スーパーカー誕生 (文春文庫 さ 66-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.43
  • (2)
  • (1)
  • (2)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (670ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167904982

作品紹介・あらすじ

夢のスポーツカー誕生までの長い長い物語ランボルギーニ・ミウラに始まり時速400㎞/hの壁を破ったブガッティ・ヴェイロンまで、速く美しいスーパーカーの歴史をたどる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  スーパーカーの歴史を俯瞰する。

     ランボルギーニ、フェラーリ、デ・トマソ、マセラティ、ランチャ、ブガッティ、パガーニ スーパーカー文化の中心はやはりイタリアですね。雑誌やTVで目にする希少な車の歴史が伺えます。

     同時に夢破れ退場を余儀なくされたメーカーの無念と情熱の残り香を感じます。

     内容は、エポックメイキングな各メーカーのミドシップ車をエンジンやシャシーの構造や革新な技術をダ・ダ・ダっと、マシンガンのごとく乱射し恐らく殆どの読書は置いてけぼりでは無いでしょうか。
     しかしながら、スーパーカーの推移や何となくのミドシップについての知見は養えました。

     また、カタカナ英語の乱発やその省略形が多く読み難いです。技術的な用語や装置については問題無いですが普通の言葉を伝えるのに敢えてカタカナにするって、、著者は普段使いの言葉なのでしょうが著作して商行為をするのだから買い手である読書への配慮を行った書き方をするべきでは無いかなと思います。


  • (レコードの)ジャケ買いならぬタイトル借りした本だが、いやあ読み終えるのに難儀した。昔憧れたスーパーカーだから、もっと一気加勢に読めるかと思ったら、物凄く緻密な技術論、なにせ「何故この設計にしたのか?」を当時のランボやフェラーリのエンジニアに突撃インタビューして来たという本なのである。
    しかし、小学生当時に最高速の壁と考えていた時速300kmが今や400kmの壁を超え、本書刊行後に登場したブガッティ・シロンでは、最高速時速300マイル超えの490.48kmを記録したというのは、人間の飽くなき探究心の賜物といえば聞こえが良いが、満たされるところを知らぬ欲望のなるところなのだな。

    「#スーパーカー誕生」(文春文庫、沢村慎太郎著)
    Day202

    https://amzn.to/3fVgIwe

  • 初のミドシップは1921年 Rumpler OA 104 Tropfenwagen。
    前席1座+後席2座+W6エンジンの乗用車。ベンツが特許を買い、RH Tropfenwagenとなる。その後、Autounion P Wagenが成功し、Alfaromeo Tipo512,163と続く。2座車ではPorsche 550。

    1962年に3つのロードカーが誕生。
    ・De Tomaso Vallelunga 初のバックボーンフレーム+FRP。
    ・フェラーリをクビになったエンジニアによるATS 2500GT。
     ラダーフレーム+鋼板。
    ・フランスのRene Bonnrt Djet。バックボーンフレーム+FRP。
    アメリカからは同じ年にプロトタイプとして、
    ・Ford Mustang Ⅰ
    ・Chevrolet Corvair Monza GT

    1965年 Lamborghini Miura 横置V12DOHC
     ガンディーニ デザイン。
     設計者ダラーラは公道を走るGT40を造ろうとした。
     レイアウト発想の種はミニ。

    Countach LP400
     複雑精緻な鋼管フレーム+アルミ外皮
     リアセクションの高いねじり剛性
     逆向き縦置きV12、リアクオータのラジエター、
     前寄りの着座位置でも乗り降りしやすいドア、
     リアの荷物置き場と優れたパッケージ設計。
     欠点は重心高とボディ形状による高速時のリフト。
     風洞実験はアウトストラーダ。
     Cdは検分できるがCLは難しい。
     スタイリングとエンジニアリングの強烈なインパクトを最優先し、ネガには目をつぶった機械。
     それがスーパーカー。
     
    365GT/4BB
     1.F1と同じ180度V12
     2.ショートホイールベース
     3.広いキャビン 
     をエンツォの指示で厳守。
     2階建てパワートレインとモジュラー設計で克服。
     重心の高さと剛性不足が欠点。
     レースやF1の栄光イメージを走りよりも優先。

    Stratos
     カウンタックを進化させたガンディーニのデザイン。
     超ショートホイールベース。
     現代的な起こしたドライビングポジション。
     F360でやっと追いついた高いねじり剛性。
     一流ラリードライバーによる実践による走行テスト。

    M1
     ツーリングカー選手権で勝つために作られた。

     開発はランボルギーニ。
     経営不振により発売が遅れた。
     低い搭載位置に縦置直6 3.5L、
     ガソリンタンクは120L。居住性よりも性能。
     
    288GTO、F40
     グループB参戦のため308GTBをベースにした
     V8 3L IHI製ツインターボ 縦置きミドシップ。
     F40は複合素材で軽量化されたが依然低い車体剛性。

    348tb
     FIAT出身チームによる
     縦置きV8、横置きミッションbtのtはtransversale
     鋼板モノコックによる剛性アップ。
     ガソリンタンクはシート後ろ。
     残された欠点はサス取付部剛性不足とボディ重量。

    Diablo、EB110
     カウンタックの後継。
     新V12 5.7Lエンジンとミッションにより
     搭載位置低下、角型鋼管フレーム。フルタイム4WD。
     E110は異母兄弟。
     カウンタックを設計したスタンツァーニの企画。
     クワッドターボ化、ドライサンプ化で搭載高を低下
     アルミハニカムモノコック、プルロッドサス。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1962年東京都台東区生まれ。生家は浅草で和菓子屋を営み、子供のころから職人の仕事を間近に見ながら育つ。早稲田大学第一文学部(美術史学)を卒業後、編集仕事を経て独立し、自動車評論家となる。抜きんでた機械設計の分析力を核に、理論派として鋭い設計評価を行うほか、試乗テスト時には、常にエアゲージや巻尺などをはじめとする7つ道具を持参する実証派でもある。クルマの運動性能とその構成要素に関する分析力では定評があり、自動車専門誌各誌に辛口の評論を展開している。また、内外問わずクルマに関する多数の書物を収集し、特にミドシップについては、長い年月をかけて過去に生産された全ての市販車や発表済みプロトタイプカーのデータを独自のフォーマットに落とし込み、比較分析するという地道な研究家の一面も持つ。近年ではグッドデザイン賞の選考委員を務めるなど、さらに活躍の幅を広げている。著書には『巨匠が愛したフェラーリ女優が恋したモーガン』(三栄書房刊)、『スーパーカー誕生』(弊社刊)、『午前零時の自動車評論』シリーズ(弊社刊)、『自動車小説』(弊社刊)、『自動車問答』(弊社刊)など。

「2020年 『午前零時の自動車評論18』 で使われていた紹介文から引用しています。」

沢村慎太朗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×