リップヴァンウィンクルの花嫁 (文春文庫 い 103-1)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167911577

感想・レビュー・書評

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  • どこか他人軸で生きている主人公が、人生を自分の選択で切り拓いていく。どんどん感情を表にだし、人間らしく成長する。

  • 感想が難しい。

    読んでいる間、何が本当で何がうそか、よくわからなくなっていった。現実もこんな虚構なのかもしれないと思うと、ぞっとした。

    そんな中でも真白と出会い救われる。でも、真白も嘘をついていて、でもそれは七海が救われる嘘で、って、もうわけがわからん!でも、真白に出会う前の七海の嘘だらけの人生が苦しかったから、なんかちょっと救われた。

    結局、安室の存在がよくわからなかった。喪黒福造的な存在なのかしら。映画、見てみたいと思う。嘘に疲れるから、もう少し経ってからだけど。

  • 映画を見て、この物語がずっと忘れられなかった。図書館で偶然小説に出会った。

    正直ハッピーエンドかわたしには分からない。けど、だけど、七海の人生はハッピーエンドで終わるだろうなという確信はある

  • 嘘によって身を滅ぼす人もいれば、救われる人もいるし、身を滅ぼす時もあれば、救われる時もある。

  • 一気読み。
    すごいな、あらすじなんかつけられないよ。奇想天外。
    人生って思わぬところに嘘が潜んでいて、簡単に貶められてしまう。儚くて刹那的で。そんな一瞬を愛や希望と呼んでいる。
    それをどう思えるかなんだろうけど、もしもそれを幸福と思えるのなら、本当に「世界は幸せだらけ」なんだろうな。

  • 静かで妖しい、闇夜のような魔力を持った物語だった。
    突拍子もない方向に話が進んで、主人公の七海も流されていきつつも、ぎりぎりのバランスで保たれる。人間は、なんと寂しくて儚くて強くて美しいのか。

    今や重要なコミュニケーションツールのひとつだと理解しているものの、私自身はSNSが怖くて嫌いだ。
    それは嘘だから。虚構だから。
    でも、そうした嘘の仮面の向こう側に、本当があるんだと感じた。みんなどうにかして繋がりたいんだ。触れたいんだ。

  • 嘘の親戚を呼んで結婚式を挙げる。他人の結婚式で嘘の家族を演じる。二人でウェディングドレスを着て嘘の結婚式を行う。数え切れない嘘の中で指の隙間から零れるように本音が呟かれて素顔が見える時が有る。現実は無数の本当でないことでできているのに七海は余りに無防備だ。だからこそ真白は一緒に死にたがったのだろうけれど。生きることは淋しい。優しい嘘を信じていないと狂ってしまいそうだ。

  • 全体的に「静」なんだけど、ところどころ「動」がどかんとくる。劇的な出来事が起こるわけではないが、感情がグッと揺さぶられる感じ。

    そして絶妙なシュール加減が癖になる。結婚式のアルバイトはとっても魅力的でそそられるよね。

    この作品に出てくる登場人物たちはすごく強くて逞しいと思った。主人公はこのあとどんな人生を歩んでいくのかな。勝手に想像してわくわくしてしまった。

  • どうか私をあなたのところへ連れて行って下さい。焼けて死んでもかまいません。

  • 3年前に本作の映画の虜になり、YouTubeで再び観たがまたもや気になり、小説版を買ってみた。
    映画では省略されている、宮沢賢治の一節の抜粋や、真白と真白のマネージャーの経緯が描かれていた。
    頭の中で映画を再生しながら読んでも相違がほとんどないような内容だった。
    各章が10ページほどで区切られており、ストーリーを都度整理して読むことができた。

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著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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