赤い博物館 (文春文庫 お 68-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911379

作品紹介・あらすじ

超ハイレベルで奇想天外、予測不能なトリック駆使の本格ミステリ!警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長・緋色冴子はコミュニケーション能力は皆無だが、ずば抜けた推理力を持つ美女。そんな冴子の手足となって捜査を行うのは、部下の寺田聡。加古の事件の遺留品や資料を元に、難事件に挑む二人が立ち向かった先は――。予測不能なトリック駆使、著者渾身の最高傑作! TVドラマ原作「読者に対して手がかりを堂々と提示しながらも真相を当てさせない」という難題を見事にクリアしている。 ――飯城勇三「解説」より◎目次パンの身代金復讐日記死が共犯者を別つまで炎死に至る問い

感想・レビュー・書評

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  • 警視庁付属犯罪資料館、通称「赤い博物館」の館長である緋色冴子が、部下の寺田聡とともに過去の事件の遺留品や資料を元に未解決で難解な事件を解決する。

    この作家さんは、初読み。

    かなり高度なミステリであり、難解過ぎる。
    ハイレベルである。
    全5話あるのだが、どれも分からずにギブ状態。
    予測不能なトリックに頭がついていけないのだが、頭を使うことが少なくなったせいか…年齢のせいか…。

    「炎」と「死に至る問い」の2話は、家族に纏わる事件なので、なんともやりきれない気持ちが残った。

    今回は、文庫化されて手に取ったのだが、ハードカバーは知らなくて、2016年と2017年にテレビドラマ化されていたのも知らなかった。
    原作と脚本とでは、少し違うのかもしれないが、知らなかったので残念だ。

    クールで論理的な冴子の推理には、惚れ惚れする。
    シリーズの継続を望みたい。

  • 視点人物となる聡は、捜査資料を現場に置き忘れるという重大な失態を犯し、「犯罪資料館」への異動を命じられる所から始まる。

    そこに館長として、謎めいた美女、緋色冴子が登場する。(大体、こういう施設にいるのって、ちょっとエキセントリックな美女なんだよな。)

    捜査員として有能?な聡と、彼から得た情報を元に冴子が未解決事件を「再捜査」していく、というのがあらすじ。

    短編で五つの事件が入っているのだけど、どれもストーリーとして面白い。
    読み終えてから、もう一度最初の事件から振り返った時にちゃんと筋書きが頭に残っていた。
    ただ、冴子の推理力が、ちょっと桁外れで、なんとなく犯人は家族の中にいたんだろうなーとは思うのだけど、その背景の切り込み方が特殊すぎて、(よくそんな筋書きに至ったなぁ)と感心する(笑)

    まぁ、悩みも間違いもなく進んでいくものだから、余計にそう思うのかもしれない。

    こういうミステリーで楽しみなのは、レギュラーメンバーの関係性。
    まだまだ、進展の余地がありそう。

  • 犯罪の証拠品などを保管する犯罪資料館を舞台に、捜査資料や残された証拠品から事件を紐解くミステリー。そういう設定なので古い事件を取り扱うことが多く、いわゆるコールドケースのような感じ。
    解説にも書かれていますが、本格ミステリーとしての塩梅はとてもいい感じ。短編集なので無駄がそぎ落とされていて、純度の高いミステリーです。

  • 解決した事件や未解決で時効を迎えた事件の捜査資料が集まる赤い博物館。そこにある資料を基に再捜査をして隠された真相に迫る連作短編。短編ということもあって結論ありきな印象を受けるところもあったけど、少ない証拠から推論を重ねて解決に導く推理は見事だった。

  • 一話目のパンの身代金がなかなか頭に入らなくて
    手こずりました。後の話は面白かったです。

  • これの二作目の帯を有栖川有栖さんが書いていて、絶賛していたので買ってみたが意外な展開とあっと驚かせたいという意図が見え隠れして突飛な設定も多くあまり楽しめなかった。
    ミステリーはたくさん読んでいる方だけれど…
    もちろん、あくまで小説はフィクションだからフィクションでいいのだけれど、「そりゃできなくないだろうけど成立するのは奇跡すぎない?」というトリックが多くて、あまりにリアリティーにかける設定で、それだと私はしらけてしまうのだなと感じた。

    キャラクターも謎めいていて魅力的なところはあるけれどトリックの荒唐無稽さを補うにはやや力不足かなぁ。

    2作目は読まないことを決定したのでブクログの読みたい!からも削除した。

  • ドラマにもなったのね、誰が演じたのかちょっと気になる。謎解きの鍵は全部出てくるから解けそうなもんなんだけど、考えるより先にページ捲っちゃうんだよなー

  • 良いミステリーでした。

  • イギリスのブラックミュージアムの日本版という設定で興味深かったです。
    日本には実在しないようですが、京橋にある警察博物館が近いのかも?
    赤い、とは血に濡れた…等々物騒なイメージをしていましたが、赤レンガの建物であることが由来でした!

    論理的でフェアプレイな推理ものですがライトなかんじで読みやすいです

  • 第2篇辺りから自分でも負けじと推理するのだが、本質から外れてしまう。部下の寺田聡と自分が重なる。本当は館長かの緋色冴子並みに推理し本質を見抜きたいのだが。でも読んでいるうち、寺田と同様、当たり前でない推理に走るようになった。これも成長かも。読者を本気にさせるから面白い。

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著者プロフィール

1971年、埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。サークル在籍中は「犯人当て」の名手として知られた。2004年、『アルファベット・パズラーズ』でデビュー。13年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。18年刊行『アリバイ崩し承ります』は「2019本格ミステリ・ベスト10」国内ランキング第1位に、20年には連続ドラマ化され、大きな反響を呼ぶ。著書に『仮面幻双曲』『赤い博物館』『ワトソン力』『記憶の中の誘拐 赤い博物館』、訳書にエドマンド・クリスピン『永久の別れのために』、ニコラス・ブレイク『死の殻』がある。

「2022年 『時計屋探偵の冒険 アリバイ崩し承ります2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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