インド ミニアチュール幻想 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2009年11月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784167773199

みんなの感想まとめ

インドの細密画、ミニチュアールの魅力を深く掘り下げた作品は、芸術の背後にある歴史や文化を豊かに描写しています。16世紀から19世紀にかけてのインド宮廷で栄えたこの芸術形式は、神話や自然、文学を繊細に表...

感想・レビュー・書評

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  • 細密画のなかには宇宙と神々と共同体としての人の営みが詰まっている。個人という枠を軽々と越え、時間と空間の壁を越え、宇宙と神と一体になるという感覚。音や絵を通じてしか伝えられない古代から続く感覚。

    全文
    https://wp.me/pgG1ce-16N

  •  16世紀から19世紀にかけてインドの宮廷で栄えた細密画(ミニチュアール)。神話や歴史、自然や音楽、文学までを繊細な筆使いで描いたミニチュアールは、ヨーロッパの絵画にも大きな影響を与えました。有名なところではレンブラントがミニチュアールを模写したものが残されています。ミニチュアールはもともと経典の写本にルーツを持つ宗教画でしたが、インドの思想や芸術、生活をいまに伝える大切な資料となっています。

     本はミニチュアールに関わる画家一族やコレクター、骨董商などを取材したドキュメンタリー。このミニチュアールがインドでいかに特別なものか、教えてくれます。特に細かいところはリスの毛1本で描くという記述など、ミニチュアールの凄さとそれを大切にしてきたインドの人たちの本気さが伝わってきます。

     ミニチュアールを通じてインドに触れる部分は、いままでインドのガイドブックなどにはなかった情報が満載で、読み応えも十分。著者はインドと「知られざる魯山人」など北大路魯山人をテーマにしたものの2テーマのみ。その潔さも魅力的です。

  • インドに限らずミニアチュール(細密画)が好きなので、そういう話が載ってるのかなーと思って買ってみた。描き出されるモチーフの背後にある神話のことや風物に詳しい解説があるのかと読み出したら、全然違っていて、それはそれでビックリするほど面白かった。
    絵に描かれたモチーフについての解説はほとんどなく、細密画がインドのどの時代に、どこで描かれたのかということや、どんな人々が創り出しているのかという「現在進行形」の話がほとんどで、いろいろな切り口やいろいろな時代、細密画家だけに留まらず、細密画を生み出すに至った独立前のインドや独立による変化、インド思想、音楽、そして細密画家という職業カーストがいつ、どのようにして生まれたのかという歴史にまで踏み込んでいく。
    個人的には細密画に魅了されたがあまりに犯罪に走ってしまった高名な収集家の話や、著者自身が地方の古美術商で掘り出し物を求めて繰り広げる丁々発止の駆け引きがとても面白かった。こんなところでユングのマンダラの話に出会うとは思わなかったけど、無意識とインド思想は物凄く近いところに位置しているらしい。

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著者プロフィール

1946年富山県生まれ。作家。『インド ミニアチュール幻想』(平凡社/文春文庫)で講談社ノンフィクション賞、『知られざる魯山人』(文藝春秋/文春文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。その他の著書に『魯山人の美食』(平凡社新書)、『インドの大道商人』(平凡社/講談社文庫)、『21世紀のインド人』『魯山人の書』(いずれも平凡社)、『瀑流』(文藝春秋)、『夢境 北大路魯山人の作品と軌跡』(淡交社)などがある。

「2019年 『永遠なれ 魯山人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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