- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784199008122
作品紹介・あらすじ
子供の頃から感受性豊かで、思ったことを素直に言ってしまう由多。
そのため思春期には苛めに遭い、クラスで孤立することに…。
そんな由多を救ったのは、通っていた絵画教室の講師の桐生凌。
由多の話に耳を傾け、全てを肯定してくれた凌に想いを募らせついに告白!
ところが凌の返事はなんとOKで、二人は恋人同士になることに…。
けれど付き合ううちに、凌が過去に縛られていることに気づき!?
感想・レビュー・書評
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面白かったー。時間なかったので少しだけと思ったんですが気になってほとんど読んでしまいました。
すごく丁寧な話だった。あとがきで「どんな話か説明しようと思ったら一行で終わってしまう話」とありましたが、まさにそういう。ただひとつの出来事、「愛する」とはどういう事かを、そのたった一歩を、丁寧に1冊かけて描いた話でした。何年にも渡って1つ1つ、何がどういう事だったのか、ゆっくり静かに気づく話。大きく進んだわけではないけど、それは確かに大きな一歩でした。最後、どちらにも、良かったなぁとほろりとしました。これからきっと、2人で朝を歩いていくんだろうなと。
簡単に言ってしまえば、薄い布で長年に渡って庇護され続けたせいで無菌培養の残酷な純粋さを持ってしまった主人公が、その膜から出て、ようやく世界を認識する話。ベタではあるかもしれないですが、後半、主人公と先生の立場が逆転しているのが面白かったです。無菌培養だったゆえに外に放り出された事で壊れるのかと、壊されるのかと思わされたのですが、先生に庇護されていた期間は決して無駄だったわけではなく強さもきちんと育てていた事が、良かったです。今度は先生の手を引ける程に。
菅野さんの文章って独特で、個人的には読みにくいなと思うんですけど、でもすごく印象的な文章をいくつも残すんです。今回もそうでした。そして前より読みやすかった気がします。絵が題材という事もあってか、すごくキレイな、印象的な文章がいくつもありました。
刺激的な話が好きな人には向かないと思います。まどろっこしく、何が進んだの?ってなるかな。微妙なこころの機微、心理描写が好きな人には面白いと思います。毎日晴天!シリーズの心理描写が好きな人には、面白いと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
memo: コミコミ特典イラストカード付
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由多の気持ちは正しいけど、先生はそれではやっぱり前に進めないと、わたしは思ってしまう。
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すごく簡単な言葉で言うなら「ロマンチック」でした。
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陳腐ながら、愛するて素敵ね!といったところでしょうか。
我が身を振り返るとさみしくなっちゃうな(爆)