- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198615123
感想・レビュー・書評
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創業者の引退と身勝手な復帰。一世を風靡したカリスマと空気が読めなくなった元カリスマ。
それを止められない後継者。優しさと責任感に溢れていたのだろう。気の毒としか言えないが、普通のサラリーマン人生では味わえない充実感もあったのかもしれない。
そう思うとある意味似た者同士だったのか。
興行に関する収支がここまで語られた本もなかったような気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
プロレスの興行の内幕がわかる、悲しい本。
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「涙のカリスマ」だったころ
大仁田のファイトスタイルは「いじめられっ子の逆襲」であった
大仁田最大の武器はしぶとさで
地雷原に落とされても、有刺鉄線に投げ込まれても
電流爆破をあびせられても、彼は立ち上がった
そして、対戦相手を同じトラップに引きずり込む
同じ目にあわされながら、それによって思わぬ大ダメージを受けた相手は
余勢をかって繰り出される大技にフォールを奪われるのだった
そんな大仁田であるから、戦いのテーマはいつもヒューマンだった
リングの四方に仕掛けられた時限爆弾が火柱をあげるとき
彼はいつも対戦相手におおいかぶさって
これを爆炎から守るのであった
「いじめられっ子は人の痛みを知っている」というわけだ
邪道だなんだと言われていたが実際、神がかり的なところのあるレスラーで
多くの信者を獲得していたらしい
しかしまあ
今のファンなら誰もが知る通り、プロレスというのは決まりごとの世界である
荒井昌一さんは、一度は引退した大仁田のあとを受けて
FMWの社長に就任した、元リングアナウンサー
創業者のわがままと、リング上の選手たちとのあいだで板挟みになり
たいへん苦労したという
それでも頑張っていられたのは、まあ
大仁田の掲げたヒューマニズム、物語を信じていたからであろう
しかし、人間を信じぬくことは…… -
ひとことで言うと大仁田厚に対する恨み節。著者の惚れた弱みというのもわかるが、人が良すぎていらいらするのと、とにかく大仁田のがめつさ、エゴイストぶりが徹底して描かれていて、なるほど政治家になるような人間はこんなのなんだなと思わせる。
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インディーの中では、群を抜いて規模の大きかったFMWでも巡業するにあたって自転車操業なんだと驚いた。また中途半端に大きいインディー団体だからこそ、プロモーター等に売上金を持ち逃げされたりとビジネスパートナーにも恵まれなく、その被害額も致命傷になる悪循環。良くも悪くも90年代のインディーを象徴したような団体。
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大仁田厚の邪道人間性がよく分かる。
この本を出版した後即自殺した社長リングアナウンサーの人が良すぎる気弱の性格も問題だがそれにつけ込む大仁田厚は酷い。
完全ノンフィクションでしょう。