捜査一課係長 柳原明日香: 警視庁心理捜査官 (徳間文庫 く 15-8)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198937508

作品紹介・あらすじ

高級住宅地田園調布の公園で死体が発見された。項垂れてベンチに座っているように見えた男の首は斬りおとされ、膝の上に載せられていた。その口には警察手帳を咥えさせられていた。被害者は元田園調布署でいまは公安に所属する現役の警察官だった。捜査一課係長で特殊犯第五課の柳原明日香は捜査本部が仕立てたプロファイラーの見解に納得がいかず、多摩中央署に飛ばされていた吉村爽子を特別招集する。爽子の分析により浮かび上がった意外な犯人像…!

感想・レビュー・書評

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  • 去年の春に「警視庁心理捜査官」の新作が出ていて、とっさに購入してしまったが、前作までの間に柳原明日香を主人公とした作品が2作出ていたことを知らずに、探して、やっと手に入れた柳原明日香の2作目。
    前作で公安を出た明日香だったが、捜査一課に異動になり、田園調布で発見された首を切断された現役の警察官の殺人事件の担当となる。
    惨殺であること、また同じ警官殺しであることから、警視庁は全力で捜査に当たるが、犯人に繋がる証拠は何一つ挙がらず…
    そこで明日香は所轄に異動になっていた爽子に、特別に捜査本部に参加してもらうよう上に要請。
    爽子のプロファイリングにより、捜査の局面は大きく変わり、無事に解決する。
    と、とんでもなく無駄のない展開で、警察官が首を切られた状態で殺されいても、200ページほどで収まってしまう。
    しかも、行間もたっぷり取ってあるから、1時間もあれば読み終わってしまう。
    変なしがらみも一切描かれず、警察小説の無駄な部分をそぎ落としたら、こんなもんなのかなぁ?という感じ。
    このシリーズ自体は、もう10年以上前に描かれたもので、爽子がなぜ所轄に異動になったのかも、覚えておらず…そもそも作品の時系列が分からなくなってしまっているのが難点。
    この作者さんの作品は好きなんだけど、あまり刊行されないし、置いてある本屋が少ないので、ついつい新刊を読み逃してしまう…反省…

  • シリーズ第四弾。前作では女狐と呼ばれた柳原明日香の公安時代が描かれ、スピンオフ的な作品であったが、今回は柳原明日香とともに最初の二作でヒロインを演じた吉村爽子の捜査一課での活躍が描かれており、本来の警視庁心理捜査官シリーズが復活した感がある。

    住宅街の公園で発見された現職警察官の惨殺死体。捜査一課係長の柳原が犯人を追うが、全く手掛かりは無い。行き詰まった柳原は心理捜査官の吉村を招集するが…

    本作は中編程度のボリュームでストーリーは単純であり、余り多くを描いていないのだが、シリーズを読み続けていれば柳原や吉村の背景を知り尽くしているので、物足りなさは感じないと思う。この先もシリーズは継続されるようであり、この作品は新たな展開の序章という位置付けではないだろうか。

    最近の警察小説はその特殊性ゆえ、組織内の確執や組織内犯罪の隠蔽などに重きを置いた作品が目立つが、このシリーズは異常犯罪にフォーカスしているところが好きである。

  • 斬りおとされた首は膝の上に乗せられていた。警察手帳を咥えさせられてー。都内高級住宅地の公園で発見された警察官の惨殺死体。捜査主任は捜査一課第二特殊犯捜査第五係の柳原明日香。公安時代は女狐と恐れられた警部だ。犠牲者が身内ということもあり、上層部からのプレッシャーは凄まじい。手詰まりとなった明日香は心理捜査官として多摩中央署・吉村爽子の特別招集を決断するが…。

  • ストーリー展開は、面白く読み進められた。
    プロファイリングで犯人像を絞り混むくだりは、なかなかに心地よかった。

    最後の“温情”も、フィクションならではで、微笑ましい思いで素直に胸を熱くすることができた(^-^)v。

    ……相変わらず、筆者の警察マニアぶりが発揮されまくりとしか思えない専門用語の羅列は、少々読みづらかったけれど。

    ……“爽子”と“冴子”のキャラが、前回登場時と比べ、わりかし分かりやすく変貌していて…(苦笑)。

    ……本シリーズを原作に、浦沢直樹あたりの絵柄で漫画化されたなら、深夜枠でアニメ化されるくらいの人気が出そう(笑)。


    ★3つ、7ポイント半。
    2013.10.30.了。



    なにやら、続編を匂わせるラスト…。
    筆者、どうやら以外と“壮大な物語”を構想している模様。

    ハマったという程のシリーズではないが、文庫で見かけたならばきっと読むだろうな。

    ※完結まで書き続けるだけの人気が持続できるか…?

  • 警察官を狙った殺人事件。
    捜査一係長、柳原 明日香は、心理捜査官の吉村爽子を呼ぶ。

    彼女のプロファイリングにより、全く異なる人物が捜査線に浮かび上がる。

    その事件は、悲しい過去を呼びます。
    最後の結婚式は、ホロリと来ます。


  • 柳原主任・・・姐さん、素敵です!!
    制服で性犯を犯す警察官なんて中々ありえない気がするが、最低な犯人だな。
    爽子が公安に監視されてる理由は如何に・・・。

  • シリーズの・・・・・何作目だぁ?

    このシリーズは作者の思い入れがけっこう強い気がします。

    ワタクシ的には「六機」と「ROE」がすっげー好きなので、そっち方面の作品をゼヒ出してほしいと思う今日この頃です。

  • けっこう意外な展開で楽しめた。まだ続くみたいだし、楽しみだ。

  • 警察小説を書く作家さんの中では好みではありますが、本作は作りが甘いですね。ストーリーにも少し無理があるけれど、本自体の字は大きく、行間はスッカスカ。誤植も二箇所。もう少しちゃんと本を作らないと駄目でしょう。

  • 2022#11

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著者プロフィール

岡山県在住。『警視庁心理捜査官』で鮮烈デビュー。この作品は人気TVドラマとしてシリーズ化された。吉村爽子と柳原明日香という女性捜査官二人を主人公とする「心理捜査官シリーズ」は好評を博し、その続篇も読者に熱狂を持って迎えられている。警視庁特殊部隊を描く「六機の特殊シリーズ」も、組織や装備などのリアルな描写と作品内で展開される戦略の緻密さが凄いと評判になり多くの読者を獲得した。この2シリーズで警察小説の書き手として不動の地位を築いたが、近著はなんと時代物! 幕末の世を疾風のように通り過ぎた美少女剣士の物語、『緋色の華 新徴組おんな組士 中沢琴』。新境地を開いたのち、次にいかなる作品を引っ提げて打って出てくるのか、固唾を飲んで待たれている現況である。

「2023年 『交戦規則 ROE 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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