 文藝春秋
3.36
  • (2)
  • (4)
  • (2)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 85
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784166614141

作品紹介・あらすじ

家政婦と女中はどう違う?家政婦は歴史上、いつから家政婦と呼ばれるようになったのか?2022年9月、ある家政婦の過労死裁判をめぐって、日本の労働法制の根本に潜む大きな矛盾に気づいた労働政策研究者の著者は、その要因の一端を、市原悦子演じるドラマ『家政婦は見た!』に見出し、家政婦をめぐる歴史をひも解くことを決意した。戦後80年近くにわたって、労働法学者や労働関係者からまともに議論されることなく放置されてきた彼女たちのねじれた歴史を、戦前に遡って描き出す驚くべき歴史の旅程。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 内容は濃いもので勉強にはなったんだが、いかんせん、くどくて私には文章がくどくて読みづらく、頭に入ってこなかった。

  • 家政婦労働に関するねじくれた歴史が暑く語られています。

    女中と家政婦は違う。
    女中は家族の一員なので規制をしない。いまだに労基法の範囲外。そして昔からずっと悲惨な状況。
    家政婦はもともと派出婦というニュービジネスで派遣業だった。
    しかし日雇い労務者(住居もない人々に前借させて閉じ込めて実質奴隷扱い)の労働者供給業と同じ枠で扱われて、GHQに違法扱い。派遣業ではやっていけないので紹介業の形態をまとって再出発。実態と建前がねじくれているのでとてもややこしい状況。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000067235

  • ふむ

  • 流石の濱ちゃん!
    伝家の宝刀が冴えわたり、歴史の隙間に埋もれていた家政婦の歴史を時ほぐしてます。

  • 366-H
    閲覧新書

  • 家政婦が労働基準法の枠外に置かれるまでの歴史的経緯を解説。
    題材が狭い割に非常に詳細かつ難解にみえて、途中で断念してしまった。
    収穫は、そもそも枠外ということを知らなかったこと。

  • さすが濱口さん。
    日本の労働事情全般についての知識、造詣が深い。
    労働基準法の適用外である家政婦が、元々は労働者派遣法と同じような扱いだったのが、戦後の占領政策により違法化され、あげく労働基準法の枠外に置かれるまでの経緯を詳細に分析している。

  • とっても興味深いことが書かれているのだけれど、法律の文章もたくさん出てて、そういう脳みそのない私には読み辛かった・・・

  • 著者は、労働制度の専門家でこれまでも何冊か読んだことがありました。家政婦と労働制度がどうつながるのかがよくわからず、興味を持って読んでみました。
    家政婦が、実際は労働者派遣のような形で始まり、戦後の制度の中で形を変えてしまったことが最近の判例での悲劇につながってしまったことは残念でした。労働法制が、世の中の仕組みや変化の影響を受けて変わっていくことを知ることができました。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。東京大学法学部卒業、労働省入省、欧州連合日本政府代表部一等書記官、東京大学客員教授、政策研究大学院大学教授を経て、現在は労働政策研究・研修機構労使関係・労使コミュニケーション部門統括研究員。主な著書・訳書に、『日本の雇用と労働法』(日経文庫、2011年)、『新しい労働社会――雇用システムの再構築へ』(岩波新書、2009年)、『労働法政策』(ミネルヴァ書房、2004年)、『EU労働法形成過程の分析』(1)(2)(東京大学大学院法学政治学研究科附属比較法政国際センター、2005年)、『ヨーロッパ労働法』(監訳、ロジェ・ブランパン著、信山社、2003年)、『日本の労働市場改革――OECDアクティベーション政策レビュー:日本』(翻訳、OECD編著、明石書店、2011年)、『日本の若者と雇用――OECD若年者雇用レビュー:日本』(監訳、OECD編著、明石書店、2010年)、『世界の高齢化と雇用政策――エイジ・フレンドリーな政策による就業機会の拡大に向けて』(翻訳、OECD編著、明石書店、2006年)ほか。

「2011年 『世界の若者と雇用』 で使われていた紹介文から引用しています。」

濱口桂一郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×