- Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198639075
作品紹介・あらすじ
人生を彩る昭和の名曲・有名曲から平成のヒット曲まで。業界のリーディングカンパニーが歌謡の歴史とヒットの秘訣を交えて徹底解剖!
ラジオを電波ジャック!徳間ナイトニッポン/あの名曲が実はB面だった!/昭和に隆盛を迎えた「企画もの」ヒット曲のなぞ。
スタジオジブリ代表取締役プロデューサー・鈴木敏夫と徳間ジャパンコミュニケーションズ社長・篠木雅博との特別対談収録。サブカルチャー好きにも垂涎の一冊!
感想・レビュー・書評
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懐メロシリーズで目をひくタイトルの本を読む。
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徳間ジャパンコミュニケーションズの社史を踏まえつつ歌謡曲の歴史(=昭和史)を振り返るという本編も面白かったけど、近田春夫とのオールナイトニッポンを文字起こしした章がとにかく面白かった。
日本人のリズム感については細野晴臣がYMO初期に考えていたこと(「おっさんのリズム」)と同じだし、かまやつひろしも同じ意味のことを言っていたので、ある種真理なのだろうな。
以下、抜き書き。
<blockquote>近田;日本人は決してリズムが苦手なんじゃなくて、日本人のリズム感というのは一拍子なんです。どういうことかというと、叩くのは頭のところだけ。あとは全部余韻なんですよね。言ってみれば、サンプリングした音で頭をトリガするのと同じことなんです。アタマだけあってるから、ある意味日本人のリズム感は、DJが曲を合わせるときに近いかもしれないですね。
篠木:なるほど、分かりやすいです。そうかもしれない。
アタマのところだけ合っていれば、語尾のところは都合によって長くなっても短くなっても、生理的にそんなに不自然に感じなんいです、大抵の場合は。
篠木:確かに言語的にも、ある種余韻で短くしようが長くしようが、意味が通じやすいんですよね。小泉先生も確かそう書いてらっしゃいました。(やさしい)と言っても(やさし〜い〜)と言っても、意味は通じる。そういう言語なんですね。
近田:あと、母音の部分のニュアンスに、非常に日本語の魅力があるんです。だから、昔の演歌は母音の部分が多いんですよ。そこで拳を回したり、その母音の部分て、言葉そのものの意味じゃないわけですもんね。(P.022)
</blockquote>
<blockquote>エンターテイメントの本流として存在した歌謡曲のメインストリームで活躍するスターやアイドルたちの陰には、数多くの予備軍が控えており、周りには累々たる数の屍が横たわっています。また、敗れても敗れても栄光を目指し続けるもの、落ちこぼれ、ハミ出しもの、アウトローなども周辺に存在しています。
激しい生存競争の勝者たちだけが活躍できる音楽業界ですが、それでも時にはメインストリームとは異なる地点、サブカルチャーやアンダーグランドの側から、思わぬヒット曲が生まれて脚光を浴びることがあります。そこについてまわる意外性、物珍しさや違和感が、結果的に"企画物"という括り方につながっていくのです。
</blockquote>