NOVEL21少年の時間: text BLUE (徳間デュアル文庫 て 1-1)

制作 : デュアル文庫編集部 
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199050343

感想・レビュー・書評

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  • 「少年」をキーワードに集められた六つの短編。ハイブリッドアンソロジーと言うらしい。ようは、今の作家たちによるジャンルを問わない短編集だ。それでもSFっぽい作品は結構含まれている。

    収録されている作品とその作家は以下のとおり。

    鉄仮面をめぐる論議(上遠野浩平)
    夜を駆けるドギー(菅浩江)
    蓼喰う虫(杉本蓮)
    ぼくが彼女にしたこと(西沢保彦)
    テロルの創世(平山夢明)
    ゼリービーンズの日々(山田正紀)

    まあ、「ぼくが彼女にしたこと」以外はSFと呼んでしまってもいいんじゃないだろうか。これはなんというか、アダルトちっくというかなんというか…。

    「夜を駆けるドギー」は近い将来のネット上のコミュニケーションと、ペットロボット(AIBOみたいなもの)の問題点を提示する作品。某巨大掲示板風な会話などが、面白い。というかどことなくリアルで少し気味が悪いくらいだった。

    「ゼリービーンズの日々」はなかなか好きだ。どこがどう好きなのかはうまく表現できないのだが。シオドア・スタージョンの「人間以上」をモチーフにしている。そう、どこかに障害を持っている人は、普通の人間以上の能力を代わりに得ているのかもしれないのだ。彼らは、三次元にとらわれないで現実を見ることができる。少年少女を厳しく取り締まる法律が施行される社会で、彼らは大人たちの悪意に立ち向かっていく。

    上遠野浩平は「ブギーポップ」シリーズを書いている人だ。これまた不思議な能力を生まれついて持ってしまった男の叙事詩(?)である。彼に触れるものはすべて水晶化してしまう。この能力ゆえに、彼は孤独な兵器だった。

    「蓼食う虫」は、どこかで見たテーマな気がする。人類が漂着した星は、人間の願ったものを具現化して与えてくれる…。

    「テロルの創世」は人間の影として生きるクローン達の物語。オリジナルの人間のために生き、死んでゆく子供ら。人間とは何かを考えながら読むといいのかも(しれない気がする)。

  • SFアンソロジーです。
    上遠野浩平先生の「鉄仮面をめぐる議論」は、ナイトウォッチシリーズのサイドストーリー的な感じ。
    こちらが目当てでしたが、クローン医療がの題材平山夢明先生の「テロルの創世」、
    リアル犬型ロボットとネット社会が題材の菅浩江先生の「夜を駆けるドギー」、
    都市伝説系ファンタジックSFの山田正紀先生の「ゼリービーンズの日々」も好きでした。

    鉄仮面をめぐる論議 上遠野浩平
    夜を駆けるドギー 菅浩江
    蓼喰う虫 杉本蓮
    ぼくが彼女にしたこと 西沢保彦
    テロルの創世 平山夢明
    ゼリービーンズの日々 山田正紀

  • 6人の作家によるSFアンソロジー。
    上遠野浩平氏のナイトウォッチシリーズの続編短篇?
    最後の方にチョロっと出てきた鉄仮面の話が読みたくて購入。
    面白かったです♪
    それだけ読んでやめようと思ったけど、次の作品が
    菅浩恵さんだったので読んで正解。
    他にも、平山夢明氏、杉本蓮氏、西沢保彦氏の作品も面白かった。
    山田正紀氏の作品は合わなかったなぁ〜(^o^;

  • 確か徳間デュアル文庫創刊時の記念短編集だったはず。
    購入の目当ては上遠野さんだったけれども、一番のお気に入りは菅さんの『夜を駆けるドギー』でした。
    全体的にライトノベルというよりは、ジュブナイルの空気。SF好きならばどれか一つは琴線に触れる短編があると思います。
    絶版のようですがおすすめ。

  • デュアル文庫の編集部が出したアンソロジーの第1弾。
    作家陣がさることながら、収録されている話もラノベとしては秀逸。

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