- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784195978221
感想・レビュー・書評
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予備知識がなければ、活字版「空手バカ一代」という印象。
だが「空手バカ一代」より早い、1968年の発表。
エピソードの数々は、空バカ読者にも馴染みが深いものが多い。
ただ意外なのは、劇画では別人(例えば、芦原英幸)の出来事として描かれている幾つかは、大山倍達のエピソードだということ。
そして、情熱的な夜の秘め事が挙げられる。
梶原一騎の原作との違いを見つけるのも、愉しみのひとつと言えよう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
KKベストセラーズの豆本版と同じタイトルだが、「世界ケンカ旅行」の徳間文庫版で、豆本版では無い。
写真が増えた他は、挿絵も以前の物を使っている。 また巻末には大山倍達の弟子、平岡正明が解説を書いている。
現在でも割と書店で見かける。 -
「空手の父」、大山倍達氏が山籠りから出て、世に空手を広めるため、空手が世界最強の格闘技であることを証明するために世界中を旅した時の思い出話である。
時代は戦後まもなくの1952年から60年頃まで(だと思う)。日本人が今のように自由に海外へ渡航できない時代に、空手の伝道師として北米、南米、アジア、そしてヨーロッパと縦横無尽である。
プロレス(アメリカ)、短剣使い(ブラジル)、拳法家(香港)、キックボクシング(タイ)、棒術師(イラン)など、様々な格闘家と対戦する様は、もう完全に劇画の世界である。(おまけに対戦後には美女との○×●△が待っていたりまでする…(^_^;))
話自体が真実なのかどうかは分からないが、いかにも胡散臭い感じがプンプンしていて、それがかえってこの作品にある種の「味わい」を醸し出していると思う。
格闘技が好きとか嫌いとか、空手をしっているとかいないとか関係なく、「空手バカ一代」氏らしいバカっぽさも、ほのかに漂っていて、楽しい作品だと思う。