写真とエッセイで綴る姉の素顔 向田邦子の青春 (文春文庫 む 9-2)

制作 : 向田 和子 
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167156060

作品紹介・あらすじ

数多くの姉の写真が埋もれていた。そのほとんどは青春時代の写真だった。じっくり見ていくうちに、その奥にあるものが見えてきた-。仕事、生き方、おしゃれ、そして今もなお、人々の胸に熱く残る珠玉の作品群…21年前の夏、飛行機事故で逝った向田邦子の全魅力を、妹の言葉と百余点の秘蔵写真で振り返る。巻末に年譜収録。

感想・レビュー・書評

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  • 本書の存在を知ったのは、単行本が発売されたとき。書店員時代の私は、新刊品出し時に若かりし頃の向田邦子の美しさに魅了され、いつかちゃんとこの本を読んでみたいなと思っていた。
    あれから幾星霜。向田邦子本を集めているところで、ようやく文庫版を手に入れることができた。20~30代の弾けるような若さ溢れる写真の向田邦子の、何と魅力的なこと!仕事、生き方、おしゃれ…写真と共に、妹の和子さんが懐かしいエピソードを綴る。最近は邦子作品と、和子さんのエッセイや対談等を交互に読んでいるので、向田邦子という人を多角的に捉えることができ、読むたびに彼女の奥深さを実感する。
    特に印象的だったのは「おしゃれ」の章。オーダー服も手製のものもおしゃれに着こなしたスナッブは勿論どれも素敵なんだけど、忙しい中でもこまめに妹達に服を作ったエピソードもまた好きで!何だろう、知れば知るほどもっと深掘りしたい!と思わせる向田邦子という人って。
    どの写真の向田邦子も、生き生きとしていて本当にかわいらしい。私自身若かった頃に、本書に出会ったときの鮮烈さを思い出しながら…何度も見返してしまうのだ。

  • 向田邦子の妹による、向田邦子の若き頃の写真と思い出を綴ったエッセイ。

    若き頃の向田邦子の初々しくも凛とした姿や写真から漂ってくる気品、知性。美しい!今、こんな女性はいるだろうか・・・

    「みんながわかるとは限らない」は、あまちゃんの「わかる奴だけわかればいい」を思い出した。

  • とても謎めいているので、興深い本です。
    内容は20~30代の若い時の写真と妹さんのエッセイ。

    青春とはよく言ったもので、写真は語る。
    この本の向田邦子さんのお写真、ほんとうにミステリー。

    ミステリーその1、
    あの当時としては、格段のファッションセンス。
    こんなに垢抜けたポーズとれる人いなかった、ヨーロッパ映画の中でしか。
    女優さんよりもオーラがあるのでは。

    謎解きは妹さんによると、映画がお好きで、仕事も映画雑誌で、自然に身に付いたのだと。
    でも、天性の感覚でしょうね。
    メモ、日記の類が何も残されてなく、
    たくさんの創作は頭の中に整理されていてものしたとあるから、やはり只者ではない。

    おしゃれも半端ではなかった。
    お給料3倍のジャンセンの水着を買った話は有名だもの。
    青山の行き着けの洋服屋さんとか、いい生地でしか作らないとか。
    高くても長持ちするいい物を買うだとか、凝るとか。
    いまでは当たり前の「自分にご褒美感覚」がある。

    ミステリーその2、
    これらの写真を撮る人、撮った人は誰?
    たくさんの芸術的といえる写真。素人でも判る。
    絶対これらの写真を撮った人は本職だと思う。
    そしてあるいは、憎からずと思ってた人じゃないかしら。
    だって写真の中の向田邦子さんが最高に光っているもの。

    エッセイに
    『姉は性格的にさっぱりしていた。男の人に対してもあまりベタベタしたところはなかったのではないかと

    思う。ただ、私は妹として見ていたので、男性から見ると、違った見方があったのかもしれない。私たち家

    族の知らない深いものがあったのかもしれない。今となっては謎のままだ。』

    怜悧なほほえみのきれいな向田邦子さん、お化粧も上手。
    眉の引き方、口紅の塗り方、しみじみ芸術だなーと思ってしまう。

    51歳の生涯、事故で亡くなるなんて...。

    なお、妹和子さんのエッセイも、お姉さんのことを書いていらっしゃるのだが、
    お人なり、個性が浮き彫りになってすかされおもしろい。
    ちらっとお写真も出ているが。

  • 向田和子編集「向田邦子の青春」、1999.4発行。向田和子さんが姉、向田邦子さんの素顔を写真とエッセイで綴っていらっしゃいます。若き日の向田邦子さんの写真が沢山あって、まさに向田邦子の青春だと思いました。

  • 向田邦子の実妹(三女)の向田和子氏による長姉・向田邦子の回想録。向田邦子の在りし日の写真も多数掲載されている。

  • 向田邦子ファンというわけではないので、特に感動があったわけではないが、妹である著者が、どれだけ姉に影響を受けたか分かる文章だった。姉に言われたことを守り、とにかく素直に感じたままを書いている。また、向田邦子の人となりがよく分かって、尊敬せずにはいられない人物だと思った。彼女の作品をこれから読んでみたいと思う。

  • 910.268
    写真満載

  • 多才で要領がよくて、なんでもきびきびこなしてしまうところは
    言わずもがな。

    妹にとってどれだけ大きな姉であったのか、
    姉にはかなわないという気持ちが強く伝わってきた。

    センスが抜群、お洒落も仕事もお料理もこなして旅行も楽しんで・・・

    人生を楽しむ姿勢を思い出す1冊。

    個人的にはスキー旅行で転んでいる写真が茶目っ気があって好きだ。

  • とにもかくにも向田邦子さんの美しさに唯々見惚れるばかりでした。 清楚で可愛らしい女性ですよね。いまどき、なかなかお目にかかれない美しさであると想うのです。
    この美しさに★★★★★です。

  • 戦後まもなく?しばらく?で、才能もあって、
    あんなにおしゃれで綺麗な女性が活躍していたことにびっくり!
    本文もさることながら、最後の年表に、発表された作品などと同列に
    事故で死亡したことも書いてあって、その淡々さが切なくなりました。
    向田邦子の本も読んでみたくなりました。

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