- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784251080486
感想・レビュー・書評
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【十四のピストルのなぞ】
同時収録の「エジプト十字架の秘密」よりもページ数が少ないのですが、私としてはこちらの方が面白かった。
なお、このタイトルは本バージョンオリジナルであって、完訳版では『靴に棲む老婆』『生者と死者と』というタイトルで出ているようです。
舞台となるポッツ家の家族構成や屋敷の構造が面白い。さらにマザーグースの見立て殺人でもあります。映像化すればどんな風に描かれるのでしょうか。
最後、「衝撃の真相!」の連続で、お見事です。
【エジプト十字架の秘密】
「読者のみなさんへ
たたかいをいどみます
犯人は、だれでしょう?」
当然、私に分かるはずなかった。
犯人の思考と行動があまりにも異常すぎます。単純過ぎる私には到底思いもよらない真相です。
しかしミステリーの知識を増やしていけば、トリックを見破る可能性が高くなっていくはずだ。
その考え方でいくと、ミステリーも時代が下がるごとに描かれたトリックやパターンのネタが増えていきます。
ネタ切れにはならないのでしょうか。
しかしそんな心配はよそに、次々と「衝撃の真相!」と銘打ったミステリーが生まれていっています。
「衝撃の展開!」のミステリーが生み出されている限り、人間の能力を人工知能が超えるという技術的特異点(シンギュラリティ)の心配はなさそうです。
というより、私はミステリーの種切れを心配するより前に、まず基本的なミステリーを読んで基礎的知識を充実させないといけない。
以上、本巻の翻訳は亀山龍樹さん。なかなかこなれた読みやすい文体だと思いました。
挿絵は横尾忠則さん。洒落た感じで、クイーンの作品世界にマッチしていると思います。
http://sfclub.sblo.jp/article/181417176.html詳細をみるコメント0件をすべて表示