増補 試験の社会史

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784256191101

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  •  近代日本の学制&試験の生い立ちがわかる。
     分量は適度で、文もそれほど固くなく読みやすいので、同レーベルでも特におすすめ。
     もちろん『科挙』(中公の新書or文庫)も。

    【目次】
    まえがき [005-009]
    目次 [010-015]

    1 近代化と試験の時代 017
    1 試験ことはじめ 017
      モルレーの演説/試験の時代/競争の制度化
    2 一九世紀ヨーロッパの試験 031
      官僚試験とアビツーア/入学試験とコンクール/競争試験の社会/試験制度の「理念型」
    注 045

    2 試験と選抜の伝統 049
    1 前近代社会の試験 049
      貢挙の制/昌平黌と学問吟味/等級制と試験/漢学の教育方法
    2 塾・試験・競争 063
      咸宜園の教育/イエズス会のコレージュ/適塾の競争制度/近代日本への遺産
    注 077

    3 教育と試験の制度化 081
    1 復古と近代化の間 081
      人材選抜の構想/「進士及第ノ法」/復古主義と近代主義/貢進生制度/大木喬任と西欧化
    2 「学制」と試験制度 096
      競争と闘争/「学制」の試験規定/等級制/試験と競争の制度化
    注 109

    4 小学校から中学校へ 113
    1 小学校と試験 113
      小学校の試験規則/試験の実態/「比較試験」/試験の役割
    2 中学校と試験 127
      中学校の発足/中学校の試験制度/入学試験/進学と試験/予備校の出現
    注 141

    5 高等教育と試験制度 145
    1 外国語と予備教育 145
      大学南校から第一番中学へ/英語学校の誕生/大学予備門と試験/予備教育の永続化
    2 高等教育と試験 158
      司法省法学校/工部大学校/札幌農学校/東京開成学校/東京大学
    注 172

    6 資格試験制度の成立 176
    1 資格試験と代言人 176
      職業資格と試験/代言人の登場/私立法律学校の出現/立身出世の道
    2 医師と教師 190
      医術開業試験の開始/試験準備の教育/小学校教員と検定試験/中等教員と検定試験
    注 203

    7 官僚任用試験と学歴主義 207
    1 官僚任用制度と試験 207
      官僚と学校出/伊藤の“文官候生案”/森有礼の教育改革/官僚試験制度の成立
    2 官僚制と学歴主義 221
      試験の実態/制度の改革/学歴主義化の波/学歴主義の始まり
    注 234

    8 帝国大学への道 238
    1 小学校と試験批判 238
      小学校の試験批判/競争試験の廃止/中学校への道/卒業と中途退学
    2 中学校から高等学校へ 251
      中学と高校の間/学力による選抜/無試験入学制/井上の制度改革/高等学校の入学試験
    3 専門学校と試験 267
      専門学校の問題/正系と傍系/実業専門学校の試験/私立専門学校/私学と選抜試験
    注 282

    9 受験の世界―― 一九○○年前後 287
    1 『遊学案内』と受験の世界 287
      『東京遊学案内』/明治三五年の受験界/試験と特典/学歴と職業資格試験/学力から学歴へ
    2 試験群像 302
      受験の世界/「苦学力行」/帝国大学選科/東京大学への道/帝国大学への道
    注 316

    10 試験と上昇移動の道 320
    1 士族から平民へ 320
      上昇移動への欲求/士族出身の子弟/平民の子弟/地方から東京へ/試験制度の定着
    2 試験の二つの道 
      試験のメインロード/さまざまなバイパス/官僚と法曹/医師と中等教員
    3 入学試験の時代 
      モルレーの死/卒業試験と入学試験/入学試験の変質/学歴と入試の時代
    注 362

    補論 試験の近代・テストの現代 365
    注 382

    あとがき(一九三八年夏 天野郁夫) [384-389]
    平凡社ライブラリー版あとがき(二〇〇六年初冬 天野郁夫) [390-393]
    解説――教育社会学者であるということ(園田英弘) [394-400]

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著者プロフィール

1936年神奈川県生まれ。一橋大学経済学部・東京大学教育学部卒業。東京大学
大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。名古屋大学教育学部助教授、東京
大学教育学部教授、国立大学財務・経営センター研究部教授などを歴任。
東京大学名誉教授、教育学博士。
著 書 『試験の社会史』(東京大学出版会、1983年、サントリー学芸賞受賞;
     増補版、平凡社ライブラリー、2007年)
    『高等教育の日本的構造』(玉川大学出版部、1986年)
    『学歴の社会史』(新潮選書、1992年、平凡社ライブラリー、2005年)
    『日本の教育システム』(東京大学出版会、1996年)
    『日本の高等教育システム』(東京大学出版会、2003年)
    『教育と選抜の社会史』(ちくま学芸文庫、2006年)
    『大学の誕生』(上下、中公新書、2009年)
    『高等教育の時代』(上下、中公叢書、2013年)
    『新制大学の誕生』(上下、名古屋大学出版会、2016年)
    『帝国大学』(中公新書、2017年)他多数

「2019年 『新制大学の時代 日本的高等教育像の模索』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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