カウントダウン・メルトダウン 下 (文春文庫 ふ 42-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (588ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167905378

感想・レビュー・書評

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  • コロナも振り返りを

  • 『カウントダウン・メルトダウン(上)』のレビュー

    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4167905361

  • 上巻が刻一刻と過酷になっていくのに対して、下巻はアメリカからの視点も混じり、客観的で収束の見られる展開。
    まあ、後からならば何とでも言えるけれど。

    菅元首相に対して、筆者は不幸であり僥倖であったと述べている。自民党政権下であれば、きっと出来なかった決断があるだろう、と。
    しかし、現在の民主党の状況を見る限り、福島第一原発をめぐる、このトラウマは非常に強く国民の心に根付いているのではないかと思う。
    冷静さを失ったリーダーと、傍らで淡々と演説をぶつ枝野さんの姿が今も残っている。
    あの時、福島から遠く離れた地にいる私でさえも、スマホを手放せず、新たな情報が流れてくることを固唾を飲んで待っていた。
    日本は終わってしまうんじゃないか、と真夜中、考えた人はきっと少なくないはずだ。

    だからこそ、原発という一企業の明暗に、これからも信頼を置くつもりである「多数」の方々の思いが分からないでいる。

    もう一つ。吉田所長のことも、忘れられない。
    彼を安易にヒーロー化するべきではないにせよ、彼の存在は非常に大きかったことが分かる。
    吉田所長にそこまでの忍耐力と、正義感、判断力がなければ、それこそ、日本は終わっていた。
    同時に、増田所長の存在も。決して楽観視出来ない状況であったことが書かれているが、当時のニュースはほとんどがF1のことばかりであった。

    フクシマ関係の書籍を、定期的に読むべきだ。
    原子力がある以上、100パーセントの安全はないのだから。

  • 上巻だけでも、充分

  • 福島第一原発事故でメルトダウンが起きた原因や経緯について、関係者への取材や資料・回想録を元に綴ったドキュメントの下巻(2016/01/10発行)。

    福島第一原発事故への対応については、アメリカでも情報不足のため混乱を極め、在日アメリカ軍と国務省の対立もあり、非常に緊迫した状況にあったことを本書で初めて知りました。

    上巻を読んだ時にも思いましたが、東京電力も含めた行政官庁(官僚)の対応は一体なんなのでしょう... 東日本を失う恐れすらある中で、致命的になりかねない事を繰り返した挙げ句、責任を回避し合っているようにしか見えないやり取りには呆れ返るばかりです。

  • 福島第一原発事故に深く斬り込んだノンフィクション。

    福島第一原発事故は現在進行形であり、未だに最悪のシナリオは続いている。

    結局のところ、原発はブレーキの無い自動車を制限速度超過で乗り回すようなものであり、危機管理能力やインテリジェンスを全く備えていなかった東電、政府が被害をより深刻化させたのだということが良く解る。

  • 【未曽有の原発事故が問う日本という国の形】福島第一原発事故の調査をプロデュ―スした著者。さらなる取材を敢行、明らかになった驚愕の真実とは。第44回大宅賞受賞作。

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著者プロフィール

一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ理事長。1944年北京生まれ。法学博士。東京大学教養学部卒業後、朝日新聞社入社。同社北京特派員、ワシントン特派員、アメリカ総局長等を経て、2007年から2010年12月まで朝日新聞社主筆。2011年9月に独立系シンクタンク「日本再建イニシアティブ」(RJIF)設立。福島第一原発事故を独自に検証する「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」を設立。『カウントダウン・メルトダウン』(文藝春秋)では大宅壮一ノンフィクション賞受賞。

「2021年 『こども地政学 なぜ地政学が必要なのかがわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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