私を殺さないで (徳間文庫 は 42-1)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 67
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198944438

作品紹介・あらすじ

あの大ベストセラー小説『22年目の告白-私が殺人犯です-』以後、作家・浜口倫太郎が初めて贈る長篇ミステリーが書下ろしで、しかも、いきなり文庫で登場! 次々と惨殺されるペットたち。その残虐さがエスカレートしていく先には殺人が待ち受けていた。ペット殺しの犯人と殺人犯の接点はあるのか? 人の命と動物の命、その重さに違いはあるのか?家族とは何か? 読む人すべてに命の重さを問いけていく感動サスペンス小説がいま、ここに登場!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルの「私」が誰なのかが鍵なんだろうなと思いながら読み進めた。この人?この人?みたいな想像をしていたが、なるほどそこか!という印象。ミスリード前提で読み進めてくる読者の推理をうまくかわすミスリードだった気がする。
    テーマも深いし、何より読みやすかった。なかなかの秀作。

  • 犬猫の殺処分や遺棄問題についての話かと勝手に判断し、購入。

    沢山の動物たちの惨殺シーンは、動物が大好きな私にとって何とも表現できないとても辛い気持ちになるものだった。
    もう一度読み返そうという気持ちにはなれないと判断し、売却。

  • 表紙と帯から
    廃遊園地で女子高生が殺された古い事件を、主人公たちが解明していく話かと思いました。
    私を殺さないで。いかにもなかんじです。
    諸行無常、栄枯盛衰、虚無と頽廃を感じさせる廃遊園地と無垢な可愛い女の子という組み合わせは何ともフェチズムに刺さりますね。厨二病なので。
    というかイラストの女の子可愛すぎ。ハイお持ち帰り。

    読んでいき
    そこで殺すんかーーーーい!
    というか女子高生じゃないんかーーーーい!(2回くらい叫びました。心の中で。)
    だんだん事実が明らかになっていくけれど、整いすぎています。動物愛護を訴えるテーマが強すぎて。
    それはそれでひとつメッセージ性があっていいんですけど、あれ?きみって社会派小説だったの?って。
    いやでもそれはそれでウンウンその通りだよな、ペット問題深刻。女子高生と廃遊園地の組み合わせデュフフとか思ってて申し訳ない。

    気づいた
    アッまだページ結構ある……。伏線も……。
    女子高生ワンちゃん。

    読後
    結果、女子高生1ミリも出てこなかったです。
    でも最後の場面読んだら女子高生出てこなくても許しました。許すよ、こんなん……。
    ーー私を殺さないで
    そういう、ことだったんですよね。
    この小説に出てくる主要人物(動物)はみんな、私を殺さないでって、言ってるんです。
    そうだよ、生きたいもん。
    この世に生まれ落ちたからには、どんな生い立ちだって、どんな環境だって、どんな生き物であったって、たとえ死んでたとしても、生きたいよ。
    それに、最初は私を殺さないでって、断罪の声だと思っていましたけど、最後の最後で、彼女にとっては許しの声だったんですよね。

    途中までは社会問題要素が強く、ご都合展開もちょいちょいあったのですが、最終的には見事にミステリー要素と、登場人物の心情が絡み合って、賞賛するに充分な満足感でした。
    ん?と思いながらも一気読みしました。

    それにしても、女子高生出てくると予想していた場面、悉く配役が女子高生じゃなかったのは、完全に表紙に騙されました。表紙もグルだったなんて!まったく最高です!!


  • 表紙の、雄大な自然を背景にした少女と猫の、幸せそうな笑顔。そこに重なる不吉なタイトル。
    これは、年間4万引きも殺処分されるペットの心の声なのだな、と思いながら読んでいくのだけど、そんな単純なものではなかった。
    今までにペットを飼ったことのある人間にとって、これは身を切られるような苦しみを伴う物語になるだろう。
    惨殺される犬や猫、誰が、何のために…ふつふつと湧く怒り。そしてとうとう少年までが被害にあう。
    多分、こいつが犯人だろうという人物がいるのだけど、その動機がわからない。おそらくこういうことだろうな、と思って憎しみの目で見ていた、その時、まさかの展開が。そして唖然としながらも納得しかけた、その刹那、もうひとつのどんでん返しが。怒り×驚き=茫然自失。なんてこった。まったくもって、なんてこった。

  • 結論から申しますと最高です!「生きる」ってこういうことなんだとバッチリ教えてくれる作品です。とくにアメコミなど社会派作品が好きな方は楽しめるのではないでしょうか。

    ミステリー小説は大好きなのですが「ここまで踏み込んでいいの?」と5章途中は恐れながら読んでいましたが、ラストのまとめ方に感動です。

    動物と人間の違い、本能/理性知能があるから生まれる恩恵苦しみ、そして、認めれば人間は許され贖罪のチャンスを与えられているんだという人間を救ってくれるシステムへの感謝…!「だめだ。おまえは知っておかなきゃならない。あいつの秘密を。」と生きることへの贈り物をしてくれる旧友。

    「生きる」ということを人間と動物を含めて深く深く考えて最後は今の環境に感謝や気づきを与えてくれる作品でした。

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著者プロフィール

1979年奈良県生まれ。2010年、『アゲイン』(文庫時『もういっぺん。』に改題)で第5回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞しデビュー。放送作家として『ビーバップ!ハイヒール』などを担当。他の著書に『22年目の告白-私が殺人犯です-』『廃校先生』『シンマイ!』などがある。

「2021年 『ゲーム部はじめました。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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