考える科学文章の書き方

  • 朝倉書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784254101720

作品紹介・あらすじ

読者を思い浮かべ、読者とのギャップを埋めよう。思考のパターンを再構築し、言葉に直していこう。"批評眼"をもって論文を書く技術を習得しよう。「あたま」を使って科学を書く。

感想・レビュー・書評

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  • 科学的思考のプロセス、科学とはなにか、といった概念的な話から、「科学的」思考に基づく文章とそうでない文章の違い、文章の「濃度」を高める方法、文章の組み立て方といった実践的な話まで述べられている。科学史上の発見がどのような過程でなされたか等に関する記述も多く、読み物としても、そういった方向に興味のある人には楽しいと思う。文章力を高めたいのだけど、どうしていいのかよくわからないという人には役立つはず。ただ、「英語」論文の書き方の参考書としてはあまり使えない。たとえば、よく使われる「動詞」という項があるのだけど、これが全部日本語訳されてしまっていて、もとの英語の動詞がわからない。こういうところは英語と日本語の併記にしてほしかった。

    参考になった「文章の濃度の低め方・高め方」より抜粋メモ。文のうまい人は無意識的にこういった作業が身に付いているのだろう。
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    1。書くに先立って、書く目的と狙う読み手を見定めること。情報ギャップをはっきりさせること、自分の優先度を定めること、何を取り入れ、何は除くのか。

    低め方
    2。ヒポシポプス・ルビクンドゥスのような専門用語よりも、記述的(相対的に)な語を用いる。〜「二つの等しい部分に分ける」「ガリバルディと呼ばれるオレンジ色の魚」など。(記述的な語と専門用語の差は相対的であることを忘れずに。この区別を決めている絶対的な尺度はない。)
    3。難しい概念は分解して、妥当と思われるより簡単な語で説明すること。
    4。文の構造を変えて、複合的で複雑な文よりも、より単純でより簡明な文を使うこと。
    5。文どうしのつながりがよくなるように、適当な移し換えをすること。

    高め方
    2。自分の優先度によって、情報をより経済的な形に圧縮する。一語に数語がもつ以上の情報を含ませるようにする。「乱層雲」「鋸歯」「二分する」などの語は、短い中に多量の情報を含んでいる。
    3。文が伝える情報量を濃縮する。方法としては、
     a. 関係のない語を削る
     b. 何も情報を伝えない語を削るか、または置き換える。「いたるところで明らかなように〜」など。
     c. 無駄な語を削るにつれて、従属化または変形によって文を合体させる。
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