国民のための百姓学

著者 :
  • 家の光協会
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784259546816

感想・レビュー・書評

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  • 内田樹さんの編まれた本の中で
    宇根豊さんの一章があり、
    とても興味深く読ませてもらったことが、
    宇根豊さんの「哲学」との出逢いだった。
    それから
    いろいろな宇根豊さんの著書を読ませてもらった。
    (田んぼの)実践者でなければ
    すっと理解できないであろう実用書
    子供たちに向けて書かれた「田んぼと生き物」の本
    その他…
    数々読んできたけれど
    もし、お人に薦めるとしたら
    この一冊を挙げたい。
    「農」に携わっている人
    「農」に興味がある人
    いずれの人にも
    分かり易い言葉で
    語り掛けられている気がする
    そんな一冊になっている

    小林敏也さんの挿画が
    宇根さんの「信条」と
    みごとにマッチしている

  • 面白く読んだ。各章短くて読みやすいし、わかりやすい言葉を持って書かれている。儲かる儲からないの価値基準で苦しいので助成してくれでは国民の納得は得られない。田んぼを守ろうだと、農家の所得を守ろうに直結して考えられがちで本来の目的が果たせない。それを、メダカのいる小川を、蛍のいる、トンボの、ヒガンバナの、レンゲの、とそれらの動植物の力を借りることで、公共性があがり、より身近に感じ、関心が高まる話など目から鱗である。
    江戸時代の百姓についてのイメージも現代にむけて発達してきているという過程が理解の邪魔をしていて、貧乏で虐げられてきたと思われがちであるという話や、百姓という言葉を差別用語として控えている流れであるが、昔ながらの言葉こそ誇りをもってほしい言葉であるのいう話をクイズを交えながら展開されていたのは興味深かった。

  • 20101006 何かをしないといけないのではないかと思わせる本

  • むかし立ち読みで読んだ本。卒業生が置いて言っていたので拾った。出た当初、農村の哲学という試みが面白かったが、今では生活の知恵と抽象的な哲学を未分化のままにしておく事は学問的にどうなんだろう?とも思う。東洋的、反西洋、反科学、色々な言い方でそうした方法論を正当化する事はできるだろう。が、枠の外に出ることで問題が解決できるというのは個人の救済に過ぎない。そして、個人の救済という点で、生活の知恵と1000年に及ぶ宗教に勝るものは無い。それでも、「時代の流れにさからう農業の倫理」を志向した著者の挑戦は、この本において大きく実を結んだと思う。時々読み返してしまう一冊。

  • 分類=農業。05年9月。

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著者プロフィール

宇根 豊  農と自然の研究所代表。1950年、長崎県生まれ。福岡県農業改良普及員時代に減農薬の稲作を提唱。1989年に就農し、農の有り様と真価を問いかけ続ける。著書に『農本主義へのいざない』など。

「2021年 『半農半X これまで・これから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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