クレインファクトリー (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198946425

作品紹介・あらすじ

人は様々な悩みに、“もがく”存在。
ロボットが“もがく”と、
何が、起きる…?

奇想溢れる本格SFにして、瑞々しい感動を誘う青春小説。

人の心と、SF(サイエンス・フィクション)と

「心ってなんだと思う?」

 AIの暴走に端を発したロボット戦争から七年。その現場だったあゆみ地区で暮らす少年マドは、五つ年上のお騒がせ女子サクラから投げかけられた「心ってなんだと思う?」という疑問に悩んでいる。里親の千晶がかつて試作した、心をもつといわれるロボット千鶴の行方を探せば、その問いに光を当てることができるのか――? 奇想溢れるアイデアSFにして、瑞々しい感動を誘う青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 無人工場のロボットが反乱を起こすところから始まるお話で、突き詰めると心って何だ?って行くお話です。
    SFではありますが、とてもアナログな生活を送る少年が主人公で、これはSFの姿を借りたモラトリアム小説です。なので、ロボットとかAIとかを期待して読むと外すかもしれません。

  • あんまりSFっぽくはなかったです。

    千鶴とサクラがとっても哀しい。
    ツルちゃんが愛おしい。

    機械に感情移入するのも心なんですかね。

  • どれも近未来SFとは思えない、昭和の頃の下町人情物みたいな雰囲気が特異な一本。こーゆーのがジャンルの持つ巾なんだろう。
     背表紙の惹句から判断すると、ターミネーターの後日譚みたいなものを連想してしまいそうだが、ロボットの反乱はあくまでも後景で、コアになるSF的ガジェットは〝分水嶺〟と呼ばれるもの。これの周囲では確率が歪み、例えばコインを千回投げたら表の目が502回出る。こんな僅かなひずみでも長いでも見れば、というので、これが闇取引の対象となって、それをまつわるあれこれが物語を動かすエンジンになる。
    〝分水嶺〟の原理についての説明は一切なされないが、登場人物の言葉として、誰かが運命に抗ったとき、捻じ曲げられて怒った運命が、反抗を長い目で見てチャラになるよう、反対にねじ曲がった運命を生み出すのだ、というようなことが語られる。でここから、運命を換えられるのが人だ、というような議論が出てくる。この辺りは興味深いんだけど、お話としてはやっぱり少し華がないかな。

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著者プロフィール

1969年生まれ。関西大学工学部電子工学科卒業。『ルナOrphan'sTrouble』で第4回日本SF新人賞を受賞し、2003年にデビュー。その他の著書に、『ダイナミックフィギュア』『シオンシステム[完全版]』『ガーメント』『ウルトラマンデュアル』などがある。

「2021年 『クレインファクトリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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