人魚の夏 (読書の時間 10)

著者 :
  • あかね書房
4.17
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本棚登録 : 219
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784251044808

作品紹介・あらすじ

小5になる春、知里は海で呼びとめられ、不思議な約束をする。クラスに自分の子が転校するので友だちになってほしい、という人魚と。その言葉通り、転校生として海野夏がやってきた。すぐに人気者になった夏だが、自己紹介で性別を明かしていなかった。しかし、掃除の時間に話しかけてきた夏は、知里に秘密を教える。自分は人魚だということを……。将来を決めるため陸に上がった人魚の子と、友だちの秘密を守り抜く少年の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 性別不明、天使のような転校生夏は人魚。知里を信用し秘密を明かしてくれた夏のため、1年間秘密を守り通し夏の未来を守りたいと願い奮闘する物語。

  • いや~、児童書いいなぁ。
    大事なことが詰まってる。
    ファンタジー要素もあって、じわりと響く素敵な作品でした。
    捻ったり裏を読んだりせず、ストーリーと一緒に自然に言葉がストレートに入ってくる。
    ハッとなる場面がいくつもありました。

    人魚の海野さんの秘密を共有することになった小谷君。
    合唱コンクールをめぐるあれこれを通し、2人とクラスメートが友情を育みながら成長していく姿に心が温かくなる。
    子どもって、素直だからこそ残酷なときもある。「小学生の世界ってこんなだったなー」って思い出しました。

    子育ても終わりに近づいている私。
    自分の子ども時代、子どもの幼少期、そこからまた年数を経て読む児童書も良いものですね。
    そんなことを感じた読書体験でした。

  • すごく好き

  • すごい、まめふくさんの絵がぴったり!な物語。

  • 2021 あかね書房 読書の時間10

    嘉成晴香かなりはるか 作

    不思議な話

    秘密の話はドキドキ、ワクワクする

    小谷知里こたにちさと は
    海で、海野春という人魚に会う
    実は春は知里の母美里の友だちだった

    春は夏という子が、転入してくることを告げる
    そして5年になった知里のクラスに
    海野夏という子が転入してくる

    夏は任期になるが、男の子か女の子かわからない
    (人魚だから)

    夏の秘密を知る知里は、クラスで戸惑いながらも夏を守る
    合唱コンクールに際しても、
    歌えない理由を知って、どうにか参加させるべく努力する

    レオくん
    鈴原さん
    福本くん

    それぞれいい味のある友だち

  • レオみたいな子、人気あるだけに誤解されやすいのかもなぁ。爽やかな物語でした。

  • 夏の青色、夕方のオレンジ色、暑い季節に訪れるスッとした気持ちの良い風。夏の景色が、空気が1冊にぎゅうっと詰まっていて、このなんともいえない懐かしさに包まれる感じはなんだろう。知らないはずなのに、知っているような、感じになる、体験してなかったとしても記憶のどこかにある泣きたくなるようなあたたかいなつかしい空気。

    友だちのことを思って行動できること。それを、困るのではなくて嬉しく、楽しく思えること。
    ムムッ。としたことは真っ直ぐに言うこと言えること、それを真っ直ぐ聞くこと、聞けること。
    そして、わだかまりがなくなって、まあるくなれること。
    いい子たちだなあ…
    夏の空気と合って、すごく、すごくもう、なんだろ、シュワシュワする。サイダーに溶けたくなる。

  • 第69回産経児童出版文化賞フジテレビ賞
    第8回児童ペン賞少年小説賞
    賞もの読み。小5設定、厚さの抵抗はあるが、語りの読みやすさがちょうどいい。人魚の中性設定がLGBTと繋がりあり。合唱コンクールで仲違いするも、普遍な友情と努力で和解+人魚。ファンタジーと学校もののしっくりした組み合わせ。

  • 友達と、個人として向き合う緊張感を感じました。それぞれの個を大切にする難しさもありますが、そのようなギリギリバランスが取れた中で、培われるものがあると思います。子どもに読ませて感想を聞きたい一冊です。

  • 語り口が少し苦手なタイプだった。男か女か、型にはめないといけないのか?多様性を認める社会に生きるこどもたちに。

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