- Amazon.co.jp ・本 (153ページ)
- / ISBN・EAN: 9784254690385
作品紹介・あらすじ
本書は、スポーツの中にみられる身体運動のメカニズムをバイオメカニクスの観点から整理し、20世紀の研究成果をまとめること、ならびにバイオメカニクスの研究方法について初学者でも独学できるように解説することを目的としている。
感想・レビュー・書評
-
筑波大学名誉教授、阿江通良,浅井武;教授、藤井範久;助手、結城匡啓,高松潤二;技官、伊藤信之;卒業生、伊藤章,飯干明,若吉浩二,若山章信,岡田英孝の共著。
筑波大学の授業科目「スポーツバイオメカニクスⅡ」、大学院科目「スポーツバイオメカニクス特講」の指定参考書。
基礎にも実際にも触れられる。
第Ⅰ編で各種の動作と競技への適用を紹介し、第Ⅱ・Ⅲ編に基礎事項をまとめる。先に身近なスポーツの実際を取り上げてから、後に原理を解説する順番のため、変に理屈から先入観を得ずに実現象を捉えられる。とはいえ、第Ⅰ編は専門用語に慣れていないと難しいところがあるので、初学者は先に第Ⅱ編以降を読んでからが良いかもしれない。
しかし決して難解というわけではなく、内容は基礎的で丁寧に扱われている。基礎知識や測定手法を広く身に付けられて良い。込み入った理屈には意図的に踏み込まないように見受けられる。 メカニクスが専門(工学)の私からすると、少々物足りなさを感じるところもある(コリオリ力に言及しない等)。
第Ⅰ編は分析事例と言ったところで、動作の一般論がまとめられているわけでは無く、だからどうしたら良いかという改善やコーチングの観点は明言されない。競技経験のあったスキーは、なるほどこうすれば良いのか、と役立つ結論が読み取れたが、経験の無い他の競技のことはイメージがつかなかった。
目次
0.スポーツバイオメカニクスへの招待
○Ⅰ編 スポーツバイオメカニクスの実際
1.動きに対する原理と研究成果
― 歩,走,跳,投,打,蹴,泳,滑
2.発達と加齢
3.臨床と用具
○Ⅱ編 スポーツバイオメカニクスにおける力学
4.力学の基礎
5.運動力学
○Ⅲ編 スポーツバイオメカニクスの研究法
6.計測とデータ処理(測定変数の精度)
7.解析
8.評価
○付録
9.解剖図
10.単位について詳細をみるコメント0件をすべて表示