今関さんちの自給自足的生活入門

著者 :
  • 家の光協会
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感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (167ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784259561239

感想・レビュー・書評

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  • KiKi がLothlórien_山小舎生活を始めようと画策し始めた頃、会社の同僚や部下の多くから「何を好き好んで田舎で暮らしたいと考えるようになったのか?」という質問を多く受けました。  でも「何で?」と聞かれても正直なところ KiKi にはそれに応える合理的な解答の準備はありませんでした。  強いて言えば「土をいじる生活を子供の頃していて、若い頃はその世界から飛び出して広い世界(文字通り、日本国内ではなく他国を含めた世界)で学生時代に学んだことを生かしながら、自分にできることを精一杯やることに喜びを感じていたけれど、30歳頃から『老後』を意識し始め、最後はあの子供の頃の生活に戻りたいと感じるようになったから。」ということだったんだけど、そこから派生して「こんな生活」「あんな生活」と具体的な話を始めると、多くの人が「あ、要するに自給自足的な生活がしたいっていうことなんですね?」と締めくくりました。  でもね、正直なところ KiKi は都会の人たちが漠然と言うところの「自給自足的な生活」をしたいと思っていたわけではなかったし、その締めくくられ方には釈然としないものを感じていました。

    だから・・・・と言うわけではないんだけど、冠に「自給自足的生活」という文字が躍る書物や雑誌などには正直なところあんまり興味がありませんでした。  何となく・・・・ではあるんだけど、そういう書物を目にしたり読むことによって、自分がLothlórien_山小舎で試行してみようと考えている生活までもがその「自給自足的生活」というプロトタイプに陥っていってしまうような気がして、それだけは避けたいというある種の抵抗感みたいなものがあって、意識的にそういう本を読まずに過ごしてきたのです。

    (全文はブログにて)

  • 自給的農業の実践のマニュアルの書であるが、本書の特徴は、語り口が穏やかでお人柄がとても伝わってくる気がする点だと思う。とはいえ、サラリーマンだった人生から、ある日有機農業の存在を知ったとたん急にいてもたってもいられなくなり、まっしぐらに農業者に転身した、という経緯からすると、もしかすると心の中にとっても厚い情熱を秘めた方なのかも知れないという気もする。そう思えば、一つ一つ紹介されている作物や加工品の作り方の手ほどきの内容も、何かしらのこだわりと熱心さの裏打ちがあり、強い探求心があるような感じがする。どの説明もとてもしっかりとしていて、こうやればきっとうまくいくだろうなという気にさせられる。また、うまく行ったお話だけでなく、うまく行かなかった、もうやめてしまった、という話も平気で書かれており、公平で視野の広い内容なのも、参考になっていいと思う。実際に、自給的農業をやってみようとする際には、非常に参考になるだろうと思う。

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著者プロフィール

今関知良(いまぜき・ともよし)
1937年生まれ。会社勤めをしていた48歳のとき、ふとしたきっかけで農業に目覚めた。1987年に脱サラ、千葉県に移住して有機農業を始める。何度も借地農業の限界にぶつかりながら、ついに1990年、徳島県の山川町に農地を購入、自給自足的な百姓生活に入る。
以後、執筆活動にも注力し、著書に「百姓になりたい」「それでも百姓になりたい」(飛鳥新社)、「脱サラ百姓背水の陣大豆づくり奮闘記」(東邦出版)、「虫嫌いの田舎暮らし」「今関さんちの自給自足的生活入門」(家の光協会)、「ボクはイジメられっ子?」(リトル・ドッグ・プレス)、「ほどほどに食っていける田舎暮らし術」(創森社)などがある。

「2009年 『ぼくは農家になった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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