- 文藝春秋 (2015年3月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784167903312
作品紹介・あらすじ
町子姉は悪ガキで、甘えん坊でした――。
ワンマン母さんと串だんご三姉妹、女ばかりの長谷川家。
極端な人見知りで知られる町子姉は、家の中では「お山の大将」。声も主張も人一倍大きくて型破り。でも親の膝を妹ととりあう「甘えん坊」でもあった。「いじわるばあさん」を自認し、ほしいものは「お嫁さん」。姪っ子たちには「木登り・屋根歩き」を伝授。類まれな集中力で「置き忘れ・失くし物」は数知れず。家族同然の犬・猫たちへの食事といえば……?
実の妹がありのまま綴った長谷川町子の素顔と、波瀾万丈で賑やかな昭和の家族のくらし。
文庫化にあたり「先輩たちとのお付き合い」「それからの七年」の2章を書き下ろし。
解説・江國香織
みんなの感想まとめ
家族の絆と個々の葛藤を描いた本作は、長谷川町子の妹の視点から、昭和の賑やかな家庭の様子をリアルに伝えています。町子姉は、甘えん坊でありながらも強烈な個性を持ち、母や姉たちとの関係が生き生きと描かれてい...
感想・レビュー・書評
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行動力のある家系ですばらしいが二人の姉とは生前に絶縁状態になっていることもあり複雑な心境で書かれたことだろう。面白エピソードは読んでいて楽しいが愛情たっぷりで書かれた文章とは違うので読んでいてこちらも少し複雑な心境となる。
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「家族」、それも同じ性別の妹洋子さんの目から見ての長谷川町子像。他にも語られる様々な昭和のエピソードも併せて、懐かしいような、独自の息苦しさのような、「リアル」さがあった
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サザエさんで知られる、長谷川町子の妹さん。
文藝春秋社に入社後、『姉妹社』にて長谷川作品の出版に携わり、その後は『彩古書房』で、児童心理学を中心とした、ご自分の納得のいく本を出版して来られた。
本書は、長年編集に携わってきた作者の、最初の著作。
とても初めての著作とは思えない、読みやすく、味わいもあり、品格のある文章で、末っ子の目から見た長谷川家を描かれている。
やはり家族の目から語るせいか、臨場感半端なく、皆生き生きとしている。
母、まり姉、町子姉、強烈なキャラクターである。
作者はその中でこまごまとした用事をもくもくと片付けている、という印象。
長谷川町子は、サザエさんっぽくもあるけれど、いじわるばあさんにも似ているな~
海外旅行でのバッグの置き忘れ話など、漫画を読むように面白い。
そんな、串団子3姉妹から、離れて自由に生きたい、と思ったのは50代半ば。
姉たちは彼女を許さなかった。
特にまり子姉の怒りは激しく、町子の死も作者には知らせず、最後まで手紙も突き返し、とうとう亡くなるまで和解を拒んだ。
家族というものを考えさせられる一冊でもあるが、男社会で、昭和をたくましく生き抜き、必死で働いた女たちのエネルギーあふれる書である。 -
文庫向け書き下ろしの「その後の7年」のエピソードも入っています。長谷川家の物語…ですね。筆者の洋子さんが千葉敦子さんの本を出版されていたこと、初めて知りました。
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2008年8月刊の単行本に2編を書き足して、2015年3月に文庫化。全26編。末娘の洋子さんの長谷川家と姉妹社の記録エッセイ。町子さん、マリ子さんの二人の姉とお母さまのお話が、興味深く、楽しかったです。楽しくもあるが、辛くもあるという真摯な洋子さんの語り口が良かったです。
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筆者は、サザエさんの作者・長谷川町子さんの妹。
サザエさんで描かれる昭和の原風景のような三世代同居の家庭ではなく、母と三姉妹の型破りな家庭でのあれこれ。
戦前・戦中・戦後と、なんて力強く賑やかに生き抜いてこられたことか。
還暦も近くなった頃、これまでどおり、いっしょに遊んだり助け合ったりしながらも、姉たちと別の家で自分の時間を持ちながら余生を送りたいとの彼女の思いが、姉たちに拒絶され、絶縁という形になってしまったことは、なんと言っていいのか・・・。
だけど、その後も、小さな出版社を起こし、自分の思いに沿った本を世に送り出そうとする筆者の生き方は、とても豊かなもののように思います。
とりわけ、アメリカで癌の闘病中だったフリージャーナリストの千葉敦子さんの本を出したいと感じ、全く面識もないところから依頼の手紙を送るくだりは、私もあのころ、週刊朝日で連載されていた千葉さんの闘病記を読んでいて、幼いながら、なんて大人でかっこいい女性なんだろう、と感じてただけに、印象深かったです。
洋子さんも、やりたいという気持ちに、とても素直で、強さを秘めた方なのでしょう。
近所の図書館の蔵書検索で、今はなき、彩古書房の本を見つけ、なんだか、うれしくなりました。 -
最後の章はショックだった。
年を取ってからの「怒り」と断絶は親子ではないけれど「おふくろさん」騒動を思い出す。 -
『サザエさんの東京物語』
長谷川 洋子
長谷川町子三姉妹の末っ子、洋子さんから見た姉達と母の話。(文庫本の方が加筆や後書きがある様です)
長谷川町子の『サザエさんうちあけ話』を、妹の目線で見るとこうなるのか〜!という驚きがあり、面白かった。
母を筆頭に女傑揃いで我が強い家族のヘンテコリンな癖や、屁理屈とも言える会話の応酬は、長谷川町子の家族ならでは…と笑う事しきり。大人しく常識人の様に思える著者も、女学校では、「生まれたまま大きくなったような人で真っ直ぐな気性のいわば野蛮人の様な子で、そこが美点」などと言われているので、姉達は推して知るべしである。
面白かったのは三姉妹のうち、唯一子供を授かった著者の娘達を母と姉二人がその強烈な個性でもって、溺愛する所。母は何でも買い与え、毬子姉は心配性の過保護で、誘拐を恐れてタクシーで通学させ、町子姉は、自分の幸せな子供時代を踏襲させようと、木登り、屋根登りを奨励し、子供達はお隣さんを覗いて嫌がられる(笑)実母として、早くに夫を亡くした著者の子育ての右往左往が目に浮かぶ様だ。
「有り難いけど、迷惑」「愛しているけど、距離が欲しい」何処の家庭にもあるそんな心理が、才能溢れる長谷川町子の妹であるがゆえに増幅されて行ったのも無理は無い。
母が亡くなり、新しい家を建てることになつた時、著者が二人の姉とは別に、住み慣れた家で暮らしたいと思う気持ちも、病弱で取り柄が無い妹を守り、姪も可愛がり、三姉妹の結束を信じていた姉達が、裏切られたショックも、わからないでも無い。長谷川教の信者から、脱退する様な物だったのだろう。
この辺の事情は、「打ち明け話」には無かったので驚いたが、文庫と内容が違うのか、毬子姉が死ぬまで続いた確執はここには書かれず、サラッと姉妹間に溝が出来た、と語られている。
同じ出来事が、置かれた立場によって違う表情を見せる事を、姉妹であるからこそ見え過ぎてしまう、理解出来ない事も有るとこの本は感じさせてくれる。
読了して、ふと思ったのは、長谷川町子にとって生まれ故郷の福岡だけが、心安らぐ幸せな場所であり、東京山の手のサラリーマン家庭をあれほど上手に描けたのは、実は町子の東京コンプレックスの裏返しで、冷めた目で都会の小市民を見ていたからかも知れないと言うことだった。考え過ぎかも知れないが… -
季刊誌『考える人』の、この冬号の「家族ってなんだ?」特集や、その後ミシマ社のサイトで読んだ編集長インタビュー※がおもしろかったので、以来「考える人」メールマガジンに登録。
メルマガは週に1度で、こないだは『サザエさんの東京物語』が紹介されていて、おもしろそう!読みたい!と思ったら、文庫になったばかりのようで、午後になって本屋へ行って買う。そして、日が暮れるまでに読んでしまった。
これは、サザエさんやらいじわるばあさんを描いた長谷川町子の実妹・長谷川洋子さんが"姉の素顔"、家族の中での町子のことを書いた本。著者は文庫版あとがきで、「私の見た町子像も、妹という限られた立場から見た町子の一面にすぎないこと」(p.222)をことわっている。
長谷川町子は極端な人見知りで知られたというが、それは一家で上京したあとのカルチャーショックがあまりに大きかったのかもしれない。うまれ故郷・福岡での小学校時代、町子の「悪童」ぶりがスゴすぎて、読みながらあちこちで笑ってしまう。帰ってきた同居人に読んで聞かせても笑っていた。
おもしろくて、そして3姉妹の「末妹」が書いたところに、3姉妹の「姉」の私はあれこれと妹のココロを想像し、姉たちの胸のうちを想像しながら、寝るまでにもう1周読む。
姉ちゃんたちが「串だんご」と称した3姉妹は、妹の遅い"自立"で溝ができ、歩いて10分くらいのところに住んでいたのに、以来、姉たちは妹を"許さなかった"らしい。死ぬまで妹と会わず、手紙さえ開封せずに送り返してきたという。
姉たちは、妹が自分の思うように生きたいということの、何が気に入らなかったのだろう。それから死ぬまで会わずに通すほどの怒り(?)は何なんやろう… と、「姉」の私はしばし考えてみたけど、よくわからなかった。
この本を書いた「妹」は、「大学なんてやめてボクの社に来なさい」(p.46)という菊池寛の一言で、大学を途中でやめて文藝春秋へ入っている。もしかして石井桃子と時期が重なってる?と思って石井桃子の評伝の年譜をみたら、数年ズレていた。とはいえ、この頃の文春は、一介の女子大生にも心を配り、入ったばかりの新入り女性に仕事を与えるなど、菊池の度量の大きさがひかる。
そして、姉妹たちの「母」がスゴイ。35才で夫に死なれ、その後、上京して娘たちを育て、戦中に福岡に疎開するも、戦後には再び上京して「姉妹社」(サザエさんの本などを出した会社)をつくったり。娘たちには、毛利元就の三本の矢の話で説教し、「姉妹社という粟粒のような存在でも、三人が心を一つにして邁進すれば、社会に立ち向かうことが必ずできる」(p.67)と熱弁をふるったという。
この母の熱弁については、こう続く。
▼母がいう社会とは、背広を着てネクタイをしめている集団のようで、男社会の中で女性がいかに不利かということを身をもって実感した母らしく、言葉のはしばしにそれが強調された。その影響で、娘達には男性、即、敵という観念が培われたような気がする。(p.67)
この女性たちは、町子が1920(大正9)年うまれ、その姉が一つ上で、妹である著者が1925(大正14)年うまれ、母上はおそらく明治30年頃(1897年頃)のうまれのようで、男社会の中での苦労は、いまよりもずっとずっと大きかったことだろう。
一方で、著者が女子大の数専科へ行きたいとがんばったとき、町子姉はなぜかものすごく反対したらしい。「ダメよ数学なんて、お嫁のもらい手がなくなるわよ」「国文科にしなさい。国文科。女らしくていいじゃない」(p.43)と言い、最後には「大体ね、理数系なんて女がやるものじゃないのよ、元々、男性とは頭の構造が違うんだから」(p.44)とまで言って、大手をひろげて通せんぼせんとする迫力だったと。
小学校時代には男の子との喧嘩も辞さず、ギュウという目にあわせたのが町子だというが、なぜに妹に対しては「女らしさ」だの「嫁のもらい手」だの「頭の構造が違う」などと言ったのだろう?
町子の仕事のあまりの忙しさに、健康を案じて、家族は何かにつけて「こんなしんどい仕事は、もうやめたら」(p.222)と頼んでいた。だが、あるとき町子が「でもね、いい作品ができたときの嬉しさや満足感は、あなた達の誰にもわからないと思うわ」(p.222)と語るのを聞いて以来、著者は口をはさむのをやめたそうだ。
これが作家というものだろうか。
妹の綴った物語を読んだあと、町子自身が書いた"自伝"(かつての朝ドラ「マー姉ちゃん」の原作になったもの)があると知って、その『サザエさんうちあけ話』を図書館で借りてきて読んでみた。
町子の自伝を読んでみても、こんなに仲良くやってきた姉妹の関係を、なぜ姉達は切ったのだろうと、それがやはり気になる。
(3/26了)
※『考える人』編集長・河野通和さんインタビュー(ミシマガジン)
http://www.mishimaga.com/special01/065.html
http://www.mishimaga.com/special01/066.html
http://www.mishimaga.com/special01/067.html -
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単行本は2008年、文庫版は2015年刊。長谷川3姉妹の三女・洋子が語る長谷川一家の物語。(書名はミスガイド。「サザエさん」の物語ではないし、舞台も「東京」だけではない。)
長女まり子は1917年、次女町子は20年、三女洋子は25年生まれ。1933年、福岡に住んでいた時に父親が死去。翌年、母親は3姉妹を連れて上京する。その名プロデューサーぶりが凄い。まり子を画家の藤島武二に、町子を「のらくろ」の田河水泡に弟子入りさせ(町子は14歳)、のちには洋子を文藝春秋の菊池寛に弟子入りさせるのだから(洋子18歳)。町子の漫画が出てからは、その漫画本を売るために、出版社も立ち上げた。その押しの強さ、まさに肝っ玉母さん。
町子は漫画一筋で、結婚することはなかった。洋子とは同じ敷地内に住み、洋子の娘たちを我が子のように可愛がった。そうした家族のエピソードが中半を占める。
しかし、最後の最後でトーンが一変(文庫版は11ページの追加があり、どんでん返しの印象)。80年代半ばに、洋子はまり子・町子と仲違いするのだ。理由ははっきりとは書かれていない。なんだか梯子をはずされたような、微妙な読後感。 -
長谷川町子はとてつもない才能のマンガ家だったが、その妹、長谷川洋子もとてつもない魅力的な文章をこの本で書き上げている。
妹から見た長谷川町子の今まで知らなかった話しが随所に散りばめられている。
時々ハッとさせられる文に出会う。
長谷川洋子という凄い人が最初で最後の本を書いた。サザエさんが好きなら読んで欲しい本。 -
妹から見た、町子姉や家族についてのエッセイ。
えっと思うような、激しいエピソードが多い。
しかも、子供のころはそうだった……ではなく、大人になってからも変わらず。
町子姉に加えて、まり子姉と母も、おなじように強烈で、おどろきのエピソード満載だった。
特に、若くして夫を亡くし、女4人の一家を引っ張っていった、母のたくましさは、時代を考えると驚異的。 -
長谷川家の日常における小話がたくさん読めて楽しい。
しかし妹の洋子さんが出版社を立ち上げ、
我がバイブル「ニューヨークの24時間(千葉敦子)」を手掛けられたとは驚いた。 -
サザエさんの作者長谷川町子の妹が語る、三姉妹と母の日常。
戦争に向かう日本で50歳前後の働き盛りで亡くなった父の無念。
残された母の果断な行動力。
姉妹3人は「串だんご」のように結束して母のもとで生き抜いてゆく・・・ -
清水ミチコがすすめていたので。マー姉ちゃん見直したい。
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サザエさんやいじわるばあさんを書いた長谷川町子さんの妹、洋子さんの視点から見た家族のことが書かれている。長谷川町子さん、結構強いキャラだったんだなー。
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長谷川洋子の作品
