- Amazon.co.jp ・本 (540ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167773151
作品紹介・あらすじ
「戦術的には日本軍の、戦略的には米軍の勝利」(S・E・モリソン)-珊瑚海海戦で、日本軍は米軍に痛打を浴びせるが、要地攻略は果たせなかった。真珠湾攻撃とミッドウェー海戦の狭間に起きた初の空母戦。その戦史上の重要性に初めて着目し、ミスを重ねる両軍の運命を、綿密な取材でリアルに再現した決定版。
感想・レビュー・書評
-
珊瑚海海戦を井上成美の第四艦隊赴任から丁寧に追った力作。歴史上初の空母海戦において繰り返された錯誤とミスの応酬。
真珠湾攻撃をせずに最初から艦隊戦で雌雄を決していた方が良かったはず論が的外れなのもよく理解出来る。日本海軍は航空戦で全然米国の先いけてなかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
毎年8月になる前に、太平洋戦争物を読むことにしている。
読後に思ったのは、
1.大西瀧治郎の考えが理解できなくもない。
2.空母なんて圧倒的な力の差がない限りコストパフォーマンスの非常に悪い兵器である。 -
<ガダルカナルとは>
ラバウルからガダルカナルまでは、東京から下関くらいの距離がある。
<薄暮攻撃(夕方に攻撃出発)の緊張感>
レーダー、GPSがない当時、母艦に戻るのも一苦労である。限られた燃料で、母艦を探すのも一苦労、ましてや夜の闇の中では・・・・。
母艦が見つからない場合、海中の藻屑となるほかない。また、敵空母が発見できず母艦に戻るにしても、魚雷を抱いたまま、着艦するのは母艦側にも緊張が高まる。一つ間違えれば、自爆攻撃のような効果が起きるからである。
<珊瑚海海戦>
空母対空母の歴史最初の戦いである。過去に例のない戦いであるため、指揮官の経験は何の役にも立たない。
すべてが手探りだったと思う。
ミッドウェーばかり注目されがちだが、米側が手こずった戦いは、なぜか扱いが小さい。戦場においては、有名でない、有名というのは兵士にとって関係がない。どの戦いも、命がけだったのだ。
民族の先人たちの苦闘を丁寧にたどっていきたいという感想を持った。 -
太平洋戦争中の珊瑚海海戦の一部始終がよくわかる戦記。
限られた情報の中で、人間がどのように判断し、行動するのかということが丁寧に描かれている。