地上絵の謎を追ったマリア・ライヘの生涯 ナスカ 砂の王国 (文春文庫 く 11-7)
- 文藝春秋 (2006年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167455071
感想・レビュー・書評
-
ナスカの地上絵の謎を解き明かすべく奮闘した女性、マリア・ライへ。
世界情勢の移り変わりに振り回されながらも、地上絵への情熱で研究を続けていた。
情緒豊かな描写と緻密な取材により、現地の様子が伝わってくる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ナスカの地上絵と、生涯をその研究に費やしたマリア・ライヘへの情熱を形にしたドキュメント。「七不思議」的な切り口でとらえられがちな場所だが、人間味を感じさせる内容になっているのがポイント。
-
パン・アメリカン・ハイウェー:1923提案されたが現在まだ全てが繋がっているわけではない。アラスカのフェアバンクス~フエゴ島のウシュアイア(「アラスカまで17,848km」の標識)まで全長78800km、21カ国をまたぐ/菩提樹:ゲルマン人にとって神聖な木。目が見に捧げ崇めてきた樹。女の子が誕生すると記念にこの樹を植える風習もある/クスコのセベセリア・アルマーナというビール工場裏のラ・レコレタ教会を左折し坂を上がると「音楽を奏でる石」というのがあった/天野芳太郎:チャンカイ文化を愛した
-
フランスに一冊だけ本を持っていこうと思って、選んだのがこれ!
なぜ…ナスカ…
だって好きなんだもん…
読み終わってから、あの楠田枝里子さんの本だったと気づいてたまげた。
ただものじゃない…
ナスカの研究に生涯を捧げたドイツ人学者マリア・ライへ先生を追う楠田さんの情熱が詰まった本です。
考古学オタクには外せない一冊ですが、
考古学オタクならずともぜひ読んでいただきたい。
ナスカに吹く風と悠久の時を感じられますよ。 -
ナスカの研究者マリア・ライヘを追ったノンフィクション。
初めは出版の予定もなく興味だけで追っていった楠田さん、すごい。第一次世界大戦前のドイツから単身ペルーに渡った、マリアさん。すごい情熱だな。 -
楠田枝里子がこんな本を書いていた事にまず驚いた。
ナスカの地上絵の解明とその保護に生涯を捧げたマリア・ライヘの評伝です。
地上絵と天文学の関連説を唱え、詳細な地上絵の地図を作成したライヘはその点である程度の評価はされていますが、学問的な分野では現在ではあまり支持を受けていません。
彼女の功績は地上絵の保護に尽力したことにあります。彼女が地上絵を発見し、その重要性に気付き、保護に人生をかけなければ、間違いなく開発の波の中で地上絵は壊滅的な破壊を免れなかったと思います。
強い意志で偏見や逆境に立ち向かった女性の評伝として評価できる本です。
-
ナスカの地上絵とは、ペルーの乾燥地帯に描かれた巨大な幾何学模様や動物などの絵で、世界遺産にも登録されています。描かれたのは紀元前2世紀から6世紀ごろといわれていますが、そんな古代にどうやって描いたの? なんのために? なんでこんなに大きいの? とまあ、実はいまも謎だらけなのですが、1930年代、その謎に魅せられほぼ生涯をナスカに捧げたドイツ人女性がいたのです。それがマリア・ライヘその人。
そしてまた、そんなマリア・ライヘさんに惚れ込んでしまったのが著者の楠田枝里子さん。彼女の生涯を夢中になって追い続け、ペルーから東西ドイツ統一前のドレスデンを訪れます。タレントとして活躍する楠田さん、何作か書籍を出版していますが、このノンフィクションはまさに渾身の一作。関わる人々をここまで熱くさせるのも、またナスカの不思議な力なのかもしれません。 -
もともとはハードカバーで読みました。楠田さんが「ナスカの地上絵」の研究者、マリア・ライヘ女史(故人)にお会いになったときのインタビューをまとめたものです。
楠田さんご自身が地上絵に興味を持たれたのをきっかけに、ペルーの砂漠で地上絵を研究する、孤高の学者であったライヘ女史に会いに行こうと思い立ちます。ペルーに降り立った直後の激烈な高山病(微妙に気づかない)、風俗、名高い「クイ」の完食(完食プロセスの写真つき)などなど…どたばたっぷりをきわめて知的に、ユーモアをたたえた筆致で描かれています。ライヘ女史がもともと教師としてペルーへ来たこと、地上絵に魅せられるようになったいきさつなども、きめ細かく知的に、ほどよく軽やかなタッチで描かれており、非常に美しい文章を書かれることに驚きました。地上絵に関するライヘ女史の説は有力なものではありませんが、それになぞらえた終わりかたなどは夢のようで、南半球の星空が見えてくるようです。
楠田さんといえば「実はロボット」とか、「『世界まる見え!テレビ特捜部』の、ハイテンションでヘンなひと」の印象の強いかたですが(笑)、こんなに素敵なエッセイを書かれるかたなのだから、詩情あふれるサイエンスライターとしてもっと活躍してほしいのに…と心から思ったものでした。今からでも遅くありませんので、ぜひお願いしたいものです。 -
駄作。
内容が内容だけに期待をしすぎた。
ひとつのテーマに対する集約力に乏しい。
センチメンタルに文章が流れすぎる。