勝つ戦略負ける戦略: 東郷平八郎と山本五十六 (徳間文庫 お 13-15)
- 徳間書店 (1997年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198907143
感想・レビュー・書評
-
日露戦争における東郷平八郎の連合艦隊司令部と、太平洋戦争における山本五十六の連合艦隊司令部とを、それぞれ「戦わずしてすでに勝てる者」と「戦わずしてすでに敗れる者」として対比している。
こういう対比ものの弊害としての単純化、他の要因の排除、都合のいいエピソードのピックアップなどはあるのだろうし、個人的にも、著者の意見に全て同意するわけではない(連合艦隊司令長官という職において、勝てないと主張することに職を賭すべきか)のだが、なるほどと思わされるところ(勝つための長官抜擢か、テロから逃れるための就任か、など)も多かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日露戦争に勝った東郷平八郎をはじめとする司令部と、太平洋戦争に負けた山本五十六率いる司令部を比較した一冊。
山本率いる司令部は、まさに大企業病‼危機感のない上層部、成果の為の意味のない(もしくは有害な)仕事、自分に都合の良い人を優遇する不平等な人事評価に、相手を過小評価して安心する傾向、これは今の大企業で多く見られる現象に酷似していると思う。
企業なら大企業病にかかった会社は潰れればいいけど、軍隊の大企業病化は怖い。平時では存続し続け、いざ戦争で大量の被害を出すことになる…。
少なくとも今の日本政府は立派な大企業病に罹患していると思うので、今の日本が戦争をやることだけは、避けて欲しいと思いました。 -
4198907145 248p 1997・7・15 初刷