警視庁浅草東署Strio トゥモロー (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198945206

作品紹介・あらすじ

「警視庁公安J」の著者、大人気新シリーズ第3弾
凶弾が正義を穿ち、友情を引き裂く!

腕は確かだが、一癖も二癖もある難物ばかりが揃う警視庁浅草東署。
その署で任に当たる新海悟には、二人の信頼できる幼馴染がいる。テキ屋・瀬川藤太と政治家秘書・坂崎和馬だ。
ある日、新海が「三度目の、正直」の言葉と共に撃たれた。誰かもわからない犯人を追って奔走する瀬川と坂崎だったが、それぞれがヤクザの跡目、政治家として出馬という人生の岐路に立っており、しかもその選択は友を救うのに邪魔となってしまう。

友を救うため、東奔西走する二人に、目を覚ました新海は……。

感想・レビュー・書評

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  • 「警視庁浅草東署Strio」シリーズ第3弾。
    今回は3人の友情に加えて、それぞれの周りにいる仲間の思いや行動に心が温かくなる物語だった。

    テキ屋:瀬川と政治家秘書:坂崎は、ヤクザの跡継ぎになるための準備と政治家になるための準備で忙しい日々を送る。そんな中、警察官:新海が何者かに打たれ重傷を負う。
    今まで中心となって事件を解決してきた新海の代わりに瀬川と坂崎、そして新海の仲間たちがヤクザ周りと政治家周りで捜査を開始する。
    本シリーズではお馴染みの報奨金制度も支払う者が変われば金額に対しての感覚も違って面白い。

    捜査を進めていけば見えてくるヤクザ界と政界の闇。
    瀬川と坂崎それぞれが危機的状況に直面するも、そこにはお世話焼き新海の2人のこれからを応援する思いと行動があった。
    瀬川を思う相京、坂崎を思う父と小暮。いまは未熟でも大物に化けることを期待し、自分ができる最大限で守る。直接言葉で伝えなくても表情や行動で伝わることってたくさんあるな。ただただ感動。
    瀬川と坂崎に起きた出来事はとても悲しく辛いけれど、この経験を糧に一皮も二皮も剥けて大物になるのだろう。

    刑事、ヤクザ、政治家。職業柄堂々と関わってはいけない3人だが、離れて会えなくなってしまうのは惜しい。
    でも最後の会話のとおり、お互いを思う心は変わらない良い仲間だ。

  • 鈴峯紅也の「警視庁浅草東署Strio」シリーズ連続の3作目。2019年12月の文庫本書き下ろし小説。
    浅草東署の警部補で係長の刑事<新海悟>30才が主人公。今回は新海が撃たれて瀕死の重体で入院したところで、二人の親友、これから国会議員に立候補する小学校の同級生で政治家秘書官の<坂崎和馬>とヤクザの志村組の跡目を継ぐことになる中学の同級生でテキ屋の<瀬川藤太>が犯人を探す話なのだが、そんなに単純な話ではない。
    政治家になる坂崎、本物のヤクザになる瀬川、3人がこれからどう付き合っていくのかという重いしがらみの話が絡んでくる。
    そして新海が撃たれた事件は政界の闇とヤクザの世界の闇が繋がっていく。
    坂崎も瀬川も新海の部下の刑事を新海と同じように報奨金で使って犯人探しをする。毎回この部分だけはいただけないと思うのだが、結末へのストーリー展開には必要なコマで仕方ないと諦めた。
    坂崎の父親で大臣の坂崎浩一の秘書の小暮信二、瀬川の親代りの侠客で武州虎徹組の親方の相京忠次、この二人が坂崎、瀬川の運命を左右する。そして新海もこの二人と共に坂崎、瀬川を導く。
    新海が撃たれた事件は、結局は新海の部下を通して新海が坂崎と瀬川を捜査を通して導いていた。
    この物語の結末は余韻を残していて、これからの3人の関係はどちらの方向にいくのか、まだ次回作がありそうな気がする。是非期待したい。

  • 刑事の新海、政治家の坂崎、そしてヤクザの瀬川。
    3人のイニシャルがS,それでSトリオ。
    学生時代の親友トリオがこの回で岐路に立つ。
    次が、あるのだろうか。
    あれば、パワーアップしたストーリーになるに違いない。
    楽しみだ。

  • 10月-07。3.0点。
    幼馴染みの刑事・政治家秘書・テキ屋のシリーズ、第3弾。
    主人公の刑事が、銃撃され重傷に。秘書・テキ屋も将来の道が見えながらも、犯人を捜し。。。

    うーん、匂わせが多く、中盤までストーリーが進まない。
    後半スピードアップしたが、まあまあという感じ。
    完結編なのかな。

  • 今後のスピンオフ作品への布石なのか、主人公を排したストーリー展開。収集した情報が報告の形で上がってくるパターンが多くリアリティに欠ける場面多し。スピンオフするならあの二人にももっと行動力が欲しい。

  • 2020/05/31 32読了

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著者プロフィール

鈴峯紅也
一九六四年千葉県生まれ。ライター歴二〇年ののち、二〇一五年十二月に『警視庁公安J』で警察小説の作家としてデビューし、たちまち人気を博す。主なシリーズとして「警視庁公安J」シリーズ、「警視庁組対特捜K」シリーズ、「警視庁監察官Q」シリーズ、「警視庁浅草東署Strio」シリーズがある。近著は『警視庁公安J クリスタル・カノン』。

「2022年 『パーティーゲーム 警視庁組対特捜K』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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