ブランドのデザイン (文春文庫 経 8-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753399

感想・レビュー・書評

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  • ブランドと言っても、取り上げられているのはサントリーや資生堂など、多くの人にとって馴染みのあるメーカーばかりです。伝統的なブランドの色を新鮮さを失わせずに守ることの大変さが伝わってきました。商品のストーリーを知ることによって、その商品がより魅力的に感じられます。

  • 「ブランド」として名を馳せた大手企業の商品のイメージが、どう築かれているか、保たれているかを調べた本。
    著者の概観、商品についての取材、広告に関わった人へのインタビューという構成です。

    ざっくり、ここに取り上げられた製品はそれを買う方の生活感を汲み取り、そこに価値観をプラスするようなものであると読みました。
    広告では商品自体を扱うだけでなく、その商品をどう印象づけるかをとても考えている。
    自分としては大きなお世話だと思うのですが、消費者の必要不必要ではなく、"売れる製品を作ろうとする" ということがそういうやり方になっているのだと。

    あと取り上げられた製品や考え方は、日本人に余裕があった頃のものと思われ、現在では多少変わりつつある気がします。

    筆者が代表して消費者の視点を述べておられるのですが、主観が強い印象があります。少なくとも自分とはちょっと違う気がする。
    インタビューでも相手の声以上に著者の言葉が出ている印象がなくもなく、著者の専門であるファッションでの例えも自分にはよくわからず、なんというか軽はずみにおしゃべりしすぎているような違和感が。

    大手企業の製品の作り方として参考にはなりましたが、自分としてはこういうものの作り方はあまり浸透してほしくないですね。
    たまに地方局のテレビで小さい地元企業のコマーシャルをみて、そのわかりやすさ垢抜けなさになにやら安心したりすることがあるのですが、その理由がわかった気がします。

  • 紙面の組み立てが良くない。文字に圧倒される。
    原氏「”もの”のデザインではなく”こと”のデザインを志向」

  • 「ブランド」「デザイン」という昔から自分が気になっているキーワードのついた本だったので手に取ってみた。内容は資生堂とか無印良品等の今現在も成功していると思われるブランド戦略をもつ企業のブランドに関する考え方等をインタビューをもとにまとめたもの。キューピー等それぞれの企業がもつ理念、ブランドに対する意識、ブランドが生まれた際の経緯等が分かり、企業を知る/ブランドを知るという点では面白かった。消費者はただ受け取るだけだけど、受け手を誘導するために企業は色々考えてるんですね〜。プロ意識に触れるという意味でも、デザインに関する本というよりは企業本/ブランドという観点からプロフェッショナルの極意について読む本と考えた方がいいような気がした。ただ読んでいて学生の論文を読んでいるような気分になったのが残念と言えば残念。

  • 資生堂やキューピーなど、事例が身近なものであるのでとっつきやすく、易しく書かれているので特に知識が無くても楽しめると思います。
    私は資生堂のマジョリカマジョルカ・クレ・ド・ポーのブランド構築についてが面白かったなと思いました。
    (それに限らず資生堂という企業のブランドデザインにはいつも感心させられることが多い)

  • サントリー、キユーピー、資生堂、無印良品のブランディング戦略についてまとめた一冊。
    一貫したコンセプトとメッセージを表現し、消費者との対話を図るクリエイターの流儀が書かれている。

    この本を読むまで、“広告表現=モノを売るための芸術”だと単純に考えていたが、ブランディングは「消費者=商品を生活の中で広げる担い手」という認識のもとで行う生活デザインの指針づくりであることが理解できた。
    また「商品開発の過程にあるストーリーを表現する」というあるクリエイターの理念が、特に印象的だった。

  • ブランドは、コミュニケーションと体験によって形成されるものだと思いますが、コミュニケーションの領域に偏っている印象を受けました。特に、テレビ、新聞などマスコミュニケーションの話が多く、すごく狭義なブランドデザインの印象を受けました。

    以下の点は、共感する部分です。
    一方でこれが簡単にできないところが一番の悩みどころ。
    その部分をもう少しどうやって作るのか、設計手法を提示してほしかった。
    -志=意味があること
    -市場シェアより私情シェア(マインドシェアの重要性)
    -広告から商品までの一貫性
    -「歴史」を大切にして「物語」を紡ぐ

    無印の事例は、非常に参考になりました。
    -「これでいい」という考え抜かれたコンセプト
    -アドバイザリーボードという手法(外部と内部の専門家の定期ディスカッション)
    -ブランド醸成とコスト削減の両立

    作者の方はいろいろな本を出されているので、私の理解力が低かっただけかもしれませんが・・・

  • キューピーのグラフィックが好き。
    TVで、キューピーのCMが流れると、ほんとに、1秒で
    「あ、キューピーだ」とわかる。初見であっても。
    それは空気感とか世界観というものなのでしょうか。
    たぶんそれが『ブランド』をつくっているものなのだと思う。

    そんなキューピーや、無印良品、サントリー、資生堂といった、日本が誇るロングセラーブランドの哲学や魅力を探る一冊。

    これは良い。


  • あたりさわりなく企業のブランドデザインについて書いてある本。
    デザインに興味があり、入門的に読むには読みやすい。

  • サントリー伊右衛門、ウーロン茶
    キューピーマヨネーズ、ハーフ
    資生堂マジョリカ マジョルカ、クレ・ド・ポー ボーテ
    無印良品

    秋山 昌、安藤 隆、葛西 薫、永井一史、服部一成、原 研哉、山形季央

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著者プロフィール

ジャーナリスト1961年、新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステムに入社し、ファッションという視点から、企業や商品のブランドづくりに携わる。同社取締役、ifs未来研究所所長などを歴任し、2021年に退社。コミュニティー「偏愛百貨店」を立ち上げた。『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞出版)、『虎屋ブランド物語』(東洋経済新報社)、『TSUTAYAの謎』『すいません、ほぼ日の経営。』(以上、日経BP)など、著書は30冊を超える。毎朝3時に起きて原稿をつづる生活を30年にわたって続けている。

「2021年 『アパレルに未来はある』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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