極限捜査 (文春文庫 ス 12-2)

  • 文藝春秋
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (529ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167705671

感想・レビュー・書評

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  • GWとコロナ休暇用に図書館でまとめて借りた海外ミステリーの一冊。前作がMWA新人賞を獲得した架空の東欧の社会主義国を舞台にした1950年代の警察小説!と言えば魅力的に聞こえるではないか。確かに重厚で肉厚なゴツゴツとした文章や、欧米とは異なる私生活の描写など、異色作としての手応えは充分。しかし物語の展開の小ささと遅さには、ジェットコースター的物語を読み慣れてると、ややイライラさせられた。それでも先が気になって最後まで(1週間もかけて)完読したのは惹きつける力が本書にはあったということだろう。3.7

  • ★3.5

    東欧の架空の国家が舞台なんですね。読みながら「いったここは、どこの国だ?」と思っていました。そして、作者が、東欧の人間かと思いきや、実はアメリカ人と言うのは予想外でした。

    物語としては、中々読み応えがあります。そして、途中までは普通の警察小説の様に進んでいくんですが、途中からは、エスピオナージ的な雰囲気も出てきて、雰囲気は一変します。結末も、中々の驚きの結末ですけどね。

    いやぁ、興味深いと言う意味で、面白い作品です。

  • 共産主義政府に支配され、国家に逆らうと収容所行きとなる東欧の国。初めはハンガリーかと思ったが、架空の国の設定らしい。そこである殺人事件を追う主人公。事件そのものも陰鬱な時代に影響を受けた悲劇だが、主人公が抱える苦悩がリアルで胸に迫るものがある。悩んだ上に破れかぶれとなって起こす行動にすんなり納得できるのは、じっくりとそれまでの悩みっぷりが描かれているからだろう。全体的に重苦しく読みごたえがあった。

  • 私の評価基準
    ☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
    ☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
    ☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
    ☆☆ 普通 時間があれば
    ☆ つまらない もしくは趣味が合わない

    2010.12.28読了

    読み始めは、物語の中に入っていけなくて、つらい感じだったが、A.クルマンの焼死体が発見される頃から、だんだん盛り上がって来て、読み終わって見ると、なかなか読みごたえのある本でした。
    フェレンクの、諦めにも似た勇気、麻痺と同じ恐怖が遠い話のはずなのに、リアルに迫って来るようだった。
    なにやら、五部作らしいので、前作も含めて読んで見ようかな。
    でも、冷戦下の時代って、ちょっと前なのに、何だか遠く感じるのは私だけ。

  • 読み始めて暫くは「ハズレ引いたかも?」と心配したが、
    トンデモナイ!、
    人がシッカリト描かれた、
    読み応えのある面白い作品だった。
    東西冷戦下ハンガリー動乱頃の、
    東欧小国の民警捜査官である主人公が、
    共産党独裁政権下、公安、KGB・・・、
    怖い闇の中に手を突っ込まなければならない捜査を行う。
    複数の事件が 1 本に繋がるも、
    恐ろしい結末に息苦しくなる。

  • 東欧に位置する架空の小国を舞台にした警察小説だが、ミステリとは思わずに、捜査官が主人公の社会派だと認識して読むことをお勧めする。スローテンポで進展する事件の合間に、いやというほどの人間ドラマが展開される。筆致はクオリティが高く、1ページの濃さが半端ではない。余力を残すことなく、全てを描ききるところは凄みさえ感じさせるが、万人受けする作品ではない。テーマが重過ぎるし、日本人には馴染み薄だからだ。私の場合、「架空の小国」という点で、捜査や国の在り方にリアリティを感じられなかったのが最後までひびいた。

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